日々の泡。

popholic diary

夜の童話

そんな訳で昨日のライブ。磔磔に到着するとすでにめんちかつ(id:nota10)さん。特に示し合わせている訳でもないのに、ほとんどのライブかぶってますねぇ。さらに二人とも人事異動ということで、雇われの身はつらいっすねぇとかなんとか。でライブ。まず登場はB.B.B。登敬三(Sax)、船戸博史(ba)、河井真月(ds)のトリオでジャズのスタンダードナンバーを、ゴリゴリにヤクザなアレンジで聴かせる。船戸さんの繊細かつ凶暴なBassがスゲー!大人の男たちの本気の遊び心。ステージは30分ほどの短いものだったが、音楽ってのはなんて自由なんだって思ったな。
でいよいよ長見順バンド。まずは岡地曙裕(ds)、かわいしのぶ(ba)、ロケットマツ(p)、梅津和時(as)、片山宏明(ts)というメンバーでインスト。梅津、片山両氏の掛け合いが既に楽し。終わったところでマダムギター・長見順登場!真っ赤なドレスにギター抱えた立ち姿が絵になる。おもむろに鳴らされたギター。もう一発で会場を鷲掴み。あとはもう一気にマダムギターワールド。カッティングもソロも、色気があってオットコ前な音。ホント、なんなんだ、あのギターの音は。かっこ良すぎる。毒気を含んだMC、大きな赤い唇から流れ出る歌、身体の一部っつーか身体そのもののギター。全部最高。バンドの音もド迫力。梅津・片山コンビがまたイチイチいい味出してんだわ。ジェットコースターに乗ってるような-なんてベタな表現を使いたくなるぐらいひたすら興奮、まさにパンチが効いたステージ。いやー熟女のギターにズブズブにはまっちゃいましたねぇ。でアンコールラスト。磔磔は21時に終了しなきゃならないとこだが、小さい音ならいいでしょとピアノ弾き語りで一曲。これがもうブルースフィーリング溢れてて素晴らしかった。マダムギター、ピアノも最高ですよ。改めてライブ最高!と吠えたくなった。

で今日の話。ま、金曜をやり過ごして会社帰り映画を一本。ケヴィン・リマ監督「魔法にかけられて」観る。もともと娘と行こうって言ってたんだけど、娘は春休みすぐにお友達と観に行っちゃったので、一人で行くのもなぁと。でも信頼する映画見のid:yukazo_kさんが勧められてて、やっぱり観とこうと思い立って。おっさん一人で観る映画でもないかも…と劇場に入ると客俺一人。滋賀県人は映画嫌いか?これで4回目ですよ、一人上映会。ディズニー映画を一人ぼっちで観るおっさんの図。ドアを閉める劇場のお姉さんが若干半笑いだった。だがこれは観て良かった。スゲーおもしろかった。
魔法の王国に暮らすジゼル。夢にまで見たエドワード王子との結婚式の日、魔女に騙され「世にも恐ろしい世界」へ。そこは現在のニューヨークだった!ってなお話。動物たちが歌い踊るファンタジーの世界。いかにもなディズニー映画のプリンセスがリアルな世界に現れたらというアイディア。自らに突っ込んでみせるセルフパロディのおかしさ。ファンタジーの世界を皮肉りつつ、いつしかファンタジーを失ってしまった現代を逆に皮肉る。結果的にディズニー映画屈指のファンタジー作品に。ビタースィートな展開も見せつつハッピーでチャームでロマンティックなエンディングへ。いやはやお見事。登場人物たちの秀逸なオチも気持ちいい。鋭い批評眼を持ちながら、「夢の世界」を愛を持って肯定してみせた手腕。ディズニーの底力を感じたなぁ。それにしてもありえない設定、小ネタの数々。まるでクドカン脚本のよう。ジゼルを演じるエイミー・アダムスは当たり役。夢見がちというか夢の中に生きてるフワフワ感がキュート。よく見ると微妙に年くってるとこもやけに可笑しい。それから最高なのがジェームズ.マースデン演じるエドワード王子。現実世界では最高にバカなんだ。この役、日本でやるなら織田裕二にやってもらいたいなぁ。「地球に生まれてヨカッター!」ってなノリで。