日々の泡。

popholic diary

2001年2月の話。

2001/2/1~28

娘が実家にお泊りなので、久々に妻と映画見に行く。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」。絶望的なストーリーなのに希望に満ちた噂以上に強力な映画だった。辛い現実の中にさえ希望を生み出す音楽の魔法、鬼気迫るビョークの歌声のリアル。映画ってのはうそっぱちの世界だが、こんなに壮大で美しいうそっぱちを作り上げられる人間の想像力と創造力にこそ感動した。

映画見終わっての妻との会話。もしダンサー・イン・ザ・ダーク橋田寿賀子脚本だったら?というばかばかしい話。ビョークの役が「泉ピン子」で息子役が「えなりかずき」だったら、いやだなぁとかいうような実にしょうもない話。カトリーヌドヌーブの役が「赤木春恵」で悪い警官が「藤岡琢也」ならさらにいやだよなぁとかなんとか。

そういや、昔よくそんなバカなことを考えていた。ブラッドピット主演の「リバー・ランズ・スルー・イット」が「釣りバカ日誌」みたいなノリだったらとか、「レノン」の日本語版を広川太一郎のでたらめな吹き替えでやったらとか。「男はつらいよ~寅次郎、甘く危険な香り」なんてタイトルでマドンナ役がシャロンストーン、舞台がニューヨークだったらとかね。これはプロットまで考えてあって、タコ社長の不可解な死をめぐるサスペンスタッチのストーリー。寅と恋に落ちるシャロンストーンは実は女スパイの旅芸人。シャロンストーンの生き別れた母親役が京唄子とかね。で事件のカギを握るのが佐藤蛾次郎。でこの映画をきっかけに寅さんはアメリカで人気に。「ヒッピータイガー」なんて呼ばれたりしてね。「寅さん」のものまねの原一平がアポロシアターのアマチュアナイトに出場して失敗したりして。でこの映画の演技が認められて佐藤蛾次郎が新作の「バットマン」の「ロビン」役に大抜擢!ってなばかばかしい妄想。

イノトモの「やさしい手」っていうミニアルバムが、やけにいい。休日のたびに聞いている。

祝日。家族で瀬田にできたスケートリンクに行く。スケートなんて何年ぶりだろうか?娘、スケートに初挑戦だが、あまりにこけるので、しまいには脱力状態。自分もこけないように、娘も支えてでへとへと。

ピチカートファイヴのアナログ盤「さえらジャポン」購入。今までにピチの音源にどれだけの金をつぎ込んだだろうか?でも買わなきゃしゃあないんだな。

今月の日記は上旬・下旬合わせてで。だって仕事しかしてないんだもん。

久々に梅田で友人MとKと飲み会。どこともに仕事は厳しいがバカ話で息抜き。

休日。娘と二人で山科のスポーツクラブに泳ぎに行く。ジャグジーもあって価格もお手頃でなかなか快適。運動不足解消に多少は身体も動かさなきゃね。21世紀は肉体派と呼ばれたい!とかなんとか。

HPリニューアルに向けてこちょこちょ素材作り。なかなかいいデザイン案が浮かばなくて難航。つくづく、自分のデザインセンスの無さを実感。

会社帰りに本屋で北野武「余生」購入。年に何度かくるたけしブーム。なんか、こう悩んだ時に先に進むための指針にしてるとこがあって。北野武はやっぱ、特別な存在なんだよね。

オリジナルラブ、メジャーデビュー前のアルバム、たしか88年作かな「original Love」がついにCD化。で購入。これ昔出た時、こづかいが足りなくて買えなかったんだよね。高校の帰りに四条のレコード店「十字屋」で「欲しいなぁ」と手にとっては眺めてたことを思い出す。

メトロトロンレコードからの新人、柴山一幸「Everything」購入。

土曜の夜、レイトショーで北野武監督「Brother」見に行く。自転車で行ける距離に映画館があるって最高だなと思う。で映画のほうだが、もしかしたら北野作品の中で一番好きかも。完全に世界標準でありながら、まぎれもない北野映画。暴力のエンターティメント。北野武の独自の間、リズム感が素晴らしい。このリズム感が北野作品をべたついたものにしないんだろうな。それと北野作品常連の寺島進が、めちゃかっこいいんだ。

日曜の午前中、また映画。阪本順治監督「顔」。主演は藤山直美。もう、これ、全篇、藤山直美の天才ぶりにつきる。今、日本で一番うまい役者。直美が笑い、走り、こける、ずっと見ていたいと思わせる強烈な存在感。ラストシーンの彼女に拍手を送りたくなったよ。で彼女に引っ張られるように大楠道代豊川悦司岸部一徳がまたいい演技を見せるんだ。

ほとんど話題にされてないようなので書くが「松本紳助」がここんとこおもしろい。
タイプは違うがかっての「パペポ」を思い起こさせるっていったら言いすぎか?