日々の泡。

popholic diary

いてもたってもいられないわ

ディスクマンの電池が切れて、音楽が鳴り止んだ。結局、バカでマヌケなのは僕だけで、だから少し黙ってたほうがいいのかな。強くて優しいスーパーマンにはなれないね。映画で最初に殺される奴、僕の役どころだ。
そうだ、こんな気持ちの日には映画観にいこう。現実逃避だ!ワァー!
ユナイテッド・シネマポン・ジュノ監督「グエムル-漢江の怪物」観る。
!!!参りました。お見事、ポン・ジュノ監督。あんた天才だよっ!
前作「殺人の追憶」で骨太かつ端正な直球ストレート、それも剛速球を投げて見せたポン・ジュノ監督。新作はソン・ガンホペ・ドゥナ(今作も素敵だったぜ)出演で、それも怪獣映画だってんでどんな作品になるのか制作時から楽しみにしてたんだが、今まで観たこと無い「映画」だった。ハリウッド流の「おもしろいっ!」って映画でもない、もっとこうなんちゅーか、観てる間、様々な感情がギシギシ音を立ててしまうような、まさに自分の中にいる怪物が動き出すような作品。開始15分、公園に現れる怪物の怖さ。サイズといい、ヌメヌメ感といい、凶暴で何も考えてない動きっぷりといい、まずはもうホントに気持ち悪いんだ。こんなの琵琶湖から出てきたら腰抜けるね。パニックムービーの面白さから、家族の物語へ、テリーギリアムばりのシニカルかつブラックな笑いがあったかと思うと、手に汗握るアクションが展開され、痛烈な社会批判もある。スカッと抜けないラストも含め好きだなぁ。はっきり言って、興奮しすぎて疲れたもん。
金髪のダメ親父を演じたソン・ガンホ、ラストでビシッと決めるペ・ドゥナももちろん素晴らしかったが、実に「いい顔」で怪物と戦う一家の長・ビョン・ヒボン、そして怪物に捕らえられ、健気に生きようとする娘を演じたコ・アソンちゃんが素晴らしかった。「コ・アソン」の名前は憶えとくべき。10年後、韓国を代表する女優になってるはず。
しかし、今日の観客、僕入れて3人。韓国では動員記録を塗り替えたらしいが、どうなのよ公開4日目にしてこのガラガラぶり。残念っすよ。で上映終わって出たとこで、その3人の観客のうち一人がくるっと振り返って「つかぬことをお聞きしますが、今の映画5点満点で何点でした?」と。「う〜ん、まだ冷静になれませんが、4.5点はかたいでしょう」と答えとく。「ネットで評判悪かったんですが、私も相当おもしろいと思いました。いや、どうも…」と彼。面白い映画観ると誰かに言いたくなるもんだ。思わず僕に話し掛けた気持ちわかるなぁ。
さぁ、明日から「でも、やるんだよ!」って気持ちで。