日々の泡。

popholic diary

2002年10月下旬の話。

2002/10/16~31

数年ぶりにスーツ買う。多分2年以上は買ってないし、4年も5年も同じスーツ着てたら中学生の学生服みたテカテカになっちゃっててかっこ悪いことこのうえなし。でちょうどパルコにあるスーパースーツファクトリーでバーゲンやっててお代は14000円也。ほんとはスーツなんかもイイの買ってビシッと着こなしたいものだが、この不況下、安月給のサラリーマンはスーツより前に米を買わなきゃならないんだよ。

家族で水口スポーツの森まで。休日に子供連れていくとこ考えるのって結構大変。滋賀の公園は行き尽くした感あるし。ではるばる水口まで。公園は写真で見るより小ぢんまりしててちと期待はずれ。でも、まぁ、天気も良かったし良しとしよう。

ビデオで吉本主催のR-1グランプリ見る。優勝は大穴・だいたひかる。独自の雰囲気を持った喋りで聞かせる「あるある」ネタ。日常の中やテレビの中のちょっとしたつっこみどころを発掘する「あるある」ネタはとっかかりやすいネタだけどそれをどう聞かせ、どう持続していくかが勝負どこ。言ってみれば「つぶやきシロー」も「ふかわりょう」も「ユリオカ超特Q」も「いつもここから」も「テツandトモ」もちょっとした発展系といえる「鉄拳」も「大木こだま・ひびき」も基本的には「あるある」ネタ。この「あるある」ネタっていつからあるのかなぁと考えてぶち当たったのがツービート。漫才ブームの頃のツービートのネタ、例えば「青春ドラマ」や「時代劇」から「日常の中の偽善」を突っ込みまくるネタは「過激」「毒ガス」などと形容されたが、基本は「あるある」ネタだったんじゃないか。「笑い」の世界におけるビートたけしの功績ってのはやはり偉大なのだ。話は脱線したが、出場者の中では「木綿のハンカチーフ」をモチーフにしたケンドーコバヤシ作品が突出しておもろ。ケンコバ、こういう構成力あるんだ、とちょっと感動した。

大阪出勤、夜は会社の歓送迎会。ひさびさにしゃぶしゃぶ。しかし、相変わらずこういう場所は苦手。テーブルの上であぶくみたいに消えていく、ちょっとしたおもろ話を提供できるような話術も、それにのっていくノリも持ち合わせていないのだ。終了後はそっとフェードアウトし梅田の町に消えることにする。

ドラマ「天才柳沢教授の生活」ちらっと見る。脚本が劇団MONOの土田英生氏ということで様子見。演劇はあまり得意ではないが、初めてMONOの芝居をみたのはもう10年ほど前になるかな。京都の小さなステージだった。小気味いい会話、ハートウォーミングだけどベタつかない土田氏の作風は僕の好みでもありそれ以来、ちょくちょく観にいった。土田氏は今や関西小演劇界だけにとどまらぬ活躍ぶりで、ついにドラマにも進出か。「ハートウォーミングな笑い」を持ち味にした土田氏が、「第二の三谷幸喜」を発掘しようというフジテレビの意図と合致したんだろうな。でも土田氏の作品は笑いを追及するものじゃなくて、日常の中でふともれる「笑み」を繊細に汲み取るタイプのもの。ストーリーの中に生きる人物達が自然に笑っている感じがうまくでればいいんじゃないかな。ドラマにはMONOの水沼健氏なんかも出ててちょっと嬉しい。しかしドラマ自体はほとんど見ないのでこれも見ることはもうないだろう。

でドラマは全くといっていいほど見ない僕だが「HR」はオモロでさすがに見ちゃう。三谷幸喜は順調に過激さと過剰さを増して「笑い」を追及していく。今、日本で最も「笑い」について考えてるのは三谷幸喜松本人志だろう。切り口こそ違えど、この二人がやってることは全く同じだと思う。

で「HR」は戸田恵子の怪演ぶりがすごい。戸田恵子の名前を最初にインプットしたのは20年前。そう「機動戦士ガンダム」のマチルダ役として。当時小学生だった私は70年前後生まれの男たちが皆そうであるように「ガンダム」ブームに引っかかった。映画も3作とも見に行ったっけ。でも小学生としてはちと話は難しかったなぁ。当時からサブカル、マニアック志向だった私は内容よりもサンライズ製作か、とかキャラクターデザインの安彦良和はいい絵描くな、とかメカニックデザイン大河原邦男にまじ憧れたりしていた。で声優さんもチェックしてて、その中でもマチルダ役の戸田恵子さんは若くてダントツに美人だったので印象に残ってた。確か、シャア役の池田秀一と結婚したはず(その後離婚)。と、まぁ、これって試験に出ない全く社会に役立たない知識だよね。

ここんとこ通勤車中で聴いてるのはlaura nyroのライブ盤「the loom's desire」。残念ながら故人になってしまった女性シンガーソングライターlaura nyroの93、94年のライブを収めたもの。彼女の歌声の豊潤さに包み込まれる感じがとても心地いい。ずっと聴いていたくて少し遠回りして家に帰る。

孫の日だから娘におもちゃを買ってやりたいというじいさん、ばあさんからの要請で久々に実家へ。要は孫の顔が見たくてしょうがないのだ。で夜は近所にできたかっぱ寿司へ。家族揃って回る寿司なんざ、庶民丸出しですな。日曜の夜だけあって店内はそんな庶民的な家族連れでいっぱい。ささやかな幸せとでも言いましょうか

カーネーションの新作「VENTURE BUSINESS Vol.1」購入。3人になったカーネーションの最初の音源。聴くのが楽しみな反面、ちょっと怖いな。

ロックとはロマンティックな音楽だと思う。そういう意味でカーネーションは今、最もロックな音を出すロックバンドだ。「VENTURE BUSINESS Vol.1」の1曲目「愚か者、走る」をもう何十回と聞いてる。ブルージーなギターに導かれた、その直枝氏のロマンティックなメロディと歌は30男の琴線にビリビリと触れる。もう15年もカーネーション聴いてるが、一生、カーネーションについていくことに決めた。カーネーションの音楽は俺の人生のサウンドトラックだ。

後輩のI君がスピード違反で捕まる。「今日の『めざましテレビ』の運勢、一番悪かったんですよぉ」だって。この「めざましテレビ」の運勢って気になるんだよね。どうも山羊座は月曜日悪いこと多いなぁとかどうでもいいと思いつつも気にしちゃうんだよね。とりあえず僕は今日の運勢は気にせず、「早耳ムスメのトレンド一番のり」のレポーターが、ここんとこ個人的に一押しの「北川弘美」ちゃんならその日は「ついている」としている。

元ドリカムの西川某覚醒剤で再逮捕。絵に描いたような転落ぶりですなぁ。ドリカム脱退も要は解雇だったんだろうな。デビュー当時から「・・・こいつ、いらんなぁ」と誰もが、多分メンバーも思ってたに違いない。

滋賀、大阪行ったりきたりの生活が続く。久々に復帰しての本社仕事は疲れるぜ。11時40分大阪発の最終の新快速で大津に帰るしんどさよ。

でそんな帰りの電車で音楽を聴き頭をリセットする。ふと聴きたくなってディスクマンにセットしたCDはPSY・S、86年作品「PICNIC」。僕が最初に買ったCD。泣けてくるぐらいポップな名盤。もう自分でもあきれるぐらいこのアルバムは大好き。僕の暗い青春時代に灯かりを燈してくれたのはまぎれもなくこの頃のポップミュージックで、もう僕の世界の全てだった。あの頃、僕は今よりずっと純粋で大きな夢を持っていた・・・なんてことはなく、あの頃から僕は十分冷めていて、ひねくれてて、何にもないくせに変に自信家で、そのくせとんでもなく臆病者で、・・つまりは今とまるでかわっていない。でもね、恥ずかしいから小さい声で言うけど、確かにあの頃、僕は今よりずっと若くて、そしてずっと夢を見ていた。夢想家で夢精家の童貞(Cみうらじゅん)な青春時代。あの頃、僕のまわりに吹いていた風はいつも砂まじりだったような気がする。

で大阪出勤してるならということで、久々友人Mと大阪で呑み。相変わらず馬鹿話。それにしても30代男、これからどう生きるよ。それとMから「お前の日記はわかりやすすぎる、丸出しすぎる」との意見。でもしかたない、この日記はもはや日記ではなく、自己ドキュメンタリーであり、レビューであり、エッセイであり、メッセージであり、遺書であり、つまりはもう僕の脳みその全てなのである。

仕事、仕事、仕事でストレス溜り気味。こんな時にはCD買うしかないので閉店間際のタワーに滑り込みクラムボン「id」、横山剣鈴木慶一がプロデュースで参加してるダンボール・バット「未来ブティック」、そして松本人志のDVD「スーパー一人ごっつvol.2」購入。