日々の泡。

popholic diary

1999年2月上旬の日記

1999/2/1
そつなく仕事。まだ喉の調子悪くなかなか本調子に戻らない。
帰りの音楽、五島良子「シアンの羽根」。「PIERCED」に見られたエモーションが薄らいでいるのがちょっと残念。まぁそれでも十分、水準以上なのだが。最近、雰囲気だけのソウルもどきが増殖しつづけてるからそんなのを蹴散らすぐらい強力なのをお願いしたい。
で帰ってテレビ見てびっくり。ジャイアント馬場死すの報に言葉なくす。昔から全日派だった私としてはやっぱり猪木より馬場なのである。「猪木と馬場どっちが強いと思う?」そんな質問にはいつでも「馬場に決まってるじゃないか」と答えてきた男である。ショックだ。早すぎるじゃないか。俺の親父と同い年でもういっちゃうなんて。ご冥福をお祈りするしかない。

1999/2/2

出張。今日は新横浜まで新幹線で出てスタート。朝のうち一件回って移動しながらの昼食。実りない商談を繰り返し、やっと終了。まだ声ががらがらで辛い。それとこの季節、静電気はなんとかならんのか。車乗り降りするたびにビリビリとやられなんとも悲しくなる。
麻婆豆腐の夕食食べ平塚のホテルへ。ぼーっとしてるうちにホテルの前を通りすぎてしまいUターンできずまたもさまよってしまう。なんとかホテル着でほっと一息。テレビの上に置いてあるミッドナイトブルーチャンネルの番組表見ると私の思い出の女神・小鳩美愛ちゃんの名が。当時、村西とおる監督率いるダイヤモンド映像のフェロモン過多な女優陣の中でも一際キュートアンドエロであった彼女。KBS京都でやってたエロ番組「大人の絵本」に出てた彼女に毎週辛抱たまらんって気持ちにさせられていたものだ。
当時は「箸が転んでも勃つ」そんなバイアグラ知らずな若造だったのだ。・・しかしこのミッドナイトブルーチャンネルを見るにはなんと1200円もかかってしまい、その上フロント後払いシステムという苛酷な条件。あぁ俺はどうすればいいのか!と愚息とともにかなり悩むが俺は有料確認ボタンをプッシュする勇気を持つことができなかった。なんと意気地がないのか、俺は。テレビでともさかりえちゃんの長い足を見てなんとか気を紛らわそうとするが脳裏に浮かぶのは昔見た小鳩美愛ちゃんとターザン八木氏のストロングファイトだった。矢吹丈と戦う為に減量に苦しむ力石徹のごとく俺は ベッドの上で一人身悶えるのであった。

1999/2/3

・・寒い。雪まで降り出している。今日も静電気にびびりながら車の乗り降り。なんでこんなにおびえなきゃならないのか。いい大人なのに。
でラジオ聞く合間に仕事。おもしろいぐらいに売れない。これだけ売れないと逆にハイになるなぁ。不毛な商談繰り返すもなぜか気分は晴れやか。最近、こうして日記書いてるせいかストレスたまらなくなったというかひきずらなくなった。
で今日の宿は埼玉県入間市。神奈川県相模原市から東京抜けホテル着。レストラン探すのも寒いのでホテル下の居酒屋で夕食。たった一杯のチューハイでもう酔う。全く安上がりな男。一人飲んでもおもしろくもなんともない。あんまり寂しいのでセブンイレブン行って新発売のモンブラン買う。マロンクリームの後をひく甘さが心地いい。あ
とはテレビ見たり本読んだりちんこいじったりしながらだらだらすごす。

1999/2/4

今日も寒いが仕事。東京都青梅市から始まり、瑞穂町、立川市保谷市と東京都下横断。しかし東京とは縁ないと思ってたがこんなにも細かく東京巡りすることになるとはなんか不思議だ。スーパーの屋上駐車場で「ビバリー」聞きつつ弁当食って人生の不思議を考える。
で静電気に感電しつつ仕事こなし今夜の宿、茨城県つくば市へ。途中、久々にとんかつの夕食。しかしだんだんとんかつも重くなってきた。昔は三度のめしよりとんかつ好きだったがもう「とんかつ?どっちかっていえば好きかな」ぐらいになってしまった。食の好みも変わるもんである。
薄汚いホテルに入りだらだらテレビ。「とんねるずのみなさんのおかげでした」「ダウンタウンDX」続けて見てなんとなくお笑い界再編の動きみたいなものを感じる。

1999/2/5

やっと最終日。つくば市から協和町まで車飛ばし新規店訪問。同い年の美人社長に思わずにやけてしまう自分が情けない。しかし今だに美人の前ではあがってしまい本領を発揮できない。今年こそは克復したいと思ってるのだが・・。で緊張のうち商談終わり、次の町まで車を飛ばす。毎度のことながらスーパーで弁当買ってラジオ聴きながらの昼食。ほんと松村邦洋氏はおもしろい。
シートを倒してぼんやり青空見て思いついた。出張中のサラリーマンが家族も仕事も捨てそのまま旅に出るってストーリーのロードムービーはどうか。オープニングは車の窓越しに見える抜けるような青空。男がシートを倒し居眠りしてると携帯電話のベルが鳴る。男は内ポケットから携帯電話を出すと窓を開け携帯電話を投げ捨て、車のエンジンをかけ車を走り出させる。田舎の一本道を砂埃をたてて走り出す車のバックショットにタイトル。それからなんだかんだとストーリー展開があってそれは全て男が居眠りしてる時に見た夢だったというオチ。でそこに携帯電話のベルが鳴り男は内ポケットからそれを取り出すと窓を開け青空に向かって放り投げるのだった。でファーストショットと同じく砂埃をたてて走り出す車にエンドロールが重なるなんて感じで。
で最後の商談終えというか1時間以上待たされた上すっぽかされしかたなく帰路につく。首都高は金曜日の夕方だけあってえらく込んでいる。水戸から3時間かかりなんとか東京駅にたどり着く。新幹線でリリーフランキー「美女と野球」読了。深い。いろんなこと考えてしまう。こうしてHP開いて日記など公開してるのは何故なんだろうか。自己顕示欲と自己批評の間でもがきつつこんなことしてるのだ。最近いろんな人のHP覗いたりして自分の表現力のなさや分析力のなさを身につまされている。浅はかな知識と幼稚な言葉で書かれた下らない批評やなんにもない生活をHPで発表するなんて恥ずかしい行為を今まさに俺はやっているのである。どうしたいんだ?一体。

1999/2/6

仕事。土曜の仕事なんてやる気なし。適当にすまして帰りはいつものごとく梅田で寄り道。中古盤屋で「大瀧詠一ソングブック2」購入。先日、妻といっしょに娘に「うなづきマーチ」を歌ってやったところ娘はえらく気に入り、今では「なーなーなーうなうなうななー」とコールすれば「づきっ!」とレスポンスするまでに成長した。そこでやはり親の責任としてオリジナルを聴かせてやる義務があると思い「うなづきマーチ」収録のこのアルバム早速購入する。
そのまま本屋を覗き「広告批評」の佐藤雅彦氏と中野裕之氏の対談を立ち読み。尊敬する2大クリエーターの話に全く勇気づけられる。今年の僕のテーマは「ラヴ、ハッピー」なんだけどまさにこの二人がやろうとしてること、やっていることは「ラヴ、ハッピー」である。ピースな波動、ハッピーの肯定。こういうのに出会うと自分が向かってる方向は間違ってないなって気になるから嬉しい。であとは98年ベストテン発表の「キネマ旬報」購入して帰る。
帰って家族であんこう鍋食べ娘と風呂入り身体を綺麗にして娘に「うなづきマーチ」聴かせる。娘は音楽が流れるや「づきっ!」と叫び踊りだした。ビートきよし氏の熱いボーカルと大瀧詠一のポップマジックに娘も納得というところか。

1999/2/7

10時起床。新番組「燃えろロボコン」見られず。最近前休日はいつも深夜まで日記書いたりしてるので休日ほど睡眠時間短い。
で買い物行って今日も家族の為に昼食作り。ラーメンに焼飯一気に作り上げる。
で「ガキの使い~」ビデオで見て家族で山科の大丸まで意味なく行く。娘について回るだけでへとへと。娘はいい気なものでさんざん遊び回ってベビーカーの上でこてっと寝てしまった。おやつにいちご大福買って帰宅。娘が寝てるすきに妻とむさぼり食う。
甘い物嫌いなんて人は信じられない。「甘い物を腹一杯食べたい」これが男のでっかい夢ってもんだ。ぷっちんプリンどんぶりサイズの発売を希望する。
で娘を膝にのせすきやきの夕食。娘にばかり気をとられて食った気がしない。で娘と風呂に入りいっしょに寝るって一日娘とべたべたしてるなぁ。

1999/2/8

仕事はめちゃめちゃ忙しくあっと言う間に8時。疲れ切って会社出る。
帰りの音楽は「大瀧詠一ソングブック2」。吉田美奈子の「夢で逢えたら」からクレイジーキャッツの「実年行進曲」小林旭熱き心に」まで網羅する作品集。やはり傑作は「うなづきマーチ」。「ウンウンうなずく/この迫力で/テレビもつられて/上下にゆれる」というこのナンセンス感。「だから男は/うなずこう/そして女も/うなずこう」というなんだかわからない理論が素晴らしい。それにしても、きよし、竜助、洋八誰が一番幸せだろう。
で帰ってテレビでジャイアント馬場の追悼番組。ピース道を生きた巨人に改めて合掌。
週末HPについて相談のメール送ってた先輩からありがたい助言のメール届く。HP始めてからしょっちゅうメールのやりとりするようになったのだがメールだと非常にフラットな感じでの会話ができるのでおもしろい。逆に会社で面と向かって話しするのが照れくさくなる。

1999/2/9

今日も忙しい。まさにノンストップ状態で8時前まで。
地下鉄で「村上春樹河合隼雄に会いに行く」読む。村上氏の<コミットメントというのは何かというと、人と人との関わり合いだと思うのだけれど、これまでのような「あなたの言ってることはわかるわかる、じゃ、手をつなごう」というのではなくて、「井戸」を掘って掘って掘っていくと、そこでまったくつながるはずのない壁を越えてつながる、というコミットメントのありように、ぼくは非常に惹かれたのだと思うのです>ってのにいたく共感する。まさにここ数年僕が惹かれてるのもこういうこと。そして今HP始めたことによってそれを実感しつつあるのだ。ネットを通じたコミットメントを経験する中で実際に回りにいる人たちとのコミットメントもおのずと変化しつつあるように感じる。これがこの先自分に何をもたらすのかは氏同様僕もわからないが今はこの「実感」を大切にしたいと思う。この「実感」の中に僕はピースな波動を感じているのだ。
で帰りの音楽は大瀧詠一「ナイアガラムーン」。今週はナイアガラウィークといこう。でこれはまた傑作ですなぁ。氏言うところの「ノヴェルティータイプ」の楽曲からなるこのアルバム。まさに「ごきげん」なナンバーばかりで満員電車で一人浮かれる。大瀧氏のボーカルのかっこいいこと。「拍手、手拍子」なんつってつい鼻歌がでる。

1999/2/10

めちゃくちゃ忙しいなぁ。空気の悪い部屋で一日電話に追われてるとなんだかまた喉が痛みだした。全く。
で明日は休みなのでとりあえず帰り梅田のタワーに寄り道。カーネーション「Parakeet&Ghost」購入。聞くのが楽しみだなぁ。
で帰りの音楽「ナイアガラトライアングルVol.1」伊藤銀次、歌はへただがギターかっこいいぜ。
で帰っていつものごとく娘を寝かしつけて深夜コンピューターに向かう。

1999/2/11

9時、家族揃って目覚める。妻はバイトなのでバイト先であるところの妻の実家まで車で送りそのまま娘と二人また大津まで戻る。そのわずかな間に雨が雪に変わり一気に街を白く染め出した。大津に帰った時には既に一面銀世界だった。
そんな訳で今日は一日、娘と家で遊ぶ。マックフライポテトを取り合いしつつビデオチェック。ジャイアント馬場の追悼番組から青山陽一カーネーション出演の「真夜中の王国」、「雷波少年」まで駆け足で。娘のタフネスぶりに翻弄されつつ遊び続ける。BGMはサイズ「PICNIC」。このアルバムが出たのはもう10年も前で僕は高校2年だった。僕はもう絶対的にポップミュージックが好きなんだとこのアルバムで確信した。
2ヶ月ぐらい毎日2回は聞いてたもんなぁ。いつか娘が大きくなって僕のレコード棚に収められたいっぱいの音楽を聞くときがくるかな。そしてそんな音楽を愛した父親である僕という存在を少しでも感じてくれたら最高だと思う。なんか恥ずかしいことかもしれないけどこうして日記を残したり、HPしたりしてるのもどっか「娘に捧げる」って気持ちがあるんだよね。
で後はピチカートのビデオとかいっしょに見ながらすごして気が付けばもう5時。夕食の準備をしなければ。しかしNHKおかあさんといっしょ」は絶妙のタイミングで始まるなぁ。子供が名曲「だんご三兄弟」に夢中になってる隙に世のおかあさん方はご飯支度するわけだな。で肉じゃが作ってる間に娘はやっと昼寝というか夕寝に突入。ちょうど妻も帰ってきた。でそのまま娘が寝てる間に夕食。新聞読んだり、テレビみたりやっとゆっくりできる。で娘は一向に起きる気配なく。そのまま朝まで寝かしとくことに決定。ゆっくり風呂につかりテレビ。「ダウンタウンDX」おもしろくなってきた。一時期変なゲームばっかりしてた時はどうなることかと思ったが、ほどよいぐだぐだ加減がいい感じ。

1999/2/12

仕事。一言で言って多忙。出張の準備やらで結局9時前まで。
帰りの音楽カーネーション「Parakeet&Ghost」。・・・疲れ切って途中で寝てしまった。後日再聴の上、感想書きます。
むちゃくちゃ寒い中、家に帰るともう10時。そんな疲れた俺に出された夕食はとんかつ屋「かつくら」のヒレカツとジャンボ海老フライだった。先日とんかつはもう卒業という旨の話したがやっぱり取り消す。やはりとんかつにさよならなんて云えない。理屈じゃないんだよ!といささか熱くなりつつむさぼり食う。
で風呂はいって昨日録画した「ナイトインナイト八方の演芸もん」トゥナイト解散!の報にショック大。ジャリズムに続いてトゥナイトまで・・。しずかが海外へ語学留学する為、引退するとの理由。しかしもったいない。なるみのかわいさはやはり漫才の中でこそ十二分に発揮されるもの。しずかの突っ込みに対してはお笑い通のH先輩なんかはかなり手厳しく評価してたが僕としては十分。なるみ、しずかのコンビネーションから生まれる華やかさとかわいらしさ。この日記でもしばしば書いていたように若手漫才コンビのなかでも特に好きだったコンビだけにその漫才が見れなくなるのはいたい。まぁなるみが残るだけでも良かったと今は言っておこう。しかし当分の間、ちょっとなるみは辛いかもしれないなぁ。だがそのしゃべくりセンスは天才的なもの。きっと数年後は上沼恵美子なみにおもろいおばはんになることだろう。ピンになってもがんばれ、なるみ。僕は応援するぞ!
で深夜一人コンピューターに向かう。このHP最初の頃から見てくれているかたからメール。勇気づけられる。感謝。ネットを使った犯罪など最近いやな話題も多いがやっぱりインターネットはピースフルな装置だと思うし、そうあって欲しい。こういうメール頂くとつくづくそう感じる。

1999/2/13

寒い。最近こればっかだな。で8時30分、娘に起こされ「おかあさんといっしょ」。「うるさいよ!健太郎おにいさん!」って気持ちだが娘に髪引っ張られてテレビの前に連れていかれりゃ見ないわけにもいかないのだ。朝食食べながら「歌っておどろんぱ」まできっちり見る。
草津まで買い物。うどん屋で鍋焼きうどんの昼食。この季節、やっぱ鍋焼きだなぁ。帰って昼寝でもしようと思ってたが娘は全く寝かせてくれず。青山陽一の「So Far So Close」BGMにして遊ぶ。夕方になっても一向に寝る気配ないのでみんなでパルコまで。娘が寝たら一人で行ってゆっくり本を散策したかったのだがなかなかそうはいかない。とりあえず妻と娘が絵本読んでる隙にざっと見て回り「超私的 横尾忠則マガジン  Vol.1」だけ購入。しかし「超私的」とは横尾さんは凄い。僕はこのページを「極私的ページ」と自分で言ってるのだけど「超」だもんなぁ。で発刊の辞の中の言葉がまたいい。<「私」に徹底する以外に何も見えてこないような時代だと思う。「私」に徹底し、「私」を探究することで、「私」の外部とつながろうという意図である。>これこのまんま僕のこのページ開設の言葉にしたい。
で娘は楽器屋で一通り遊んで、おもちゃ屋で大暴れ。中古盤市やってたけど覗けずじまいで娘のフォローに回る。2時間さんざん遊んでやっと疲れたようで帰り道、妻の腕の中でやっと眠った。これは朝までコースだなと思い、そのまま寝かせといて妻と「サタスマ」見ながら夕食。

1999/2/14

8時起きで「燃えろロボコン」見る。デザインが若干変わってるな。ビシバの住田氏登場で得した気分。
でちょっと用事あって京都の実家までみんな出かける。昼から焼き肉というもてなしを受け、娘もじいさん、ばぁさんがこれでもかというぐらいかまってくれるのでこっちは楽なもんだ。でまぁなんやかんやとあって帰宅。
ビデオチェックをざっとして後は昼寝。パルコの中古盤市に行きたかったが妻に嫌み言われ断念。家庭を持つと自由がなくなるんですよ。ほんと。わずか30分、妻と娘を置いて出ていくことがどれだけ大変か。HPもみんなが寝静まってから睡眠時間削ってやってんですから。大変なんすから。お身体に気をつけて下さいよ(林家三平風)。
でそんなことはどうでもいいが HP充実の為、スキャナー購入を検討。思い切ってiMac買おうかなんてことも考える。しかしなにより自分を充実させなきゃどうにもならんのだが。

1999/2/15

夜中、目を覚ますと布団が濡れてる。28にもなってなんてことを・・とあせったが娘のおむつがずれていただけだった。
で今日も仕事。多忙でなんだかわからないうちに一日終わる。帰りの音楽カーネーション。前作「ブービー」で萌芽していた怪物性が全開。傑作にして問題作。ロックバンドとしての強靭なる肉体に感動。で明日からまた出張。