日々の泡。

popholic diary

1999年10月下旬の話。

1999/10/16
やっと土曜。よく働いた。さすがに今日は残業も2時間ほどで帰る。梅田の本屋で木村祐一「キムラの目」購入。タワーで鈴木祥子「この愛を」、YMOYMO GO HOME」購入。YMO結局買っちゃったよ。で帰りの音楽、坂本美雨「DAWN PINK」。ありそうでなかった声。「ひとつだけ」のカバーが素晴らしい。
で帰って娘と遊びつつビデオで「ナイトインナイト」のどんきほーて解散特番。そうかだんご、サラリーマンになっちゃうのか。特別、好きなコンビだったわけでもないがもう見れないと思うと寂しい。上方漫才祭りとかだと必ずトップバッターは彼らだった。勢いがあって爆発的ではないが確実に場を暖められる彼らの存在は貴重だった。別に僕の生活には何の影響もないが漫才コンビの解散ってちょっと寂しいね。で続いて「いろもん」ビデオで。

夜、部屋でHARRY&MAC「Road to Louisiana」聴く。ハリーとマックの身軽さに感動。自分の中に閉じこめたイノセントを解放する時、新しい何かが見つかる。いや、見つかるんじゃないな、気付くってほうが近いかな。僕の中ではもう世紀末は終わっている。21世紀をどう生きていくのか、21世紀とどう対面するかというのが今の課題だ。でこのアルバムにそのヒントがある。今、この日記書きながら「YMO GO HOME」聴いてるのだがここにもヒントがあるぞ。「以心電信」聴いてたら何か見えた。

199/10/17
やっと休日。今日はゆっくりと思っていたが京都の実家から電話。「そっちに遊びに行っていいか?」とのこと。孫の顔が見たくてしょうがない様子。1時間もしない間に大量のケーキと娘へのおもちゃ持って両親来宅。なんだかんだ話してる内に出かけようということになり、みんなで草津の「わんわん王国」まで遊びに行く。「わんわん王国」はその安直なネーミング通りの犬のテーマパーク。大きい広場で犬と触れあえるとかそういうの。子供大喜びって魂胆である。前から娘を連れて来ようとは言ってたのだが入場料大人1800円はちと厳しい。しかし今日は全部両親持ち。安心してやってきたと言うわけ。で娘も「わんわんいっぱいいるなぁ」と喜んでる。がいざ犬が近づくと石のように固まってやんの。「・・こわいの・・」だって。なんとか寝ている子犬をなでることはできたが。娘はみんな揃って遊びにこれたのが嬉しいのか広場ではかなりのハイテンションで微笑ましい限りである。娘の何一つ曇りのない笑顔を見てると心の中が真っ白になっていくのがわかる。俺もこんなふうに笑ってた時があったのかな。でふと気付いたのだがこの「わんわん王国」、家族連れとなぜかヤンキー風のカップルが目立つ。ヤンキー=犬好きということなのか?

1999/10/18
仕事。今日も忙しく9時前会社出る。帰りの音楽、吉野佐和子「I LOVE YOU」。ムーンライダーズ「九月の海はクラゲの海」とピチカートファイヴ「皆、笑った」のカバー収録。この2曲はもう何百回聴いたかわからない。あまりにオリジナル聴きすぎてるので彼女のカバーも悪くないんだがどうしても物足りなさ感じる。アルバム自体はソフト・メロウな感じで気持ちいいけどね。

1999/10/19
今日も多忙。帰りの音楽、「YMO GO HOME」のディスク2。「TIGHTEN UP」の気持ちいいこと。YMOオリコン1位になったとき、僕は小学4年生だった。もちろん当時の僕はYMOなんかよりデビューしたばっかりで今とは顔が違う松田聖子ちゃんなんかにくらくらしてた。バック転するトシちゃんを真剣にかっこいいなぁなんて思ったり。で僕がYMOを気にしだすのは前出の聖子ちゃんや山下久美子の「赤道小町ドキッ」とかイモ欽トリオハイスクールララバイ」なんていう歌謡ポップの作家として。僕は「ソリッドスティトサバイバー」より「ハイスクールララバイ」に影響を受けた口なのである。まぁこの傾向は今だに変わってないんだけどね。で「浮気なぼくら」からYMO聞き始めてるんだから明らかに邪道ですね。その後、ポップミュージックに一気に傾倒していくんだがその時にはYMOは散開してた。高校生の頃とかYMO以前の細野作品を聴き漁ったりはしてたがなぜかYMO自体とは無縁だったんだなぁ。しかし今さらながらのYMO体験ってのもおつなもんですな。

1999/10/20
今日は少し早く終わったので急いで閉店間際のタワーレコードに飛び込む。とそこで友人Kとばったり。お互い何してんだよ。でHarry&Mac「Road to Louisiana」CD版と高橋幸宏「THE DEAREST FOOL」、ピチカートファイヴパーフェクトワールド」購入。Kと飲みに行きたいとこだがお互いいろいろあって多忙につき、次の機会に。駅までの道のりポイント絞って短時間トーク。「30になることだしバンドやろうぜ」などでたらめなこと言って別れる。

1999/10/21
忙しいとしか書くことないが・・。帰りの音楽、Harry&Mac。アナログ版とは随分音の印象が違う。くー、かっこいいぜ。久保田麻琴のボーカルが実に素晴らしい。この二人が今あえて生で、そして歌うということの意味。でもこの1999年いろんなアルバムを聴いたが、なんというか音楽を聞き始めた時の気持ちを思い出させてくれるアルバムが実に多かった。新たなる始まり。そんな感じ。で夜、テレビ「ナイトインナイト」ナンバ一番館。西川きよしの「気合い」伝説には笑った。

1999/10/22
多忙。もういいね。帰りの音楽、高橋幸広「THE DEAREST FOOL」。氏の音楽はここんとこ聴いてなかったが、これはいい。ビートニクス名義の「Re Up」、高野寛との「'00」が特に素晴らしい。帰ってビデオで「明石家マンション物語」2回目。よりわかり易く若干の手直し。おもろい。関根勤のマニアックなおもしろさをいかした「クレイマークレイマー」がつぼにはまる。今田耕司にはもう一はじけして欲しいとこだが。

1999/10/23
今日もばたばた。仕事後、組合の温泉旅行。バスに乗って兵庫県の塩田温泉に。会う人、会う人、「おっ、珍しいな」とか「小野さんも行くんですか、珍しいですね。」などと言われる。よっぽど付き合い悪いと思われてんだな。否定はしないけど。まぁイエスの時もあればノーの時もある。いつでもイエスではないし、いつでもノーではない。そういうことだ。月曜から出張だしこの時期の旅行はきついが温泉なら話は別だ。で2時間ほどで着いて即温泉に。露天風呂はやはり気持ちいい。後は宴会。無理はせず食べることに専念。「煩悩会議室」でおなじみのH先輩司会のゲーム大会で笑いの研究。一部参加し小さな笑いをとる。普通に参加すればいいもののちょっと笑いも欲しい、それも通好みな感じでといらん考えを持ってしまう。しかし僕も学生の時、よくこういう司会してたが終わった後が異常に寂しいのだ。こっちはいろいろ頭使って笑いとりつつやってるのに誰もそこまで見てくれてなかったりするんだなぁ。自分達は飲んで騒いで楽しんで司会役にはねぎらいの言葉すらないのが常だから。「いやー最高、おもろいなぁ。あの突っ込みさすがやねぇ」の言葉がどんなに嬉しいか。とりあえず先輩にお疲れ様でしたと声かけておく。で後は部屋戻ってのんびり。若手ばっかりの部屋で気つかわなくてすむ。しばしお茶飲みつつ会社の話なんぞする。みんないろんな不安抱えてるんだな。で皆で再度風呂。風呂ではちょっとやわらかめの話を。なかなか楽しい。

1999/10/24
6時半に起きて風呂。朝の露天もいいねぇ。風呂から出て朝食。豪勢な朝食に舌鼓。旅館の朝食ってどうしてこうもうまいのか。でバスに乗って玩具博物館へ。車中、先輩と昨日のゲーム大会の笑いの分析。なんだ、そりゃ。後、後輩交え最近の笑いについて意味なく語り合う。で玩具博物館。マニアックな館長が一人でこつこつ集めたらしいがコレクターもここまでくれば偉い。この狂いかたはうらやましくもある。で陶器に絵付けし、東条湖のほとりですきやきの昼食。後はバスで大阪に戻る。バスではみな熟睡。旅行の二日目ってなんかテンションさがるね。で会社前で解散。ここからが遠いんだよ。

で大津に帰って娘と対面。遊ぼうと思ったら寝てしまった。でビデオで松本人志の新番組「わらいのじかん」。オープニングの唄ですでに大爆笑。やはり天才は違う。松本の新機軸。ただのバラエティには終わらせない松本の笑いの力にはただただひれ伏すのみである。島田紳介とのゲーム対決も素晴らしかった。紳介、松本の言葉の応酬。これだけでも十分だ。笑いの発想力ということでいえばこの二人は現在、日本の最高峰にいる。

1999/10/25
出張。5時に起きて家出る。いつものパターン。今週もおもしろくない日記になりそうですよ。先日も先輩から「最近の日記、手抜きやろ」と指摘されたが手抜きではなくほんと何もないんだよ。でレンタカーで立川、三鷹、東村山など東京都下回る。東京の客のとこは駐車場がないから大変だ。100円パーキングが増えてるとはいえ、そう都合良く見つからないのだ。道も狭いしね。あーいやだ、いやだ。で今日も精一杯仕事。大人だからね。でガストで夕食。もう数年ぶりに入ったが知らん間にメニュー増えてんだな。東村山のホテルに入りやることないのでテレビ。つまんない。

1999/10/26
東久留米、保谷、武蔵野、小平回る。飯食う時間もままならね状態で仕事してんだから日記もおもろなくなるっちゅーねん。で日野のホテルにチェックイン。駅前の中華屋で麻婆豆腐定食。驚くべきまずさ。口直しにコンビニでプリン買って帰る。後は今日も出張報告書きながらだらだらテレビ。本上まなみちゃんは演技はだめだがものすごく美しいな。しかし藤原紀香にしろ彼女にしろなんで女優なんてやるの。別に美しいCMタレントってだけでいいのにね。陳腐な演技披露しなくても美しいだけで十分存在価値あるんだから。でもこういう美男美女総出演のドラマはもうその時点でうそくさい。全く同じ脚本、同じ演出で出演者全員ぶさいくにするのはどうだろう。長瀬智也の役を岡本信人本上まなみの役を柴田理恵とかね。現実世界は8割方ぶさいくなんだから。

1999/10/27
日野、八王子、小平と今日も都下めぐり。朝から雨でやたら寒く思わず車の暖房入れる。午後から雨は激しさを増し、夕方には稲光が空を切り裂く。で青梅のホテルにチェックイン。後は今日もテレビ。「明石家マンション物語」はちょっとペースダウンかな。まぁ初回が飛ばしすぎだったからな。どっちにしろ清水圭はいらねぇな。

1999/10/28
青梅、あきる野福生から埼玉の飯能まで。ラジオからビートルズ。そうそうこの前YMO聴いてて一番に思い起こしたのがビートルズYMOビートルズって今更の説ですが。でもどっちもちゃんと聴いてないんだよね、実は。商談終え、高速に入って群馬県富岡市まで。途中のパーキングエリアで夕食。まずい。辛くなってくるなぁ。FMから流れてくるのはR&Bばかり。もういいよ。マジカルでミラクルなポップソングが聴きたい。

でコンビニで紫イモケーキ買ってホテルにチェックイン。ホテルにコインランドリーあるだろうと思って下着に靴下少なく持ってきたのだが・・。コインランドリーはなく、部屋で手洗い。わびしい。出張中、一回は寝付けない日がある。今日がまさにそれでしょうがないので深夜テレビだらだら。これがまた悪循環。「いろもん」ゲスト昭和のいる・こいる。今年の元旦、「爆笑ヒットパレード」で一気に火がついたベテラン。確かに「しょうがないしょうがない」とまくしたてるその漫才は正月から衝撃だった。その後、スチャダラや鈴木慶一氏なんかが「のいる・こいる」に注目みたいなこと書いてたりしたのを見て「・・ブレイクしとる・・」と思ってたのだが。来年あたりベテラン漫才コンビが注目集めることになるかもしれんな。松本人志氏が「わらいのじかん」では、例えば「こだま・ひびき」だったり「カウス・ボタン」なんていう東京ではあまり紹介されてないおもろい漫才コンビを紹介したいみたいなことをインタビューで言ってたしなぁ。

1999/10/29
朝、目覚めると9時回っていた。一瞬目を疑うが間違いない。確かにモーニングコールは7時半にセットした。いや、確かにモーニングコールは鳴ったし、一瞬起きた。・・・2度寝してもうた・・。が運良く今日は一件目10時にアポとってたのでなんとかなる。風呂場に干してたパンツやTシャツを急いで取り込み15分でチェックアウト。まだ乾ききってないシャツを後部座席に広げて今日も真面目に商談。昼、マクドナルドのドライブスルー。チキンナゲット、マスタードソースって言ってるのにバーベキューソースが入ってやがんの。なんか小さいことだが苛つくな。で最後の店でトラブル発生。たまたま訪問してしまった俺は店のおばはんに1時間罵倒されつづける。何一つ言い返せないのがサラリーマンの辛いところ。自分が起こしたトラブルならいざ知らず、会社同士のなんやかんやで怒鳴られ、謝るのもいやなもんだ。まぁ、しょうがない、しょうがない、しょうがないね。ストレス溜まりきったとこでホテルにチェックイン。何もする気ないや。

1999/10/30
最終日。埼玉県熊谷市行田市から群馬県前橋市まで。こんな天気のいい土曜に仕事って・・。気付いたかたもいるとは思うが9月中旬から週休1日体制。まぁ10月いっぱいまでの特別体制ではあるのだが、疲れとれへんっちゅうねん。で最後の商談終え、トイレしに国道沿いの本屋へ。Bookman's Academyというチェーンの本屋なのだがまるで図書館みたいな落ちついた雰囲気で品揃えも申し分なし。気に入った。帰りの新幹線で読もうと萩本欽一「まだ運はあるか」購入。なぜか一人、欽ちゃんブームなのだ。と「横尾忠則マガジンVol.3」購入。拳銃を持った北野武の横で花束を抱え倒れる横尾さんの表紙。買わなしゃあないがな。で高速に乗り東京へ。天気のいい土曜の午後、渋滞の首都高の上で数時間過ごすような生活だけはしたくない。全く、いやになるね。で5時過ぎの新幹線で大津に。車中で萩本欽一「まだ運はあるか」一気に読了。この本はっきり言っておもしろい。アンチ欽ちゃんの方にもぜひ読んで頂きたい。萩本欽一という人がいかに「常識」という枠の外で生きているかがわかる。また欽ちゃんのダークサイドが垣間みれるのも興味深い。そして今現在の自らの位置をかなり冷静にみてるのにも驚く。<東京が終着駅だとしたら今、自分はもう横浜あたりで座席から立って上着持って網棚から荷物下ろしてる状態。今から自発的に弁当買う気はない。誰かが「いっしょに弁当食おう」って言ってくれるのなら静岡まで戻るかもしれない。でも誰も来なかったら東京駅で降ります。>という欽ちゃんの言葉は深い。ちょっと衝撃的ですよ、この本。おすすめ。家につくともう9時前。昼間、娘が「とうちゃんをむかえにいくの」と言って三輪車に乗って外をうろうろしてたという話を妻から聞いてほろっときてしまう。なんてかわいい子なんだ。

1999/10/31
やっと休み。朝から妻、娘、義母とトイザラスへ。七五三の祝いに義母が娘に足漕ぎの車を買ってくれるというので。娘は「ブーブーがほしいの」とずっと言っていたらしい。で娘は店内ですぐ屋根付きの車を見つけ、さっと乗り込み「これがいいの」と降りようとしない。でそのまま現品お買いあげ。娘は義父が車でお酒の配達にいくのを真似て足漕ぎ車の後ろにかばんを載せ「はいたつにいくの」とにこっと笑った。で妻の実家で娘が車に乗って遊んでる間に散髪。例の1000円床屋。相変わらず、早い、安い、荒い。すっかり「コボちゃん」みたいな頭にされさっさと散髪終了。「いかがですか?」なんて聞く気すらないアウトロー理容師達の手荒い仕事ぶりには笑うしかないのである。で帰ってひと休みして湖岸のほうまで散歩。ちょうど「食の祭典」というイベントをやってたので覗く。「忍たま乱太郎ショー」に娘もご機嫌。ソフトクリーム食べて1時間ばかり遊ぶ。家路に向かう途中、娘は俺の腕の中で寝てしまう。随分重くなった。で帰って妻と木村祐一「キムラの目」読んで爆笑する。