日々の泡。

popholic diary

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例えば今日みたいな日、「日記を書く」んとこをクリックして、真っ白いボックスを眺めてうーんと唸る。朝からの出来事を思い返す。7時10分、携帯の目覚ましに起されて、とりあえず目覚める。娘は「あっ宿題忘れてた!」とパジャマのままノート広げてる。「もー何やってんねんなー」と言いつつ、台所に行き食パンに賞味期限が少しばかり切れたピザソースを塗って、とろけるスライスチーズをのっけてトースターに放り込む。そういえば結婚12年、朝ごはんの準備してもらったことねーなーと思いつつ、「めざましテレビ」で郷ひろみと我集院達也が競演!ってどうでもいい情報を聞き流す。ピザトーストを野菜ジュースで流し込みながら、「ほら、早く着替えな、遅刻するで」と娘をせかす。歯を磨いて顔洗って、着替えを済まし、布団をあげる。娘を見送り、ソファーに座って新聞を広げる。読んでんだか、読んでないんだか。8時10分、弁当を鞄に入れ家を出る。i-podからはカーネーション、細野さん、レムスイム、ピチカート。8時半会社着。だらだらと仕事をはじめ、あれやこれやそれ。会議が長引き13時昼食。インスタントの味噌汁をいれ、弁当箱を広げる。7分で食べ終わって、「ほぼ日」とか読みながらしばし休憩。でまた午後からあれやこれやそれ。19時退社。なんとなーく紀伊国屋に寄り道。三木聡監督「転々」を特集した「キネマ旬報」誌を立ち読み。読み終わって本を閉じ、棚に戻す。本棚を一通り眺め、特におもしろそうなものもないなと思い、身体の向きを変えて歩き出す。文庫本コーナーを抜け、エスカレーターで5階から4階、4階から3階、3階から2階、2階から1階。そのまままっすぐ出口に向かい、ガラスの扉を押し開け、外に出る。少し顔を上げ、息を吸い込む。ポケットに手を突っ込み、一歩二歩三歩四歩と歩き出す。五歩六歩七歩八歩…。歩いても歩いても辿り着かない。赤く点滅した信号機がグニャりとまがりアスファルトに溶けていく。56歩57歩58歩…右足と左足が入れ替わりどこに向かっているのかわからなくなる。128歩129歩130歩…空に開いた穴が目前に迫る。152歩153歩154歩ストンと落ちたのは俺に開いた穴だった。