日々の泡。

popholic diary

2002年11月上旬の話。

2002/11/1~15

さて、早いものでもう11月。秋から冬に変わる季節ってのがたまらなく好きなのだが、今年は秋の感傷的な気分に浸る間もなくいきなり冬到来。もう10年以上着ている祖母手編みのカーディガンを寝巻きの上から羽織ると冬が来たことを実感する。

さぁ、3連休たっぷり休むぞ!という訳には行かないことはこの日記を読んでいる人ならわかってもらえると思う。朝から滋賀でお仕事し、昼からは大阪本社で会議出席と世間では3連休の一日目の土曜だというのにハードコアな仕事ぶり。家に帰り着いたらもう10時過ぎ。ヤダネったらヤダネ。

で2連休!ってこれまた仕事。日曜の朝、8時、道路はガラガラでいつもなら1時間かかる道も30分で。今日は物流で商品入れ替え。前日までコンピューターに向かい棚の設定など細かい作業をし下準備は完璧なはず。後はよろしく!と言いたいところだが、人手不足もあり作業員として朝から力仕事。ほんとシステムとは名ばかりですな。みっちり8時間作業行い8割がた終了させ、後は明日に。ってことは、おいおい、3連休働き詰めかよ!(三村風に)

で翌朝。普段使わない筋肉を使ったもんだから身体中が痛い。階段あがるのもままならん。高校の体育の授業以来スポーツしてないからねぇ。でまたまた今日もがっちり仕事してやっと終了。明日からはまた何事もなかったかのようにお仕事が始まる。帰りの車中でカーネーション聴きながら、この30男の人生のリアルを感じる。

ダンボール・バットというバンドの「未来ブティック」というCD。これがなんつーか、気持ち悪いんだ。ジャケも最低だし。でもなんか、なんか、引っかかってくる。鈴木慶一が1曲目「マイコン・エイジ」って曲のプロデュースしてるんだが、「今は80年代前半か!?」というぐらいチープなまさに「テクノ歌謡サウンド。胡散臭い!演奏はイナタイし、ボーカルは吉幾三あがた森魚を足して2で割らないようななんともいいがたいボーカルだし。でも、でもなんか引っかかる。はっきり言って好きではないんだよ、で、でも、なんなんだ、この気持ち悪さは・・と思いながらリピート。あ~気持ち悪い。

今日は滋賀でたっぷりお仕事。仕事後、I君、M君、大阪から応援にきてもらってるOさんとうどん食べに。うどんすすりながら男と女の恋愛観など馬鹿話も交えて。基本的に女性はスーパーリアリズムの世界に生きてる。で男はというとこれがもうファンタジーの世界で生きているんだなぁ。山城新伍言うところの「ポエムだなぁ、メルヘンだなぁ」というのが男の世界観なわけだ。

金曜の仕事後、パルコのオオツ7シネマに。10時からの最終上映にぎりぎり間に合ったので北野武監督「Dolls」やっと観る。子供ができてからほとんど映画観ることなくなっちゃったんだけど、北野作品だけは唯一観てる。で今作は賛否両論というか否定的な批評も多かったのでどんなもんかなぁと思っていたが、観終わった感想言えば、北野武監督はいまだ「最新作は最高作」をキープしてると思う。北野監督の作品はもはや北野武そのもの。今回はこれでもかというぐらいに北野武の恋愛観、女性観が色濃く出ている。でこれをみうらじゅん風に言うならばまぎれもない童貞映画である。若い頃からモテてた奴には絶対作れないし、わからない映画だと思う。ターザン山本氏が「往生際日記」(このターザン氏の日記、言葉ははっきり言って今一番エキサイティングな読み物でここ数年、僕にとって人生の指針にもなってるのだが)の中で酷評してて「武さんはひとことでいうと、女性に対する美意識が成熟していない。自意識の高い自立した女性に対するスタンスがとれない人だ。」とズバッと言っているが、むしろだからイイんじゃない、そこがイイんじゃないと僕なんかは思う。男にとって愛は常に幻想でしかない。そしてその幻想が現実になった時、愛は罰に変わるのだ。

クラムボンの新譜「id」。クラムボンはテクニックに裏打ちされた自由奔放さがデビュー時から魅力的だったが、ここにきてまたその自由奔放さがサウンドにいい“力”みたいなものを与えてるなぁ。その上、音楽と真っ向から対峙していこうという覚悟がじわりと感じられて音に深みがある。前作の感想で「原田郁子嬢のヴォーカルは表現力を増した」と書いたけど、今作では“色気”がでてきてる。うん、秋の夜にじっくり聞きたくなる音楽だ。

で久々に土曜休日。妻はバイトなので娘と二人で過ごす。外に遊びに行こうと思ってたが「寒いからお家で遊ぼう」との娘の提案で家でダラダラ。近所のゆうちゃんが遊びに来たので「サッポロポテト」をおやつに出す。「サッポロポテト」といえば昔、サッポロポテトを皿に入れ、それをシリアルみたいに牛乳をかけてよく食べていた。これ、誰に言っても「えーっ」って感じで否定されるのだが、はっきり言って激ウマ。塩味のポテトと牛乳が生み出すジャンクなハーモニーがたまらんのだ。

しかし、まぁ休ませてくれない会社だ。ほぼ毎日家に帰り着くのは日付かわってから、というようなハードな日々。帰り道にコンビニによって「手塚治虫ミニヴィネットアンソロジー」を買うのが唯一の楽しみ。これがまたよくできてるんだ。マニアではないが、これだけよく出来たフィギアがわずか300円ほどで手に入るんだから嬉しいよね。

日曜、家族で自転車にのって買い物。玉無しで自転車に乗れるようになった娘はどこ行くにも「自転車で行きたい」と言うので寒いけど自転車で出かける。でも自転車って車やバイクよりはるかにピースフルな乗り物だよね。まるで昭和な大津の町は自転車がまた似合う。でそんな昭和な大津でこれまた昭和なブツ発見。20年前から時間が止まったかのようなパン屋の店先、日差し除けのサンシェードにはグリコのアイスクリームを手にニッコリ微笑む、聖子ちゃんが!これぞ、ほんまもんの「聖子ちゃんカット」。(画像クリックで大きなサイズで見れます)今や娘のSAYAKAちゃんに受け継がれたグリコのアイスだが、ここ大津ではいまだ聖子ちゃんが微笑んでいるのだ。ポケットラジオで「松田聖子のピンクのスニーカー」なんてラジオ番組聞いていた20年前を思い出すなぁ。

七五三の季節になると近所の写真館のディスプレイに娘が3歳の時、七五三の記念に撮った写真が飾られる。もちろん一番かわいいので一番上にでっかくディスプレイされるのだ。まぁ、親バカとお思いでしょうが、僕はもはや親バカを目指してるのだ。娘が生まれた時、200%娘を愛することに決めた。それが、こんなダメ親父ができる唯一のことなのだから。

会社の先輩の送別会。こうしてまた一人会社を去っていくんだな。辞めていく先輩は一つ上の先輩でよく話もしたしなんか感慨深いな。人生に“選択”なんて本当はないんだと思う。多分決められたほうに僕らは向かっている。俺が向かってるのは一体どこなのかな。明日はどっちだ?なんてね。