日々の泡。

popholic diary

2014年6月上旬のTweet

2014/6/1

本日はライブ一本。31年目のカーネーション「タンジェリンとハイウェイ’14」@シャングリラ。ゲスト・矢部浩志!3人が揃った時、思ってた以上にこみ上げてくるものがあった。カーネーションを聴くとどうしても自分史を辿ることになる。3人時代のカーネーション、いろいろと想いが巡るな。決して懐古的にはならない演奏。バンドの懐の深さ。直枝さんの「次に行きたい」という発言、その感覚。だからこそカーネーションは最新作が最高作を更新し続けている。久々の矢部さんとの共演も完全に前を向いたものだった。つくづく凄ぇバンドだな。カーネーションのライブを観るとやはり背中を押される。この10年を振り返りつつ、よし次の10年に向けて走り出そうという気持ちになった。「まだ、始まってもいねぇよ!」という気分。

2014/6/6

今日はやっと代休。でやっぱり映画館へ。ウェス・アンダーソン監督「グランド・ブタペスト・ホテル」観てきた。ポップでキッチュな完璧にデザインされた画と語り口。ひたすら眼に喜びがある映画だが、その裏には物語を信じる骨太な気概がある。事前に町山智浩さんの解説を聴いてたからより深く映画を観ることが出来た。ちょっとした背景を知ることで感じ方が変わる。大切なことだなぁ。ティルダ・スウィントンが「スノーピアサー」に続いての怪演。「アデル、ブルーは熱い色」のレア・セドゥのメイド姿に惹かれつつ、アガサ役のシアーシャ・ローナンがもうめちゃめちゃ綺麗でかわいくて最高。

で、もう一本。ブライアン・シンガー監督「X-MENフューチャー&パスト」観てきた。シリーズの前作「ファースト・ジェネレーション」が素晴らしかったので、期待も大。いやいや期待に応える面白さだったなー。そしてこちらもその裏には深いテーマと今語るべきメッセージがあった。過去と未来を行き来しつつ、多くのキャラクターそれぞれを淀みなく見せていきながら、さらにアクションもたっぷりで物語としても骨太。そりゃ満足するでしょ。ミスティーク=ジェニファー・ローレンスがやっぱり良いねぇ。あれだけの特殊メイクなれどなんというか、あの、その、ちょうどいいポッチャリ感。最高っす!

ポップカルチャーは時として人々に何かしらの危険を知らせるカナリアでもあると思う。今日見た2本ともエンタメ作として素晴らしいのだけれど、今世界を覆う危険な空気。特にこの日本にある不穏な空気に警笛を鳴らしているように感じる。優しい言葉で勇ましいことを言う奴がのさばる世界への警笛に。

2014/6/8

本日は朝から映画。来るべきハリウッド版の予習も兼ねて本多猪四郎監督「ゴジラ」デジタルリマスター版観てきた。1954年公開。当時の観客はこれスクリーンで観て度肝抜かれたんだな。モノクロの画面の中で暴れるゴジラは今観ても怪獣としての重みがあった。思ってた以上に人間ドラマ。戦争の記憶がまだまだリアルに残っていた時代の映画なれど、「今」とのシンクロ率高し。

で午後からもう一本。トラヴィス・ファイン監督「チョコレートドーナツ」やっと観てきた。ゲイのカップルとダウン症の子供。3人が暮らした幸せな日々。舞台は70年代、3人の前に立ちはだかる法、偏見、差別etc。不条理な世界に踏みにじられる「普通の暮らし」。揺さぶられた。「感動作」などとは軽々しく言いたくない。3人を傷つける不条理で傲慢な現実に、どうしようもなく「怒り」が込み上げてきた。この「怒り」を忘れないようにしたい。より良き世界の為に。とても痛みのある映画だった。そしてその痛みを見事に体現したアラン・カミングが素晴らしい。胸を打つ演技。映画観終わった後も、ずっとその人物が心の中に生き続けるということが稀にある。そんな一本になった。