日々の泡。

popholic diary

青空のマリー

朝食は予告通りハムエッグ。やっとハム無くなる。
今日も一日バタバタと仕事して終了。週末の夜、映画を一本観る。
アレクサンダー・ペイン監督「サイドウェイ」最終日の最終上映に。小説家志望のさえない中年男マイルスと結婚を一週間後に控えた親友のジャックがおいしいワインを求めて旅をする。ワイン通のマイルスは別れた女房に未練たらたらの「負け犬根性」が染み付いた後ろ向きな男(この時点でもう共感してしまうのだけど)。ワインよりナンパが目的のジャックは、いじけ癖のついたマイルスとは正反対。結婚までの1週間を大いに遊んでやろうと企む。そんな二人が過ごす一週間の出来事。マイルスは自分と同じくワイン通の魅力的な女性・マヤ(演じるヴァージニア・マトセンが素晴らしい!)と出会う。二人がワインを飲みながら、ワインについて語り合うシーンが美しかった。二人は「ワイン」を語りながら、実は自分を語っている。共通言語を持って二つの魂は惹かれあう。けれど後ろ向きな男は、あと一歩をうまく踏み出せないでいる。一週間の旅が終り、マイルスはまたいつもの退屈な日常の中。世界中から置いてけぼりをくらったかのような毎日。人生は基本的にブルーだ。退屈で憂鬱で泣きたくなるほど世界は悲しい。でも生きていて良かったと思える夜がある。惹かれあう二つの魂は、いつか優しく一つに溶け合う。しみじみといい映画。
男は、結局女性に褒められたいだけなのかもしれないなぁ。ママに褒められたい甘えん坊のガキ。たった一人でいい、自分のことを理解して褒めてくれる女性がいたらそれでいいのだ。しかーし、これが難しいのだな。映画観終えて、深夜12時前の湖岸を一人歩きながら、このさまよえる魂はどこに向かってるのか?と想う。ディスクマンからはムーンライダーズの「青空のマリー」が流れてる。