日々の泡。

popholic diary

2024年7月20日~26日の話。

2024/7/20

7時半起床。朝からJRと地下鉄乗り継ぎ映画館へ。まずは京都シネマトッド・ヘインズ監督「メイ・ディセンバー」を観る。36歳の女性グレイシーはアルバイト先で知り合った13歳のジョーと関係を持ち実刑判決を受ける。ジョーとの子供を獄中で出産し、出所後二人は結婚。23年の月日が経っていた。そこに事件の映画化が決まり主演女優のエリザベスが取材のために二人の下に訪れる。二人と行動を共にする中でエリザベスが観たものは…。というちょっと不思議な構造を持った映画。一見幸せそうに見えるグレイシーとジョー、その家族。だが、その歪な関係性が時折顔を出す。グレイシーを演じるためにエリザベスは彼女を観察する。幸せな生活の中にいるグレイシーだが、時にその幸せはハリボテのようであり、彼女はそれを演じているようにさえ見える。見る角度によって様々な顔を持つグレイシー。怯える少女のようにも見えるし、強権的な支配者のようにも見える。彼女のことを知ろうとするあまり徐々にエリザベスはグレイシーに飲み込まれていく。思慮深く物静かで穏やかなジョーだが、その眼の奥はまるで空洞のよう。グレイシーとの関係は純愛なのか、従属なのか、あるいは洗脳なのか。エリザベスの登場で崩れていく家族の均衡。まさに「ゆれる真実」なのだ。グレイシーを演じるジュリアン・ムーア、エリザベスを演じるナタリー・ポートマン、二大女優のスリリングな駆け引き、真相より深層に迫る演技に圧倒される。しかし人間って奥深いなー

暑い中を地下鉄で移動し出町まで。いつものごとく「ボナペティ」でパンを買って鴨川沿いで昼食。さすがに外は暑いな。

続いて出町座でダニエル・ゴールドハーバー監督「HOW TO BLOW UP」を観る。テキサス州の巨大な石油精製工場。街に引かれた長大な石油パイプライン。環境を破壊する石油パイプラインに人生を狂わされた弱き人々。ある者は肉親を亡くし、ある者は病気に侵され、ある者は家を奪われる。政治的思想も違えば人種も性別も年齢も違う彼らがパイプラインの破壊を企てる。彼らが行うのはテロ行為ではある。だが、彼らは誰も傷つけることなく計画を実行しようと試みる。多くの人々を傷つけ間接的に、時に限りなく直接的に人々を殺す権力と資本によって生み出されたパイプライン。未来を生きる世代が声なき人々の為に仕掛ける行為はただのテロなのか。映画はそんな問いかけを持ちながらも滅法面白い。事情の違う一人一人が集まり、手作りと工夫で爆弾を仕掛けていくスリリングな活劇として、ちょっとしたどんでん返しのあるサスペンススリラーとして手に汗握るエンタメ作品にもなっている。

でもう一本、日向史有監督「I AM A COMEDIAN テレビから消えた男」を観る。ウーマンラッシュアワー村本大輔を追ったドキュメンタリー。年間200本以上のテレビ出演をしていた村本は、テレビで披露した「漫才」が物議を醸しやがてテレビ出演は0となる。政治ネタも厭わず、おかしいと思ったことを笑いにして喋る。アンチが増加し、ネットは炎上。彼はテレビから消えたのか。いやテレビが彼のスピードに追い付かず脱落していったのだ。社会に目を向ければ、自ずと世界は広がる。原発朝鮮人差別、沖縄…etc.彼は知り、現地に赴き、聴き、学び、そこで生まれた様々な「はて?」をネタにする。目を背けるな、目を合わせろ。そんな彼の叫びの源は。そこから物語は彼の家族の物語へと移っていく。不仲だった両親、孤独な泣き虫少年の叫びが込められている。父との対話のシーン、そしてその後の展開、小さなライブハウスでのスタンダップコメディ村本大輔というコメディアンの背骨。その青臭さに胸を打たれる。誰もが彼のようなコメディアンになれとは言わない。だが、彼を嘲笑し冷笑しクソみたいな言葉を吐き出す前に、観て欲しい。どんな言葉を吐き出そうがそれは自由だ。だがその言葉を吐き出す自分に誇りを持てるのか、恥ずかしくないのかを考えて欲しい。テレビから消された芸人?村本大輔から消されたんだよ、テレビが。

2024/7/21

8時起床。暑い暑い。朝から買い物。いつも行ってるスーパーがリニューアルして魚屋が充実。お客さんも多くなった。だが見切り品コーナーは縮小。がんばれ小市民。

録画してあったドラマ「ブラックジャック」観る。原作へのリスペクトを感じるよきドラマ化だったと思う。原作のストーリーを活かしてうまく再構成してあって、これは連ドラで観たいな。高橋一生ブラックジャックは歴代の中でもかなりいいんじゃないか。飄々としたニヒルさ、その奥にある人間味、熱き想いが感じられ素晴らしかった。ドクター・キリコが女性になっているとかで物議を醸していたが、こちとら「加山雄三のブラックジャック」を観ていた世代なのでな。加山雄三ブラックジャックだぜ!これ以上の改変ないだろ。それはそれで再放送、楽しみに観てたけどね。なのでその程度、なんてことないですよ。それに石橋静河なんだから悪いわけないじゃない。

27時間テレビ」をぼんやり。さんま・タモリがやってて深夜にだけしが乱入なんて時代ははるか遠くに。当たり前だが世代交代。その中でもまだ声を張り上げるさんまさんの怪物ぶり。でラストのダンス大会。もはや孫を観る目で見てしまう。順位とか付けないであげて、みんな素晴らしいでいいじゃんとすら言いたくなるな。

2024/7/22

朝から暑い。が午後になってゲリラ豪雨。雷が鳴り響き強烈な雨が降る。雨が止んだ時間を見計らって帰宅。異常気象なんて言葉も今や昔。この異常さが日常になってしまった。誰の責任?そう俺たちの責任でもあるのだ。

2024/7/23

TVerでIVEが出た「相席食堂」を観る。ウォニョンが日本語堪能なのに驚く。しかし世界的大スターのIVEが日本だけの大スター千鳥に突っ込まれる図はいかにも日本的というか、なんというか。テレビってそこまでズレちゃってんだなとすら思ってしまう。笑いつつもちょっと複雑な気持ちになるな

2024/7/24

朝と夜に遊びに来る野良猫のチャー坊が、かわいくついつい写真を撮ってしまう。

2024/7/25

緊急事態で急遽ロングドライブ。高速を飛ばし彦根へ。そこから伊吹山山頂へ。山頂は涼しく気持ちよい。一仕事終え帰宅。高速に山道でさすがに疲れ切った。

2024/7/26

で今日はイベント仕事で朝7時から高速飛ばして再び伊吹山山頂まで。片道2時間半のロングドライブ。昼にはまた大津に戻る。二日間で大津~伊吹山2往復の運転。車の運転は嫌いでもないが、仕事がらみで人を乗せての長時間ドライブはさすがに神経を使う。で再び仕事で大津~八日市往復し、夜は大津に戻り仕事がらみで飲み。気を使いつつもちょいお高めの近江牛を頂き仕事の疲れを飛ばす。

帰宅し風呂入ってあとは寝るだけ。だが疲れすぎてなかなか寝付けず。音楽を聴いてるうちに逆に目がさえてしまう。ま、たまにはいいか。