日々の泡。

popholic diary

2002年3月下旬の話。

2002/3/16~31

ひょんなことから「鈴木さえこ」ブームが自分の中で巻き起こり、アルバムを聞きなおす。中2の時、「ミュージックトマトジャパン」で「恋する惑星」のプロモを観て「なんてポップなんだ・・」と感激してからずっと聞いてるんだから俺もしつこいたちだな。セカンドアルバム「科学と神秘」に収められた「鍵とスタンプ」、サードアルバム「緑の法則」に収められた「グリーンアイドモンスター」はもう百回は聞いてるのに未だそのキラキラとしたポップ感に胸ときめく。

で考えてみると意識してポップミュージックを聞くようになって早17年。14歳の時に買ったピチカートファイヴムーンライダーズのレコードを31歳になった今でも聞いてるというこの事実。自分の人生の半分以上をポップミュージックとともに歩んだわけだ。

30過ぎて財布の中身が1000円を切っている状態が1週間続くとさすがにあせる。缶コーヒー一本買うのすら躊躇するという末期的症状。もちろんこんな状況で飲みにいくこともできず、ただ、ただ仕事に明け暮れる給料日前。

でやっと給料日。妻に小遣いの賃上げ交渉挑むがもの凄い勢いで怒られ一方的に交渉は決裂。女ってのはどうしてこうも現実的なのかねぇ。

休日。妻と娘が出かけたので一人。ここぞとばかり開店と同時にパルコのタワーレコード覗きピチカートファイヴのトリビュート盤「戦争に反対する唯一の手段は」、カーネーションなど参加のコンピ盤「Smells Like Teenage Symphony」購入。まだまだ欲しい盤はあるのだが先々を考えて自粛。紀伊国屋島村楽器無印良品などをストイックな姿勢で覗く。

で帰ってささっと昼食を済まし、我が家から徒歩2分の映画館「滋賀会館」まで。ウッディアレン監督「おいしい生活」観る。ウッディアレン快調ですなぁ。ミアファローと別れてからいい意味で軽くなった感があるね。今作はトレーシーウルマン、エレインメイという女優二人の好演もあって心地よく笑え、単純に楽しめる。単純にと言ってもそこはウッディアレンですから。でもその真っ直ぐな斜めぶりがたまらなく俺は好きだ。

で夜、妻と「Beautiful Songs」ライブ観にいく。前回より前の席で期待大。しかしこの「前の方の席」ってのが今回まずかった。いきなりロッキンな曲で思わず立ち上がるのはいいが、どうしてそのまま立ちっぱなしなのよ。まぁ盛り上がる曲で思わず立つのはいいんだが、その後座ろうよ。例えば鈴木慶一がしっとりと「さよならは夜明けの夢に」を歌ってるんだから座ってじっくり聞きたいじゃない。矢野顕子が弾き語る「ごはんができたよ」も座ってちゃんと聞きたいじゃない。ライブは凄く良かったのに、意味なく立ちっぱなの前の席やその前の席の客にイライラさせられっぱなし。椅子があるんだから座って聞いて気持ちが盛り上がって思わず身体が・・ってなったら立ち上がろうよ。君の後ろにもステージを見たいお客さんがいるんだからもっと周りのことも考えてよって感じ。とまぁそんなこともあって前回よりは感動度は落ちてるんですが、感動なんかいらないなぁ考えたら。そこにあるのは音楽だけでもう十分。奥田ドラム、大貫、宮沢ギター、鈴木ベース、矢野キーボードという5人でバンドスタイルでやった一曲目には正直俺も立っちゃったよ。エレキギターを抱えた大貫妙子がまたかっこいいんだ。今回は奥田、宮沢の若手(?)の勢いもあって前回よりロッキンなステージ。だけど鈴木慶一にもっと暴れて欲しかったな。

ライブ後、ちょうど近くで行われていた大学時代の先輩の結婚パーティー覗く。学生時代、爆笑王の名を欲しいままにしていたI先輩と10年ぶりに再会し、さらに磨きがかった爆笑王ぶりに感動。この人は僕が今まで出会った人の中でもベストに入る「凄い」人。もし神様がいるとしたら、きっとこのI先輩みみたいなタイプだと思う。

ピチカートファイヴのトリビュートというよりピチの新作ともはや言ってもいいであろう「戦争に反対する唯一の手段は」を聞き込む。デュークエイセス「新しい歌」、水森亜土「皆笑った」、南佳孝「テーブルにひとびんのワイン」この3曲の素晴らしい流れに感動。そしてこのアルバム一番の拾い物はレゲエディスコロッカーズ「きみみたいにきれいな女の子」。あまりの気持ちよさにもう何回もリピートしてしまう。しかし「ピチカート・ファイヴのうたとことば」というサブタイトルどおりそこにあるのはまぎれもなくピチカートファイヴのうたでありことばである。ピチカートってビートルズみたいだなぁと思った。ピチのうたはこれからもスタンダードとしていろんな人に歌い継がれて欲しいな。