日々の泡。

popholic diary

1999年9月下旬の話。

1999/9/16

仕事。いろいろあって会社はばたばたしてる。みんな遅くまで残業してるが僕はボンクラな趣味人なのでさっさと帰る。小林信彦ドリームハウス」読了。ここんとこ小林氏の作品絶え間なく読んでる状態。俺の中で何度目かのブームがきてる。ほんと、おもしろいんだもん。
梅田の本屋で会社から頼まれてた地図を買う。ついでにナインティナインのインタビューが載った「マンスリーよしもと」もとりあえず。帰りの音楽、ジャンラム「ハードビート」。香港のコーネリアスなんて紹介されてたミュージシャン。なかなか楽しい。香港映画とか見てても思うのだが香港人って凄くサービス精神旺盛な気がする。一歩間違うとすかした感じの音楽なのだが、なんかサービス精神というかやりすぎのエンターティメントというかそんなの感じる。そこが魅力なんだけどね。
で帰ると娘はやはり「アンパンマン」。「プーさん」「ダンボ」に続き「アンパンマン」ブームのようだ。

1999/9/17
仕事。いろいろあって会社はばたばたしてる。みんな遅くまで残業してるが僕はボンクラな趣味人なのでさっさと帰る。疲れ切って家帰るともう10時すぎ。明日は休みのはずだったがなんだかんだで出社になった。「探偵ナイトスクープ」見て寝る。

1999/9/18
眠い目をこすりつつ仕事。いつもは弁当なのだが土曜は外食にしてる。会社近くの喫茶店のカレーがおいしくてここんとこ土曜の度に食べてる。今日はついに大盛りにしてもらう。ここの手作りカレーはじゃがいもがごつごつしてておいしいんだ。それにしてもいままでの人生の中で何杯のカレーを俺は食べただろう。東京ドーム2杯分ぐらいいってるだろうか?で今日も真面目に働き終業。谷町9丁目まで歩く。
笑芸評論誌・AHAHAのホームページで知った「B級文庫」なる本屋を覗こうというわけ。で会社から15分ほど歩き探し当てたその古本屋に足を踏み入れびっくり。
とんでもない本屋と遭遇してしまった。わずか10坪ほどのこじんまりした店内には「演芸・演劇・映画」に関する本がぎっしり。小林信彦作品が恐るべき品揃えでずらり。中原弓彦名義の作品からあの小西康陽氏も探してるという幻状態の昌文社版「東京のロビンソンクルーソー」まで。店内のスピーカーから流れてくるのはレコード版「オレたちひょうきん族」。なつかしいヒップアップのネタが店内に響く。端から端まで本棚ながめ、くらくらした。ずっと探していた小林信彦「1960年代日記」と弓立社の「小林信彦の仕事」、今研究中の萩本欽一の著作「笑ほど素敵な商売はない」それと「AHAHA」の最新号をとりあえず買う。「どこでこの店知られたのですか」と店番していたオーナーに聞かれる。「AHAHAのホームページで知ったのですがとんでもない品揃えですねぇ、僕も小林信彦好きなんですよ」と思わず声かける。まだ30過ぎぐらいに見えるオーナーは一人で買い付けから何からしてるらしい。昌文社の小林作品はなかなか出てこないのですなんてことを聞く。帰り際、目録をもらうがいやはやたまらん品揃え。これから通うことになりそうだな。しかし世の中にはすごい人がいるもんだ。僕もHPで笑いについて書いたりしてるが僕レベルでそういうことするのはほんとに恥ずかしい。そのあたりの感覚はHPやり始める時からずっと自分の中にあるのだが、こういうのを目の当たりにすると自分のレベルの低さがはっきり見えて穴があったら入りたいような気分だ。
で帰ってテレビ。タモリ木村拓哉の「今夜は営業中」。・・だめだ、こりゃ。かったるいドラマ部分もがまんして見たが一体何がしたいんだ?それと木村拓哉の演技ってどうなのよ、正直なところ。俺はものすごく苦手なんだが、どうよ。何か妙な恥ずかしさがあるんだけど、ない?そこんとこ、はっきりしてよ。って誰に言ってるのか。

1999/9/19
今日も暑い。もう9月も後半だというのになんたる暑さ。娘は朝から「アンパンマン」に熱中。その間、少し部屋の掃除。本、CDが完全に棚からはみ出している。この1ヶ月の間でも結構増えちゃってるしなぁ。真剣に書庫が欲しい。
いくらやっても片づかないのでピアノで遊んでいると娘がやってきた。「ドレミしたい」二人で鍵盤適当にたたいて遊ぶ。ピアノ弾けたら楽しいだろうなぁと思うことが多々ある。娘にはぜひピアノやってもらいたい。でパスタの昼食とり電気屋へ。もう6年ほど使ってるビデオデッキ、画像があまりに悪いので買い換えようと妻と合意。ついては残ってる地域振興券を使おうという訳。とりあえず今日はいかほどのもんか調べにいく。それにしても安くなったもんだ。2万も出せばそこそこのものが買える。中学生の時、家で初めて買ったビデオデッキは20万近くしたはず。15年で10分の1か。電気製品はすごいやね。
で帰ってひと休みしみんなで京阪電車で京都へ。兄が東京転勤に決まったので最後にみなで食事をということになったのだ。四条のしゃぶしゃぶ屋「木曽路」に着くとすでに両親、兄、祖母、叔父が揃っていた。見慣れない場所で最初はおとなしかった娘であるが15分もするとかあちゃん、ばあちゃん、じいちゃんの間を走り回る。しゃぶしゃぶと松茸会席をご馳走になる。土瓶蒸し食べるの人生でたぶん2回目だと思う。娘はデザートの果物とアイスを皆からもらってご満悦。でいざ帰る段になると「ばあちゃんとこ、いきたいよぉ」とばあさんにぴたっと抱きつき泣き出す。こうなったらもうどうしようもないので今晩はそのまま娘を両親に預けることに。烏丸駅で娘にキスしてもらい別れる。なんとなく寂しい思い。明日から出張なので今日はいっしょにいたかったのだが。で妻と二人帰る。そのまま帰るのもなんか惜しいので京都駅の伊勢丹に。しかし入ったとたん閉店の音楽が。明日の朝食にするパンだけ急いで買って店でる。静かな家に帰りテレビ見たり本読んだり。「崖っぷち大賞完結編崖っぷちおやじ」読了。で寝る。

1999/9/20
5時起きで出張。今日、明日はオープン店の展示手伝いの為、私服で家出る。これだけで気分が随分楽だ。車内では熟睡。9時、東京駅。八重洲ブックセンターの前で課長と待ち合わせしそのまま一路、茨城県潮来まで。昼前、到着し仕事にかかるが予定では40ケース近くの商品を展示するはずだったがスペースの都合でほとんどはオープンセール終了後に展示ということになってしまった。課長とこまごました商品をみみっちく展示し何やかんやで5時過ぎ終了。ホテルに入り二人で夕食。刺身つまみつつビール。仕事の話とかいろいろしつつ気持ちよくなったとこでお開き。部屋戻るとまだ8時過ぎ。テレビみてもつまんないので小林信彦「1960年代日記」ひたすら読む。

1999/9/21
9時過ぎホテル発。今日到着する荷物を1個展示すれば仕事終了なのだがその1個が届かない。いろいろ電話して最終的に出荷漏れしていたことが判明。何しにきたんだ。ちょっと商談し後片づけやら最終のチェックして2時店を出る。課長ともどもパーキングエリアでカレー立ち食いし、東京まで。強烈な雨が降り出し、前が見えず運転が怖い。で4時東京駅着。課長と別れ4時半の新幹線に飛び乗る。何にもしてないがやたら疲れた。新幹線では熟睡。8時、家につく。

ゆっくりとご飯食べ風呂。娘と少し遊ぶ。これぐらい毎日余裕あったらいいな。テレビで「 BS音盤夜話」ビーチボーイズ「ペットサウンズ」が今日の1枚。僕にとっても思い入れある一枚。核心にせまる前に終わっちゃった感じ。近田春夫が興味なさそうにしてたのが「らしい」。

1999/9/22
仕事。今日も蒸し暑い。ズボンが足にひっつく感じがたまらなく気分を憂鬱にさせる。8時終業。
タワー覗いて原田知世「a day of my life」購入。YMOのベストは悩んだ末、やめた。なんとなく。大阪駅地下のケーキ店でブルーベリーのケーキとミルクプリン買って帰る。明日は結婚記念日(今となっては記念なんだかどうなんだか)なので、とりあえずおみやげだ。帰ると娘がいない。仲良しの姪のとこにお泊まりだそうだ。大喜びで行ったらしい。
「BS音盤夜話」スライ&ファミリーストーン「スタンド」。これも好きなアルバム。しかし途中で妻にチャンネル権奪われる。テレビ1台だからどうしようもない。途中で放り出してあった横尾忠則「大有」読む。妻が寝た後久々に深夜テレビ。「爆笑大問題」に笑い「映像空間99 麻弓の冒険」見る。ろうあのヘルス嬢として話題になり今はアメリカで暮らす女性のドキュメンタリー。彼女が書いた本はベストセラーになってるので知ってる人も多いでしょう。「後悔はしない。覚悟はできてる。覚悟してる。」という彼女の言葉が刺さる。僕に足りないものは「生きていく覚悟」だ。

1999/9/23
娘がいないので朝ものんびり。部屋でCD聞きながら日記つけたりネットサーフィンしたり。で昼前、娘が義姉と姪に送られ帰ってくる。遊び疲れたのか半分寝てたがテレビでタモリ見るや否や「タモさんや!」と元気になった。まさにユンケルパワー。
で昼食とり先日物色したビデオデッキ買いに出かける。結局ディスカウントショップが一番安かった。地域振興券で購入。久々の電気製品購入。なんだかうれしい。でジャスコまで買い物。結婚記念日なのでってわけでもないが珍しく刺身買う。今日は天ぷらに刺身で「和」の夕食。しかし天ぷらはモロヘイヤのだった。

1999/9/24
仕事。忙しい。9時半終業。帰りの音楽、原田知世「a day of my life」。落ちついたアルバム。派手さはないがじっくり長く聴ける感じ。いい感じの「シンガーソングライター」もの。それにしてもほんといいボーカリストになった。中学生の時から彼女のファンではあるがこうしてまた音楽家になった彼女と出会えるとはなんとも嬉しい。帰るともう11時。疲れた。

1999/9/25
仕事。昼休み、先輩と天王寺警察の食堂で昼食。一般人も入れるなんて初めて知った。値段は安いが味は・・・。そんなとこ。
で終業後、ふらふらと古本屋「B級文庫」に行ってしまう。うーん、やっぱ凄い。話するとオーナーはまだ29才。店はオープンして半年ほどだそうだ。作家・小林信彦との出会いやら好きな笑い、たけしの映画について、シティボーイズライブにおける大竹まことのうまさ、最近の若手芸人に対する不満、三谷幸喜のまっとうさ、落語の奥深さ、ダウンタウンの功罪などなど笑いについて小松政夫のレコードをBGMに1時間ばかり語り合う。オーナーはお笑い専門の古本屋始めるぐらいだからかなりのお笑い狂。同世代ということで影響受けてきたものも近い。我々世代はドリフで笑いを知り、たけしの登場をリアルタイムで経験、ちゃんとした「笑い」を経験できた最後の世代であるということで合意。いい場所見つけた。これはつぶれてもらっては困るのでちと高かったが小林信彦「道化師のためのレッスン」購入。
でタワーぶらっと流して帰宅。でビデオで「いろもん」。ゲストは萩本欽一。煩悩会議室で欽ちゃんのこと書いたばかりでここんとこ欽ちゃん研究してたので全くの偶然に驚く。こういうどうでもいいシンクロニシティ好きだな。で久々に元気な欽ちゃん見たって感じでおもしろかった。あれだけの笑いを提供してくれた笑いの偉人なんだからやっぱ、リスペクトするのが本筋でしょう。

1999/9/26
8時起床。睡眠時間は5時間切ってる。休日ぐらい8時間は寝たいのだが。さて今日は叔父の3回忌法要というわけで皆で大阪のお寺まで。11時前につくと両親はじめ親戚たちはすでに集まっていた。で法要スタート。最初こそ静かにしてた娘だが数分後には「うんと(うんこ)したい・・」。そんなこんなで無事法要終わり場所かえて皆で食事。湯葉、豆腐の懐石料理。こういうのがうまいと感じられる歳になっちゃったんだなぁ。
やたらうまい。でまた娘が「ばあちゃんとこ行くの」と言い出さないようにじいさん、ばあさんに隠れてもらってその隙に車に乗せ帰る。しかし眠い。後部座席で熟睡する妻と娘をちらちら見つつなんとか大津まで帰りつく。さてひと休みと思ったが一眠りした娘はパワー全開。妻は夕飯の準備だしで結局また娘と遊ぶ。しかし夕飯食べるとさすがに限界。9時前には寝てしまう。

1999/9/27
5時起床。今日から6日間に及ぶ出張。妻が持たせてくれたおにぎりを新幹線内で食べ一路、東京へ。東京駅で車借りいつものごとくラジオで「えのきどいちろう~」聴きながら群馬へ向かう。「えのきど~」ゲストにハウンドドッグの大友氏。ハウンドドッグは趣味じゃないが大友氏、喋りうますぎる。きっちり笑いとっていくもんなぁ。でざくざくっと仕事こなし秩父のホテルへチェックイン。ホテル近くの蕎麦屋で夕食。しかしこの町もなんにもないなぁ。コンビニが見つからないもんなぁ。部屋に戻りリモコン片手にテレビ。どれもこれもおもしろくない。ふと映画「極道の妻たち」にチャンネルが合うと中尾彰がかたせ梨乃にマシンガンで蜂の巣にされていた。・・・何ちゅうシーンや。思わず笑ってしまう。

1999/9/28
秩父市内からスタート。ひたすら商談、激走を繰り返す。しかし暑い。気の滅入るような商談を一日中してるとやたら疲れる。さっさと熊谷のホテルにチェクイン。吉野屋で牛鮭定食。コンビニで思わずモンブラン買ってしまう。秋はやっぱりモンブランなんだなぁ。子供の時はケーキ屋に行っても見た目地味なモンブランをあえて選ぶ事はなかった。家に帰って冷蔵庫にケーキの箱を見つける。喜んで開けるとそこにはモンブランが一つ残されてた。そんな時は「・・なんでモンブランやねん。普通イチゴショートやろ」とイヤな気分になったもんだ。しかし今は違う。あの濃厚な味わい、舌にまったりと絡み付く甘味。ケーキ屋で「モンブラン」を一位指名した時、僕は大人になった。で部屋で今日もテレビ。さんま師匠の完璧なトークに続き、ナイナイ・キャイーンの特番。おもしろい。ウド鈴木の「追い込まれてとっさに放つ一言」のおかしさは特筆もの。この人は天才かもしれん。「天野く~ん」と心底うれしそうな顔して語るウド氏の「ピース感」は笑いを越えている。でナイナイ、キャイーン爆笑問題の3組がずらっと並ぶ図は壮観。20世紀最後のお笑い4番バッター達というところか。

1999/9/29
デニーズでモーニング食べ一日が始まる。今日もまた商談、激走の繰り返し。お腹の調子悪くコンビニにかけこんでは脱糞。口内炎は2つもできてるし体調は最悪。セール中のダイエーで89円の爽健美茶と190円の赤飯を買い、屋上駐車場に車止めラジオ聴きつつ昼食。何一つめでたいことなんかないのに赤飯を食べるのも妙な感じだ。曇り空からは雨が降り出す。フロントガラスを水滴が埋め尽くした。まるで俺の心を埋め尽くす重い何かのように・・。なんてね。で気を取り直して仕事。ホテルへ向かう途中、本屋に立ち寄る。B級文庫のオーナーに必読と教えて貰った居作昌果「8時だヨ!全員集合伝説」購入。で加須のホテルにチェックインしホテル下のレストランで刺身の夕飯。部屋に戻り早速「8時だヨ!全員集合伝説」読み始める。

1999/9/30
すかいらーくのモーニング食べ一日が始まる。昨日の天気予報と反して晴天。もう9月終わりだというのにこの暑さ。例のごとくラジオを友に商談、激走。醤油をぶっかけて食べる冷やしうどんの昼食。ラジオからモーニング娘の「LOVEマシーン」。はっきり言ってやられた。めちゃめちゃいいよ、この曲。インチキくさい下世話なアレンジに彼女達の安っぽい歌声。もちろん誉め言葉。ほんとにいいねぇ。夜、たまたまこの曲のビデオクリップを見たが良くできてるんだ、これが。で商談終え足利のホテルに向かう途中、大雨。空を稲妻が何度も切り裂く。初めて走る道、夜、大雨と最悪の状態。トラックがびゅんびゅん走る国道で命縮まる思い。雨は激しさを増すばかりで前が見えない。
気がつくと「ここはどこ?」という状態。車止め地図と必至ににらめっこしてると携帯に妻から電話。「ピチカートのライブの案内きてるけどどうする?」とのこと。今年は出来る限りライブに行きたいのでとりあえずチケット申し込みを指示。しかしここんとこ商談以外話してないのでどうしようもなく孤独。久々の妻の声がやたらうれしい。で1時間ばかりしてやっと迷宮から抜け出す。ホテル着いたとたん雨止みやがんの。足利駅前はびっくりするほどさびれていて結局ホテルの食堂でカツ丼の夕飯。後はやたら薄暗い部屋で「ダウンタウンDX」見て就寝。