日々の泡。

popholic diary

猫のこと

夜、猫のウー太が部屋にやってくる。2年前の10月の終わり。チビが家出した。その日のことは今でもハッキリ覚えている。小雨の降る10月の朝。外に出たいよとサッシを開けようとするチビ。いつも一日の半分は外で遊んでたから、何も考えずに外に出してやった。当たり前に帰ってくるもんだと思ってた。そしてそれっきり。その日からチビを探し回る日々が続いた。正確に言うと今でも続いている。休日に1、2時間散歩する習慣はこの時から始まった。何千枚と刷ったチラシを配って歩いて、いろんな方から情報をもらっては探しに行ったけど全部違う猫だった。1年が過ぎてもうほとんど情報も来なくなった頃に、よく似た猫がウロウロしてると電話があった。仕事中だったので妻に連絡して急いで現場に向かってもらう。そこにいた猫は、チビにそっくりだったが残念ながら猫違い。でも妻は家に連れて帰ってきた。どうしてもほっておけなかったんだと。小さくてガリガリで、やたら人懐っこくて、ウーウーと唸るように鳴く白黒猫。抱き上げて、膝の上にのせる。その重み、その温かさがチビにそっくりで涙が出た。正直、別の猫を飼うことに抵抗があった。チビのことをあきらめてしまったみたいな気がして。でもほっておけなかった。そしてウー太と名付けられた白黒猫は家族になった。
まーでもこのウー太はどんくさくてね。猫の癖にジャンプが苦手で、たいした高さでもないとこに昇るにもヨジヨジと一苦労。昇ったら昇ったで、すぐ降りられなくなる。でもそこがなんともかわいい奴。
膝の上で丸くなってるウー太を見ながら、今頃チビはどうしてるかなと思う。いつかどこかでもう一度逢えたらいいな。

家に来たばかりの頃のチビ。

変な寝方のウー太。