2024/6/15
8時起床。貰い物のイチゴジャムとトーストの朝食。朝のうちに少し日記を書く。
そして今日も京都まで。JR、地下鉄乗り継ぎ今出川まで出て歩いて出町座まで。映画の前にお気に入りのパン屋「ボナペティ」でパンを買って河原で腹ごしらえ。トンビに襲われないように木の下で隠れるように食べる。外で食べつ焼き立てパンは美味しいなー
木寺一孝監督「正義の行方」観る。1992年、福岡県飯塚市で二人の女児が殺害された「飯塚事件」。容疑者として捕まったのは久間三千年。容疑者は一貫して否認を続けるもDNA鑑定や目撃証言を根拠に2006年に死刑判決が下される。そして2008年、異例の速さで刑は執行される。直接証拠は存在せず、容疑者は否認のまま。だが根拠とされたDNA鑑定は不確実なものと証言され目撃証言も覆される。遺族と弁護士団は再審を請求。先日、再審請求は棄却され、弁護団が即時抗告したというニュースもあったところで改めて注目を集めている事件である。
事件解決に向け執念を燃やし犯人を逮捕した福岡県警の面々。無罪を信じ再審請求を行った弁護士、そして事件を報道した新聞記者。事件から現在に至るそれぞれの言葉を聞き取り、事件に迫るドキュメンタリー。久間三千年氏は犯人だったのかと事件に迫るというわけではなく、彼を捕らえ、審判した過程に迫っていく。それぞれが自分の「正義」に突き動かされ動いていく。だが、その「正義」が「真実」を覆っていく。見たくないものを隠し、見たいものを時に強引に作り上げていく。事件を担当した刑事たちは、揺るぎない自信を持ち断罪。立ち止まることなく正義の名の下、突き進む。そして今も自分たちの正義を信じて疑わない。そこに乗っかり警察の発表や裁判の結果のみを「事実」として報道した新聞社。様々な過程を経て、再検証を行う中で自分は裁かれる側だと当時事件を担当した記者は吐露する。容疑者の行動に不可解さは残るものの、根拠とされた「証拠」は次々と覆されていく。犯人はいったい誰なのか?謎は深まっていくばかりなのに、なぜその謎は放置され、議論される余地もなく、これほどに早く死刑は執行されたのか?3時間近くに及ぶドキュメンタリー、生々しい証言の数々、緊張感は途切れることはない。何の罪もない幼い子供が命を奪われた凶悪犯罪を前に、刑事、記者、弁護士、裁判官…関わる全ての人が正義に突き動かされている。ある種盲目的に正義を追求するあまり真実がぼやけていく。そして真実を掴めないままに、刑の執行で事件は一旦終わりとされたのだ。人が人を裁く難しさに加え、メディアによる拡散、空気の醸成、その問題点までもが浮き彫りにされる。人、組織、国に至るまで、正義や思惑やメンツやルールがこんがらがって真実が闇に追いやられていく。これが今、この国に起こっていることで、自分もまたその中に組み込まれている。得も言われぬ怖さが胸の内に広がっていく。観る前と観た後で世界の見方が変わる映画である。
出町から御池に移動。続いてはアップリンク京都でチョン・ジヨン監督「罪深き少年たち」を観る。こちらも実際の冤罪事件を基にした映画だ。強盗殺人事件の犯人として捕らえられたのは3人の少年。怯え切った表情で犯行を自白する少年たち。彼らは貧困家庭に育ち犯罪とは程遠い暮らしをしていた。一人は知的障害があり自分の名前すら書けない。なのに彼が書いた供述調書が提出される。事件を不審に思った刑事ジュンチョルは独自の調査で真犯人に辿り着く。だが、少年たちを逮捕した刑事、検察によって真犯人は釈放。ジュンチョルは離島に飛ばされ少年たちは服役する。そして月日が流れ町に戻ってきたジュンチョルは出所した少年たち、彼らを支援し再審請求を行う弁護士と出会い、再び彼らの無罪を明らかにすべく奔走する。自分たちの手柄の為に、証拠を捏造し、暴力で自供を引き出す警察、検察。こちらの刑事たちは正義よりも私欲に走っていてクソ野郎度が増す。真実を執念深く追う刑事を演じるは名優ソル・ギョング。その妻を演じるのは今や映画・ドラマに欠かすことができない実力派にして人気女優ヨム・ヘラン。結果はわかっていながらもしっかり見ごたえのある社会派ドラマだった。ただ最後のクレジットにぞっとする。少年たちは無実が証明されたものの、彼らを犯人に仕立てた刑事・検察官は誰一人処分されなかったのだ。
夜、配信にて「水道橋博士VS東野幸治with吉田豪 Vol.4」。ついに第4弾となった芸能界の不祥事を懐かしく噛みしめようというシリーズ。3人の好事家による徹底したヒューマンインタレストに基づくイベントだ。博士から贈呈されたコアチョコ製の「放課後電磁波クラブ」Tシャツを東野幸治が着込みイベントはスタート。マーシー何回目?という話から「なべやかん替え玉受験」事件へ。呼び込まれたスペシャルゲストは、なんとなべおさみ。御年85歳!とはとても思えぬ肌の張り。次々とトスを上げていく博士に導かれ、歳を感じさせない淀みないトークで政界、財界、裏社会を巻き込む「替え玉事件」驚愕の真実を語っていくなべおさみ。距離を測りながら、懐に飛び込みつつ笑いのポイントを仕掛けエンタメとして会場を盛り上げる東野幸治の凄みがいかんなく発揮される。いやーこれが素晴らしかった。今や日本で五本の指に入る名司会者、現役バリバリの凄腕。どんな危険球も受けては転がし緩急つけてポップに笑いに転化する。
ということで結果、ほぼ「なべおさみ」でイベント終了。もちろん十二分には楽しめたのだが、チャットでの賛否両論ぶりも理解できる。有料イベントで2時間半の2時間を締めるメインゲストがシークレット。東野VS博士VS吉田豪のトークバトルを期待していた人には不満が残るし、なべおさみの昭和芸能裏面史を聞きたい人には届かない。あれもこれもと詰め込みたい博士。例えば最後のハイジャック話、めちゃめちゃ面白かったのだけど、ここは不祥事列伝の「替え玉事件」のみでスパッと切った方が気持ちよかったように思う。その他の話は改めて「なべおさみ伝説」としてたっぷりやればいいのにとちょっと思っちゃったな。後はやはり音響問題か。マイクスタンドがあるだけでも解消される部分はあるだろうし、ミキサーが一人専任でいるだけでもだいぶ違うと思う。ま、会場に行けない地方住みにとっては配信で観られるだけでもありがたいんだけどね。
2024/6/16
8時半起床。ウインナーとキャベツを挟んでホットドッグの朝食。朝から妻と買い物。しかし蒸し暑い。焼きそばの昼食。変わらぬ日曜。「マルコポロリ」で東野無双ぶりを堪能。
午後の映画はアマプラでスコット・マン監督「FALL/フォール」。劇場公開時、時間が合わなくて見に行けなかったんだよね。フリークライミング中に夫・ダンを落下事故で亡くしたベッキー。悲しみに暮れるベッキーを立ち直らせようと親友のハンターは地上600mのテレビ塔に登ることを提案する。二人は老朽化が進み不安定な梯子を登り続け、頂上へと到達するのだが…。ってなお話。600メートルのタワー頂上に取り残されたらというワンアイデアながら、次々と襲い来る困難な状況、アッと驚く仕掛けもあって怖面白かった。パニックな状況下で主人公が悲しみを乗り越えていくというストーリーもあり飽きさせない。いやーこれ、スクリーンで観たらより怖かったろうな。究極のパニック映画。
庭の枇杷の木。でかくなりすぎてマンションの3階にまで達しているので大汗かきながら半分ぐらいのところで伐採。600メートルどころか2メートルの脚立に登るので精一杯。
夜、娘が父の日のプレゼントを持ってきてくれる。百貨店で買ってきたというちょっといいチョコレートとコーヒー。父の日に娘にプレゼント貰うなんて初めて。そんなことをしてくれるようになったんだなぁと涙。なんてちょっと大げさかな。でも嬉しいなぁ。
2024/6/17
spotifyで爆笑問題の日曜サンデー、中山秀征ゲスト回聴く。ダウンタウン直撃世代かつナンシー関の影響下にもあったので、秀ちゃんといえば「面白くない所詮TVタレント」という見方をしていたところがあった。元相方、松野大介の「芸人失格」も読んでたしね。でもそれも昔の話。TVバラエティの王道、ナベプロ所属でクレージーキャッツから続くど真ん中のバラエティタレント。太田さんがかってTVで完全アウェイの状況下でナンシー関と電話対決をさせられる秀ちゃんの姿を観て、TVの前で怒りで身体が震えたという話を熱弁。まるで昨日のことのように熱く話す太田さんはやっぱり最高だな。
2024/6/18
朝から大雨。徒歩通勤はストレスがないけど、こんな大雨の日だけは大変。25分横殴りの雨の中を歩けばズボンはびちゃびちゃ。乾き切る前に営業。こんな日に限って電車移動だ。昼は外食。インドカレー。日替わりのカレーは大根とえのきが入ったヘルシーなの。そしてナンがでかい!
夜はTVerで「アンメット」。もう父親感覚で杉咲花ちゃんを観てるので泣けちゃう。今回は野呂佳代がいい味だしてたな。韓国のヨム・ヘランじゃないけど、脇でいい仕事をしていた人が評価を高めやがてTVや映画に欠かせない俳優になっていくというパターンに完全に入ってきてる。しかしこのドラマ観るとつくづく演技力大切と思っちゃうな。演者が皆巧いからストレスがない。BSで絶賛再放送中の「オードリー」と大違い。なんて。何度も言うようだけど、とにかく長嶋の息子の流れるような棒演技が…。ま、それはそれで癖になって面白いんだけどね。
2024/6/19
帰宅して飯食ってぼんやり「有吉の壁」観てたら一日が終わってしまった。
2024/6/20
会社帰りにネットカフェに寄り道。いつもの文春チェック。普通の本屋ではいささか手に取るのがはばかられるBUNKAタブー誌の吉田豪による泉ピン子インタビューを読む。「こんな雑誌と知ってたらインタビュー受けなかった」と怒り心頭の場面からインタビュースタートも、徹底した下調べと資料の数々にすっかり気をよくして喋りまくる泉ピン子。牧伸二の弟子という通説は実際には違うというところから、牧伸二のケチっぷりが語られたり、西田敏行との友情、夫の隠し子騒動の記者会見は橋田寿賀子脚本で大失敗だったとか、夫はゲイだと思ってたなどなどサービス精神旺盛な語りっぷりで好感度UP。昭和の芸能界を生き抜いてきた人は強いし面白いなー。
2024/6/21
今日は一日有休消化。朝から雨で妻を会社まで送ってあとは家でおとなしく。リビングのTVにYouTubeを映して、NewJeansはじめK-POPの動画を観ながら日記を書く。昼はふるさと納税で手に入れた冷凍のハンバーグを使ってパスタ。ハンバーグのデミグラスソースと絡めたら美味しいかなと思ったのだが、ちょっと思ってた感じには仕上がらなかったな。ケチャップで一旦味付けしたパスタに絡めた方が良かったのではとか考えながら食べる。
午後は高血圧の検査で病院へ。血液検査してから診察まで1時間以上の待ち時間。おかげで高田先生本「月刊Takada」を読み進められた。ロングインタビューでの「観たり聴いたりすることが仕事の為の仕込みだと思われがちだけど、そこは違うんだよね。結果的にペンで原稿を書いたり、マイクの前で喋り続けているけど、もともと好きなだけ、大衆芸能全般を観たり聴いたりすることが」に痺れる。さらに「膨大な大衆芸能の中から、面白いものだけが気になり、それを多くの人に勧める毎日はこれからも変わらない」「芸能が人を楽しませるものだから、人が好きじゃないとダメなんだよな。何しろ人間が好き。」と締める。高田先生っ!高田先生のそういうところが大好きです。僕は高田先生と比べればひよっこもひよっこだし、仕事にも活かせてないけど、昔から観たり聴いたりすることがただただ好きなんです。そして観たり聴いたるすることが好きな人が好き。高田先生を筆頭に、博士さんや太田さんや東野さんといった人もそうだし、鈴木慶一さんとかカーネーションの直枝さんとか小西康陽さんなんかも完全に「好き」な人でしょ。くーっ!改めて自分も「好き」な人であっていいと思えたし、ずっと「好き」な人でありたいなと思った。
で診察が終わり薬受け取り近くの商店街へ。知り合いがやっている珈琲店に立ち寄りアイスコーヒーで一服。散髪しようと向かいの理髪店へ。順番待ちしてるとドアが開いてやってきたのが仕事を終え散髪に立ち寄った妻だった。なんたる偶然。
夜は家カレーが食べたくなり作る。カレールーはエスビーのゴールデンカレー。これぞ王道。結局一番美味い。
夜、radikoで角田龍平の「蛤御門のヘン」。剃刀負け弁護士軍団の面々と映画「正義の行方」が話題に。法曹界と放送界を股にかける角田先生の話をうんうん頷きながら。