日々の泡。

popholic diary

2016年11月のTweet

2016/11/6

祝日、週末ともにイベント仕事で体調不良。しかし時間見つけて映画を一本。山下敦弘監督「ぼくのおじさん」観てきた。すっとぼけてて可笑しな山下監督の新たなダメ男映画。どこか懐かしい作り物の世界。おじさんとコンビを組む少年がかわいい。彼が成長する前に続編が観たいな

2016/11/9

ムーンライダーズ@磔磔から帰宅。やはりこのバンドには特別な想いがある。曲ごとに胸に去来する熱い何か。最高なんてもんじゃなく、もっと深いとこを押されてる感じ。

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2016/11/15

先週は時間見つけては映画。まずは山戸結希監督「溺れるナイフ」。うむ、才気走った若き監督によるビシビシの感性で撮られた映画。触れると怪我しそうな感じ。…だからこそお疲れ気味のおっさんには厳しかった。いや、こちら側の完敗である。昔は理解できなかったことが歳を重ねて理解できるということがある。しかしその逆もまたある。確かに昔はわかっていたはずのことが、今はもうわからない。眩しいばかりの才能を前にちょっと寂しくもあるが、まぁそりゃそうだ。

先週観た映画。ラージクマール・ヒラニ監督「pk」。名作「きっと、うまくいく」の監督・主演コンビの新作。歌ありダンスあり、笑いあり涙あり、ロマンスありSFあり、そして深い哲学がある。全てが詰め込まれて、全てが見事に成功している。素晴らしかった!「神様」を探す「pk(ヨッパライ)」と呼ばれる男。愛すべきpkが巻き起こす騒動の中で、宗教とは何か?というタブーに踏み込んで行く。多幸感に溢れながら、どんと真ん中を突き刺してくるような強さがある。これぞエンタメの凄み!

DVDで韓国映画を。キム・グァンテ監督「笛を吹く男」。名優リュ・スンリョン主演。「ハーメルンの笛吹き男」をモチーフに土着的でドロドロ、グチャグチャのやりすぎホラーな展開に!しかしまぁどんだけ救いの無い話やねん!という凄まじい映画。お気に入りのチョン・ウヒちゃんも血まみれ。でも最高

そしてチュン・ユンチョル監督の2008年作「星から来た男」。主演は我らが兄貴、ファン・ジョンミン。ヒロインはチョン・ジヒョン。自分をスーパーマンだと思い込んでいる男が巻き起こす騒動。コメディかと思いきや、これが実に奥深い人間ドラマ。物語が進むにつれ物語に隠された真実が浮かぶ。まっすぐで憎めない男を演じたら天下一品のファン・ジョンミン。そしてぶっきらぼうで化粧っ気のないチョン・ジヒョン。くーっ、ラストに至るまで最高。って何年遅れで盛り上がってるんだ。

さらにもう一本ハン・ジュニ監督「コインロッカーの女」。生まれてすぐコインロッカーに捨てられた女。裏社会で「母さん」と呼ばれる女ボスに育てられ…という女性2人の韓国ノワール。愛憎入り混じる2人の関係、ハードかつサスペンスフルな物語。最高やん。キム・ゴウン大好きになっちゃったよ。いやーこのレベルの作品がごろごろ出てくるから韓国映画はやめられない。韓国の安藤サクラという雰囲気のキム・ゴウンが最高。強さの中にふと見せる弱さや可愛げにグッとくる。名女優キム・ヘスとの真っ向勝負の演技対決も見応えあり。

2016/11/17

ずっと観たかったhyukohのライブ観てきた。CDよりはるかにゴリゴリかつキレッキレ!ボーカルが目立つバンドだけどメンバー全員が高い演奏力と熱を持ったバンドだという事がわかった。しかし大阪でhyukoh観られる日が来るとは。いいライブで嬉しかったなぁ。

2016/11/19

朝から映画館へ。片渕須直監督「この世界の片隅に」観てきた。番組での特集もあって一度観ているのだが、改めて大きなスクリーンで観たくて。イオンシネマ近江八幡の一番大きなスクリーンでの上映。映画で描かれる「世界」が今自分たちが暮らす「世界」と地続きであることが体感できた。柔らかな色で描かれる風景は今時のリアルな風景描写とはまるで違う。しかしその“絵”は朝の冷たい空気、陽の暖かさや夜の静けさ、移りゆく季節の温度までをも感じさせるものだった。そこで描かれるありふれた暮らし。世界の片隅の小さな暮らしが大きく心を揺さぶる。戦争の悲惨さを強く訴えるわけではないし、もちろん戦争をむやみに美化するものでもない。ただその時代に生きる人々の暮らしを丁寧に描く。映画が進むにつれその日、その時間の天気や空襲の回数まで微細に表現される。物語はフィクションだけど確かにすずさんはそこにいる。すずさんやその家族は「戦争」にリアルタイムで飲み込まれていく。優しく罪のない人々の暮らしが少しずつ壊されていく。でも彼女らは当たり前のように生きる。工夫をしたり、助け合ったり、誰かを想ったりして。歴史を知っている僕らは「悲しくてやりきれない」想いにかられる。誰もが言うように「のん」さんの演技が素晴らしかった。すずさんがそこに生きていた。彼女に何があったかは知らないが、少なくともこの作品と巡り合えたことは運命だと思えるし、それだけの意味があったのでは。間違いなく彼女の代表作だろう。

ということで今夜のエフエム滋賀「サタデーナイトカルチャークラブ」は「この世界の片隅に」特集。この世界の片隅の小さな番組ですが、ぜひ聴いて頂きたいです。

2016/11/22

森義隆監督「聖の青春」観た。29歳で亡くなった実在の天才棋士村山聖の物語。将棋への執念を燃えたぎらせて濃密に生きる聖。どこかチャーミングな人間味も含め松山ケンイチが見事に演じる。羽生善治を演じる東出昌大も実に良い。まさか対局シーンで泣かされるとは。聖が羽生を前にすると恋する乙女みたいになるのが可笑しい。対局シーンがもはやラブシーンのよう。いい映画だった。

しかし夏以降激忙しい状態で今月などはまだ1日しか休みがない。がそういう時こそ時間見つけてはせっせと映画観たりライブに行ったり。しかしまだまだ時間が足りなーい

2016/11/23

ヤン・ウソク監督「弁護人」観た。1970~80年代、軍事政権下で学生たちが不当に逮捕された「釜林事件」。この事件をきっかけに人権派弁護士に変わっていった故・盧武鉉元大統領の実話をもとにした作品。金儲けしか興味なかった男が、国家を敵に回して戦う裁判劇。ソン・ガンホ兄貴最高でした!愛国の名のもとに罪のない若者たちを徹底的に拷問する政府・警察組織。その現実を知り無謀な戦いに挑む我らがソン・ガンホ。憎々しく嫌みな男を演じさせたら天下一品のクァク・ドウォンがこれまた名演で実に憎々しい。骨太で政治的な内容ながら徹底したエンタメの興奮がある。韓国の歴史に中にある事件であるが、これは決して韓国だけの話ではない。映画は権力が起こす過ちとその暴力性について容赦なく見せていく。その中で“国家”とは何かを改めて問う。これはどの国にも共通するし、なんならこの国にもいまそこにある問題に思える。

2016/11/24

細川徹監督「オケ老人」を観た。高校教師の千鶴は勘違いから老人ばかりの交響楽団に入団することになり…ってなまぁなんとも分かりやすいコメディ。ただ笑いと感動が…ぬるい。題材的にもっとどちらかに振り切っても良かったのに。手足の長い主演の杏はコメディが似合うからもっともっとできると思うな。芸達者な老人軍団はさすがにみんな巧いし可笑しい。特に左とん平さんのさりげなく細かい技が素晴らしかった。

2016/11/26

カーネーション@梅田シャングリラ観てきた。安定の最高&最強っぷり。しかしそこからさらにはみ出していく瞬間が何度もあった。これだけのキャリアを重ねながらバンドの熱量が今なお上がっている。先日のムーンライダーズもそうだったが、30年前に聴いてた頃より激しく熱い音を鳴らしている。

2016/11/27

本日も梅田シャングリラ。音楽感謝へ。堀込泰行もbenzoも良かったが、数年振りに観たラリーパパ&カーネギーママがもう最高に良かった!これぞグッドミュージック。生活に沁みる音、素晴らしすぎた!音楽に感謝。benzo平泉さんの歌は色気があっていいな。ちょいと色悪な雰囲気とか布施明感もあったりして。セクシーで踊れる音楽