2025/10/11
7時15分起床。BS朝ドラ再放送「チョッちゃん」最終回だった。高校生の時、リアルタイムで観ていたはずだがこの最終回は完全に忘れていた。こんなだったっけ。爽やかでいい終わり方だったね。
朝から少し日記を書いて、いつものごとく京都まで。久しぶりの出町座へ。少し早めに着くようにして「ボナペティ」でパンを買ってトンビに気をつけながら河原でランチ。福神漬けが入ったカレーパン美味しい。外で食べる焼き立てパンは最高。
でアンドレア・アーノルド監督「バード ここから羽ばたく」観る。12歳の少女ベイリーはシングルファーザーのバグと暮らしている。子供への愛情は深いものの、まだ若く享楽的に生きる父・バグは毎日遊んでばかりで、つきあって3か月の彼女と結婚すると言い出す。どうしても許せないベイリーは劣悪な環境の中で孤独を募らせていく。離れて暮らす母と妹たち。母の恋人はひどく暴力的で、妹たちを奴隷のように扱い、飼い犬を蹴り殺すようなクソ野郎だ。ある日、ベイリーは「バード」と名乗る不思議な男と出会う。最初は訝しく思いながらも両親を探しているというその男の手伝いをすることになるのだが…。ベイリーはどん詰まりの世界に生きている。汚れ、荒れ果て、光が見えない世界。まだ若く力がないベイリーは、そのどん詰まりの世界から抜け出す術を知らない。生きる場所はここしかないと半ば諦めてさえいる。バードはそんな世界に現れた異物であり、邪悪で薄汚れた世界に舞い降りた奇怪な天使である。厳しい現実の中に加わる一抹のファンタジー。そのファンタジーの力が彼女の世界を変える。バードと過ごす時間の中で、ベイリーは自分の中にある強さや可能性を見出し、この邪悪で薄汚れた世界から羽ばたく勇気を得るのだ。観終わった後、ベイリーに幸あれと願わずにいられない、良き映画でした。
今日は一本にして今出川から地下鉄で京都駅まで。ヨドバシの上のユニクロでシャツを一枚購入して駅へ。ホームで、用事で出かけていた妻とバッタリ。結婚30年、もはや倦怠期すらとっくに過ぎた老夫婦だがちょっと嬉しい。なかなかこんな偶然ないので。
夜は土鍋でご飯を炊いて、コウケンテツのレシピ動画観ながら後混ぜタイプのかしわ飯を作る。炊き込みとはまたちょっと違う味わいで美味しい。
夜はNHK ONEで「とと姉ちゃん」まとめ観ながら日記を書く。
2025/10/12
7時半起床。妻は臨時仕事なので一人で電車に乗って実家へ。いつもは車なのだが、たまには電車もいい。久しぶりに駅からの懐かしい道を歩く。駅前周辺にあった3軒の書店も2軒のレコード屋ももうとっくの前に無くなっている。レンタルビデオ屋も、モスバーガーも銭湯も無い。市場だった場所にはマンションが建ち、ニチイはイオンの小型店になってる。畑も田んぼも無くなり家が立ち並んでいる。子供の頃の写真を見ると家の前の道はまだアスファルトじゃなく砂利道だし、周りは田んぼと畑で高い建物がまるでない。生まれた年、1970年はまだ戦後25年。
で母、兄と車で竹田のお寺まで。先日亡くなった叔父の納骨。終えて母と兄と3人でレストランで食事。いつもは妻もいるので、この3人での食事は珍しい。78歳の母と56歳と54歳の兄弟。親子3人水入らず。何となく照れ臭く、間が持たない。母があれこれ話してくれるので助かる。
帰宅。一休みして、ユナイテッドシネマまで。奥山由之監督「秒速5センチメートル」を観る。新海誠のアニメーションを実写化。1991年、小学校で出会った貴樹と明里。お互いに転校性で孤独を感じていたことから二人は急速に心を通わせる。だが、卒業と同時に明里は転校してしまう。中学生になってからも二人は文通を重ねる。14歳の冬、吹雪の夜、二人は再会する。そして隕石が地球にぶつかると言われる2009年3月26日にここで再会することを約束する。時が過ぎ2008年。貴樹は人と深く関わることを拒み、東京で働いていた。ってな話。サブタイトルをつけるとするなら「恐怖!初恋引きずり男の最期」か。あまりに美しく、甘美な初恋の想い出に決着をつけられないままいつまでも初恋をしがみ続ける男、貴樹。センチメンタルにもほどがあるこの男、もし現実にいたとしたら多くの女性からの評価は「キモっ!」だろう。そんな貴樹を演じるのは「覇気のない男」を演じさせたら天下一品の松村北斗。彼の演技で「キモっ!」が「うっとり」に変わる。初恋の影を追いかけ、自分の殻に閉じこもりっ切りのセンチメンタルが過ぎる繊細野郎。そんなセンチメンタルぶりっ子のキモ男が一歩を踏み出すまでをソフトフォーカスで繊細に優しく描く。くーっ!途中に挟まれる高校時代のパート。まだ初恋の記憶が生温かく残る状態でセンチメンタルに突入する貴樹。そんな彼に恋をするのが花苗。サーフィンで波に乗れたら彼に告白しようと恋に恋する純情娘だ。もはや絶滅危惧種、大林映画のヒロインか!みたいな花苗を演じるのは、出たっ森七菜!これがなんとも素晴らしい。童貞が生み出したモンスターみたいなキャラクターを快演。世界一「ヨーグルッペ」が似合う女優の称号を与えたい。貴樹の前でちょっと照れながらカラオケを歌う森七菜。彼の心はここにないと悟り、涙する森七菜。抜群の森七菜力を発揮し、物語の美味しいところを持っていく。でそんなサブエピソードを挟みつつ、30歳手前大人になった貴樹。いや、もう味せぇへんやろっ!とフット後藤に突っ込まれるレベルでまだ初恋をしがんでいる。彼女がいるにもかかわらず、初恋をしがみ続けていて、さすがの彼女にも愛想つかされる始末。一方、明里の現在も描かれる。こっちは楽しくヨロシクやってるのだった。そして運命の2009年3月26日。「恐怖!初恋引きずり男の最期」。やっとここでしがみつづけた初恋を男は吐き出すのだった。そんなあまりにセンチメンタルでもはやハードコアセンチメンタルポルノというべき映画。あるいは山崎まさよし「One more time, One more chance」にのせて歌う童貞あるある。♪童貞あるある言うよ~今すぐあるある言いたい~駅のホーム路地裏の窓、こんなところであるある言いたい~初恋しがみがち~♪とまぁそういう感じ。だが「お嫌いですか?」と問われれば「お好きです」と答える。いやむしろ大好物です。
かくいう私も高校生の頃は「初恋引きずり男」だった。男子校だったので森七菜ちゃんは居なかったけど、随分こじらせてたなー。ま、大学生になってちゃんと抜け出せたけど。その頃見てたら胸が詰まり過ぎて窒息死していただろう。さすがに50を越えて初恋どころか昨日の夕飯すら思い出せなくなっているので、アナル周辺がむずがゆくなる程度ですんだが。いやはやあぶないところだった。
2025/10/13
8時起床。娘の結婚式に備え、洋服の青山でモーニングのレンタル申し込み。妻の実家へ寄って、昼ご飯食べて買い物。帰宅し一休みしてから妻と市民会館へ。宮川大輔とケンドーコバヤシのトークライブ「あんぎゃー」を観に行く。芸人としては先輩後輩だが、同い年の2人が地方へ前乗りし町を散策。そこでの出来事を写真交えながらトーク。完全フリートーク、丁々発止のやり取りでバンバン笑わせていく二人。芸人としての地肩の強さを感じるライブだったなー。楽しかった。
2025/10/14
昼休みの読書。イ・ラン「悲しくてかっこいい人」読了。韓国のシンガーソングライター、イラストレーター、エッセイスト、映像作家…etcのイ・ランによるエッセイ集。なぜ?どうして?と彼女は常に問いかけている。自由な魂を持って自分や世界と対話を繰り返しながら表現をする人なんだな。なんてことのないエッセイの中に、ユーモアが漂い、怒りや苛立ちが漂い、悲しみが漂う。自分で考え、自分の足で立ってきた人の文章だ。イ・ランこそが「悲しくてかっこいい人」じゃないか。
2025/10/15
TVerでドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」観る。今回は夏帆演じる彼女側の視点も入って物語の幅が広がる。竹内涼真のコメディ演技も良いね。
三谷幸喜のドラマ「もしもこの世が舞台なら~」はリアタイ。芝居作りに入ってまた面白くなってきた。
2025/10/16
大阪外回り。今日こそはちゃんとランチのはずが、いきなり電車遅延ですべての予定が狂う。結果、昼飯抜きで時間に追われ歩き回る羽目に。クタクタになって帰宅。radikoで「爆笑問題カーボーイ」。さんまさんとの漫才、その裏側をたっぷり。リハーサルやる度にネタが長くなっていく様が可笑しい。どこまでも笑いに貪欲なさんまさんを語る太田さんが実に嬉しそうで楽しそうでイイね。
夜、YouTubeで無料配信中の石井隆監督「GONIN2」を観る。強盗事件をきっかけに偶然出会った5人はそれぞれが女としての役割を押し付けられ、男たちに傷つけ虐げられてきた。互いに名前も知らないまま、成り行きで道行を共にする。ヤクザたちに弄ばれた末に死んだ妻の復讐に燃える男も加わり、女たちの逆襲が始まる。ダークでハードボイルド、血が飛び散り痛みを感じる物語。96年作品、当時はまだシスターフッドという言葉も知らなかった。セーラー服姿の大竹しのぶが怪演。
2025/10/17
BS朝ドラは2007年作「どんど晴れ」。この頃はリアタイしてなかったので初見。主演は比嘉愛未。相手役の内田朝陽とともに爽やかな棒読みが初々しい。で朝ドラ「ばけばけ」、面白さの中に不穏さがあり惹きこまれる。傑作の予感。
でやっと金曜。仕事終えネットカフェで一服。吉田豪の我修院達也(元・若人あきら)インタビュー面白い。子役としてデビューし、数々の大物と共演。渥美清を渥美ちゃんと呼んでいたとか。作詞作曲編曲もものにし、10代ですでに先生と呼ばれるも若すぎて舐められるので6歳逆サバ読み。歌手としてデビューもモノマネで注目され一躍人気者に。でワイドショーを賑わした失踪事件から個性派俳優へと、知ってても何の役にも立たないが、興味深い話だらけ。昭和の芸人は濃いなー。
NHK ONEで夜ドラ「いつか、無重力の宙で」まとめ観。思わぬ急展開。ぐっと抑えた演出に逆に涙。もうやめてヨ~という気持ち。
しかし政治のニュースみるとどんよりするな。この国はこんなところまで転がり落ちたのかと唖然とする。まるで国民の方を見ていない政治家たちにうんざり。平気で嘘をつき、金に汚く、差別上等、陰謀論を信じ込み、愛国を隠れ蓑にするならず者、そんな奴らが国を牛耳ろうとしてる。世界はますます酷くなる。
