日々の泡。

popholic diary

2024年5月25日~31日の話。

2024/5/25

8時起床。玉子と魚肉ソーセージを炒めてトーストにオン。中学生の頃、小腹が減った時よく作って食べてたなー。朝から妻のリクエストで浄水場で公開されているバラ園へ。妻の実家に寄って義母をピックアップして。天気も良く晴れやか。ひとしきりバラを観て、久しぶりに鶴木そばに寄って昼食。天ぷらそば、ボリュームたっぷりで美味しい。

帰宅し、午後は映画館へ。ユナイテッドシネマで白石和彌監督「碁盤斬り」観る。身に覚えのない罪をきせられ、妻を亡くし、娘とともに故郷を捨てて江戸の貧乏長屋に暮らす浪人・柳田格之進。商人・萬屋源兵衛は彼の実直な囲碁に心酔し仲を深めていく。そんなある日、自身を陥れた免罪事件の真相を知り復讐を決意するってな物語。囲碁を通して柳田格之進という人物の清廉潔白で実直な人間性を丁寧に描き、観客が彼のことを十分理解したところで、復讐劇になだれ込み手際よくドラマチックに見せていく。時代劇の重厚さと現代的な切れ味が共存していてぐっと前のめりで楽しめた。あと俳優陣が皆素晴らしい。主演の草彅剛は実直さとどこか謎めいた得体の知れなさを体現。娘の絹を演じるのは清原果耶。落ち着いた雰囲気が時代劇が似合うなー。そして國村隼は言わずもがなな名演。巧いなー。そして我らがキョンキョン小泉今日子が素晴らしい!粋でいなせで、気風が良くって、強くてかっこいい姉さん役。くーっ!ということでやっぱり演技力、大事。

夜、日記を書くも書き切れず。毎日ちゃんと書けばいいものを、週末にまとめ書きしようとすると時間も集中力も無くてダメだな。

2024/5/26

8時起床。玉子のホットサンドの朝食。妻と買い物といつものコース。昼はやきそば。日曜のルーティンぶりが凄い。もうこの10年ぐらいほぼ同じ。

午後の映画はアマプラでオリヴァー・ハーマナス監督「生きる-LIVING」観る。黒澤明の名作をイギリスでリメイク。黒澤版、実は観ておりません。役所勤めの英国紳士、ウィリアムズは毎日を空虚にやり過ごしている。医者から余命宣告をされたことをきっかけに彼はそんな毎日に別れを告げ、自分の人生を「生きる」のだ。さすがにビル・ナイみたいに美しく枯れてはいないけど、50も越えると俺の人生、こんなでいいのか!?と焼きそばなど食べながらふと思うこともある。しみじみと人生について考えさせられる時間だった。

夜はドラマを。「燕は戻ってこない」はますますシビア。かなり踏み込んだところまで描いていて胃が痛くなるねぇ。「滅相も無い」つくづくユニークなドラマで、後々にまで語り継がれるだろうな。役者陣にとってもこれはやりがいあるだろう。「からかい上手の高木さん」最終回。小豆島の風景に似合う主演の二人の初々しく爽やかなやりとりに心洗われる。高木さん役の月島琉衣も素敵だが、西片役の黒川想矢君がなんともかわいい。「好き」を描き続ける今泉力哉監督が恋愛未満の「好き」の原石を丁寧に描いている。まぁもうこっちは孫を観ている爺さんの感覚だけど。

2024/5/27

月曜。朝から雨。ちょっと気が滅入る仕事があったりで調子悪し。

2024/5/28

今日も朝から激しい雨。通勤だけでズボンも靴もずぶ濡れ。会社帰りにAmazonで購入した水道橋博士著「本業2024」と玉袋筋太郎著「粋な男たち」をコンビニで引き取り。玉さんの方は「美しく枯れる」を読んで、その前作にあたるこちらも読まないわけにはいかないなということで。そして博士の「本業2024」は2005年のオリジナル版も発売当時読んでいるが、660ページという大増量での決定版。増量するにも程がある!この本、重いよ!バカヤローな一冊。いつ読み終わることやら。

TVerで「アンメット」こちらもいい役者揃ってて見応えあり。やはり演技力大事。毎朝BSで観る朝ドラ再放送「オードリー」で長嶋一茂のナイツ塙ばりの流れるような棒演技を観てつくづくそう思う。

2024/5/29

昼休みの読書。宮島未奈著「成瀬は信じた道をいく」読了。大学生になった成瀬、そして再び大津を舞台に騒動が巻き起こる!なんて感じの第二弾。今作も成瀬にかかわることになる人たちがそれぞれがそれぞれの視点で成瀬を語ることで成瀬像が立ち上がってくる。あるものは憧れを、あるものは恐れを、あるものは好奇心を、あるものは愛情を…成瀬にかかわる者たちは皆、成瀬のことが気になって、成瀬に影響されて、今までと違う一歩を踏み出す。読者もまた成瀬から目が離せなくなる。前作、今作と読み終わってもなお、成瀬のことが気になり次は何をやってくれるのだろうと思いを巡らせる。小説の主人公、架空の存在なのに現実にまではみ出てくるほどの存在感がある。ここまで魅力的な小説の主人公はなかなかいないんじゃないか。舞台である大津は完全なる地元、成瀬がバイトするスーパーは週に2、3度寄るところなのでいつかレジで出会うんじゃないかと思ってしまう。今作も楽しく読めたし、すでに次作が読みたくなっている。

ダメだダメだと思いながら毎日NewJeansの動画ばかり見ちゃう。そして元LOONAからついにYvesがソロデビュー。同じく元LOONAのメンバーで構成されるARTMSも明日にデビューで、これからチェックが忙しくなるなー。ってそんなことばかりしてるから日記が手薄になる。っつーかいい歳して何やってんだか


www.youtube.com

2024/5/30

一日、同僚と外回り。昼は前から気になっていたカレー屋でランチ。甘口・辛口ハーフで中辛。美味しかった。

僕より少し年上の同僚と車中でいろいろ話。老後のことや家の処理問題など、話題が渋い。先延ばしにしてきたことがどどっと押し寄せてくる感じ。

2024/5/31

朝ドラ「虎に翼」素晴らしいな。戦争という馬鹿げた悲劇を二度と繰り返さないように選定された日本国憲法。その大切さを改めて説く。暴走する権力を抑えるためにある憲法を変えようと目論む奴らがどんな奴らか。人権を軽視し、平気でヘイトをまき散らし、自分たちの私利私欲に走る、そんな奴らばかりじゃないか。それを考えれば、絶対に改憲を許すべきじゃないだろう。多くの庶民たちの痛み、悲しみ、怒り、願いの上に今の憲法は成り立っている。誰もが平等に、幸せになるために生まれたものだ。クソ野郎どもに好きにさせるわけにはいかない。

京都へ営業のついでにランチに入った洋食屋。デミグラスソースのロースかつ定食。

食べていると歳の頃なら同年配のホール係の親父が、若い上司に叱られていた。聞いているとそりゃ怒られるでしょという内容。若い女性の上司は理路整然とそれがなぜダメなのかをつとめて冷静に話していて感心した。一しきり指導した後に「休憩に入ってください。まかないどうしますか?」と尋ねていたのだが、さっきまで怒られてた親父がアホ丸出しの声で「カレー!」と答えたのに笑った。そういうとこだぞ!しかしこういうのを観ると叱られてる親父の方に完全に共鳴するな。あの親父は未来の自分の姿かもしれない。

radikoで「爆笑問題カーボーイ」。Aマッソ加納の小説と、玉袋筋太郎著「美しく枯れる」の話。まずはちゃんと読んでるところが凄い。あの忙しさでネタを作り続け、本を書き、本を読む。そこが太田さんの信頼できるところだ。で玉さんの「美しく枯れる」についても笑い飛ばしながら、同世代、同時代を生きる同志としてのエールが込められていて嬉しくなる。

金曜夜、珍しく時間もばっちりということで会社帰りにユナイテッドシネマへ。ジョージ・ミラー監督「マッドマックス:フュリオサ」を見る。前作「怒りのデスロード」でシャーリーズ・セロンが演じたフュリオサ。「行って帰ってくる」だけでありながら全編クライマックスで異常な興奮と高揚感をもたらす傑作「怒りのデスロード」の実質の主役と言えるフュリオサ。何の説明もなく謎だらけの登場人物であったが、今作は「怒りのデスロード」前日譚であり、フュリオサがなぜフュリオサになったのかをじっくりと描く。彼女がどこからきたのか、なぜ片腕になったのか、なぜ女性たちを救おうとしたのか、なぜ権力者イモータン・ジョーに反旗を翻したのかのすべてがわかる。まさに「マッドマックス:虎に翼」であり、男たち、権力者たちの振る舞いに「はて?」と疑問を投げかけ、自らの力で道を切り開いていくフュリオサの物語なのだ。いやーとにかく度肝を抜くアクションのつるべ打ちかつそれが物語と見事にリンクしている。少女時代のフュリオサを演じるアリーラ・ブラウン、そして成長したフュリオサを演じるアニャ・テイラー=ジョイ、二人ともに目力が凄い。そしてこの目力こそがフュリオサの怒りであり、痛みであり、物語なのだ。アニャ・テイラー=ジョイ、目力オブ目力、目力相撲の大横綱西川きよしも裸足で逃げ出す目力の凄味に痺れに痺れたなー。クソ男たちが覇権争いを続け、クソ権力者がクソ家父長制の上で作り上げたクソみたいに荒廃した世界を強烈な目力でNoを訴えるフュリオサ。あんた、本当にかっこいいよ!とにかくとてつもなく面白かった!