日々の泡。

popholic diary

冬の街は

金曜は仕事の都合でいつもより30分早く家を出る。おかげで雨に濡れなかった。降り出した雨は午前中いっぱい、昼過ぎまで降り続く。雨が止んだら、冬が来ていた。仕事を終え、誰もいない部屋の電気を消し、鍵を閉め、会社を出る。頬に当たる風。冬の風だ。肩をすぼめ、歩道の落ち葉を砕きながら歩く。i-podから星野源。このギターの音、声。冬の匂いがする音楽。乾いたセンチメンタル、沈むロマン。パチンコ屋の外壁につるされた巨大なモニターにはグラビアアイドル。健気に胸を寄せている。大変だな、プロのお仕事。ツリーに飾られたイルミネーション。白いコートの女の子が携帯片手に歩いてる。どこかの宗教の、集会所の前にクリスマス会のポスターが貼ってある。嘘くさい笑顔のイラスト。赤信号で立ち止まる。随分汚れてるな、俺の靴。頬に当たる風。冬の風だ。