日々の泡。

popholic diary

2024年7月13日~19日の話。

2024/7/13

8時起床。トーストの朝食。少し日記を書いてから法事の為、妻の実家に。法要の後は義母、義兄夫妻、義姉夫妻と食事。酒豪の義兄に付き合いビールを少し。美味しいお寿司を食べながら皆でお喋り。結局昼から夕方まで、食べて、呑んで、喋ってダラダラと過ごす。僕は完全に聞き役。でもなんだかんだで結婚してもう29年(!)。妻の家族とも仲良くやれているので親戚づきあいにストレスはない。真ん中にいる義母が人間力のある人なのでずいぶん助けられている。

2024/7/14

8時起床。朝から京阪電車で京都まで。MOVIX京都でリュ・スンワン監督「密輸1970」を観る。時代は1970年代中盤。小さな漁村クンチョンが舞台。工場からの排水で海が汚染され収入減を失った海女たち。海底から密輸品を引き上げる仕事を斡旋され食い扶持を稼ぐも税関の摘発で逮捕、海女たちのリーダー、ジンソクは刑務所送りに。親友のチュンジャは一人逃亡する。そして2年が過ぎ、チュンジャがソウルからクンチョンに戻ってくる。出所したジンソクに再び密輸の儲け話を持ち掛けるが二人の友情には大きなひびが入っていた。そして金塊の密輸に絡み、成り上がりのチンピラヤクザ・ドリ、密輸王のクォン、そして税関のジャンチュンが入り混じる騙し合いバトルが勃発。虐げられてきた海女さんチームが一発逆転を目論み参戦!ついでにサメもやってきてそりゃもう大騒ぎさ。果たして密輸バトルの勝者は?そしてチュンジャとジンソクの友情は?いやーもう滅法面白い!久々に胸をすく韓国産爽快アクション活劇。テンポの良い語り口、サイケでキッチュな美術、アイデア溢れるアクション、チャン・ギハによる韓国ナツメロをベースに、ファズを効かせたギターが鳴り響く音楽、どれもが最高。時にドぎつく、時にクール、ワクワクと胸躍る物語。何もうこれ最高の映画じゃん。キム・ヘスとヨム・ジョンア、タイプの違う50代の女優がど真ん中で主役を張り、シスターフッドで男どもに一泡吹かす。コアとなるこの二人の在り方がかっこよく、「今」の映画としてしっかり機能している。現代的なテーマが芯にありつつ、徹底的にエンタメとしても面白い。リュ・スンワン監督作は「クライング・フィスト」や「ベテラン」「モガディシュ」など大好きな作品が多いがまた一作加わった。俳優陣では海女さんたちに協力するコマダムを演じるコ・ミンシも素晴らしかったな。「魔女」でキム・ダミの親友を演じた子だと最初気づかなかった。あとはチンピラヤクザ、ドリを演じたパク・ジョンミン。相変わらず巧い!パク・ジョンミンに外れ無し。とにかく面白い映画が観たい!という貴兄におススメする痛快で爽快で愉快な一本!

「密輸1970」キョンキョン蓮舫で日本版リメイクしたらどうか。サメに喰われる石丸とかスカッとしそう。

地下鉄で京都駅まで戻って、イオンのTジョイ京都へ。続いては押山清高監督「ルックバック」を観る。学年新聞で4コマ漫画を連載する小学4年生の藤野。だがある日一緒に掲載された不登校の京本の漫画を観てその高い画力に打ちのめされる。負けたくないとひたすら書き続ける藤野だが一向に縮まらない画力の差に絵を描くことを諦める。だが、小学校の卒業式、京本と初めて出会った藤野は京本から「ずっと藤野のファンだった」と思いもしなかったことを告げられる。やがて二人はともに漫画を描き始めるのだが…。何かを創造すること。その修羅の道。人の才能と比べては打ちひしがれ、それでも作り続ける。才能の限界を突破するためには、ただひたすら作り続けるしかない。才能とは何か。倒れても倒れてもやり続けることなのだな。藤野と京本、二人の繋いだ手。やがて離れてしまう二人の繋いだ手が切なく苦しい。57分に込められた濃密な物語、アニメーションの力強く、繊細な表現、河合優実と吉田美月喜の声もまた素晴らしかった。大きな話題になるだけのとても力がある作品で、何かを作ることなんてとっくの昔に諦めた自分の胸にも強く響いた。今まさに何かを作っている人には決して人ごととは思えない物語だろう。まぎれもない傑作。

映画を観ての帰り道、小学生の頃の親友T君のことをふと想いだした。子供の頃から絵が得意で、小学生の頃なんかは新聞に掲載されたり、賞をもらったりしていた。小学4年生の時に同じクラスになったT君も絵が得意だった。彼は特に漫画が上手で学級新聞に漫画を描いていた。いわゆる「巧い」絵を描く僕と違い、彼の絵はユーモアがあってアイデアがあった。子供ながらに彼に対してどこか羨望と嫉妬があった。でも僕らは絵という共通点があり、お互い漫画やラジオが好きな文化系小学生でとにかく馬が合った。どっちから話しかけたかは忘れたが、急速に仲良くなって、二人でいつも落書きしたり漫画を読んだり冗談を言い合っては遊んだ。4年生から6年生まで同じクラスで「つボイノリオのハイヤング京都」の話なんかもよくしてたな。ライバルであり親友、そんな感じでもあった。中学生になると二人の興味は音楽に移り、毎日学校帰り音楽談議に花を咲かせた。中二の夏、彼は引っ越して離れ離れになったが、夏休みなんかは僕の家に泊まりに来ては一緒に音楽を聴いたり、ギターを弾いたりした。僕は高校生のころまで絵を続けていて実際に京都芸大の受験までしたが、見事に桜は散り、それ以来絵を描くことはなくなった。受験する前の段階で自分の才能の無さに気付いてしまっていたし、一般の大学に受かっていたこともあって絵の世界から早々に逃げ出した。続ける覚悟がなかったのだ。大学生になってからは多くの出会いもあり自分なりに充実した青春時代を過ごした。ゆえにT君との繋がりも薄らいでいった。それでも時々は連絡して、サラリーマンになってからも東京で働いていたT君に出張ついでに会いに行ったりもした。最後にT君に会ったのはもう25年ほど前か。東京から転勤になったというところまでは聞いたものの、お互い忙しくいつのまにか連絡は途絶え、連絡先ももう無くしてしまった。僕が彼のことをふと思い出すように、彼は僕のことをふと思い出してくれているだろうか。できれば死ぬまでにもう一度会いたいな。T君、いや土橋君、元気でやってるかい?

2024/7/15

8時起床。休日出勤。イベント仕事。特に難しいものではないのだが11時から17時までの拘束。結局昼ご飯も食べられず腹減らして帰宅。

夜、YouTubeで和歌山カレー事件関係の動画を。眞須美容疑者の夫で、保険金詐欺で服役・出所した林健治氏が保険金詐欺の手口を語ってるのが実にリアル。「(眞須美容疑者が)金にもならんのに、そんなことする訳ない」という発言の説得力も凄い。事件の真相はどこに。

2024/7/16

昼休みの読書、細田昌志著「力道山未亡人」読了。国民的スーパースター、力道山と21歳で結婚した田中敬子。そしてわずか半年で彼女は未亡人となる。そして22歳になったばかりの未亡人の肩に30億円もの借金がのしかかる!波乱に満ちた力道山未亡人=田中敬子の人生を描く。そしてそれは力道山からアントニオ猪木へ繋がる日本のプロレス史、さらには政治・経済・裏社会までを網羅した壮大な歴史を描くことになる。まずは力道山がいかに猪木に目をかけ寵愛していたかが語られる。えぇ!靴ベラで殴られ、いじめにいじめられてたんじゃなかったの?と「プロレススーパースター列伝」で植え付けられた常識がいきなり覆される。そんなつかみから怒涛の展開。調べ、聞き取り、裏を取りと実に丁寧に根気強く描かれたノンフィクション。点と点が繋がり線となり面となる。そして浮かび上がる田中敬子という一人の女性が歩んだ人生。力道山が刺された日のこと細かい描写、死に至った“理由”のところなど、あらゆる方向から調べ上げ、その一連の騒動が実に立体的に目の前に浮かんでくる。これぞノンフィクションの凄味。どれだけ調べつくしてるのか。ほかにも「早すぎた水原一平」豊登の逸話や未亡人に借金だけを背負わせ排除していく日本プロレスの「ダラ幹(ダラけた幹部、プレレススーパースター列伝でも猪木が怒ってたなー)」どもの話、ジャニーズとの浅からぬ関係からタッキーVS猪木戦に繋がっていく話など歴史がどうやって作られていくのか、偶然と必然、結ばれていく星座の面白さが溢れている。小学館ノンフィクション大賞受賞も大納得!

力道山未亡人」朝ドラとは言わないまでも十分ドラマ化できるドラマチックさ。めるる主演でドラマ化希望。力道山役はマ・ドンソクで!

2024/7/17

午前中、会議2本こなして営業車飛ばして木ノ本まで。高速で2時間弱。久々のロングドライブ。体力的にはきついけど、会議より気持ちは楽。そこから一仕事終え、再び高速へ。時刻は16時、多賀のSAで遅すぎる昼食。王将でチャーハン。で雨降る中ロングドライブ。たまにはロングドライブもいい。ずっと社内で数字とにらめっこしてるとシリアスになり過ぎる。気分も少しリフレッシュ。ま、会社に戻れば仕事山積みなのだが。

2024/7/18

NHK+でドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」観る。坂井真紀さんはいい女優さんになったねぇ。あと教師役の東京ダイナマイト・松田さんがいい味出してた。河合優実と福地桃子のやり取りも楽しく、笑いながらちょっと考えさせてくれるいいドラマですな。

2024/7/19

朝から夕方まで炎天下で仕事。熱中症に気を付けて水分補給に塩分補給。さすがに堪えたー。会社に戻って仕事片付けてやっと金曜の夜。いつものように文春チェックしようとネットカフェに寄るとシステム障害で店員さんが右往左往。ニュースみると世界規模でシステム障害起きてたのか。ささっと帰宅し風呂入って、梅酒のソーダ割呑みつつK-POP動画など観ながら金曜の夜を過ごす。