日々の泡。

popholic diary

2024年3月2日~8日の話。

2024/3/2

さてバタバタな2月が終わり3月へ。

友達の結婚式へ行く娘を駅まで送った後、京都まで出る。三条の「なか卯」で久々に親子丼。腹ごしらえを済ませMOVIX京都で映画。イ・サンヨン監督「犯罪都市 NO WAY OUT」観る。マ・ドンソクが剛腕刑事マ・ソクトを演じる痛快暴力アクションエンタメの第三弾。説明不要のマ・ドンソク映画。今回の悪役はイ・ジュニョク演じるイケメン悪徳刑事と青木崇高演じる日本から送り込まれた最強の殺し屋。悪役が強ければ強いほどマ・ドンソクの腕力が輝く構造。もはや物語に意味なんかありません。ただただ悪人をマ・ドンソクがぶっ飛ばす爽快感で2時間を突っ走る。青木崇高も日本刀振り回しての快演。これ役者冥利に尽きるだろうな。あのマ・ドンソクと殴り合いできるなんて楽しくて楽しくてしょうがないだろう。それが映画として残るんだから。あと個人的には前2作で班長を演じたチェ・グイファとの軽妙なやり取りが好きだったで、今回は部署が変わってチェ・グイファ不在なのが残念。その代わりと言っては何だがマ・ドンソクとコンビを組むのがキム・ミンジェ韓国映画ファンならお馴染みの顔でマ・ドンソクとの掛け合いも楽しい。暴力アクション同様、目一杯小ギャグが詰め込まれてるのが今シリーズの特徴でもある。東映セントラルアーツのTVシリーズ感がどこか懐かしいのだ。タカ&ユージの「あぶない刑事」と共演して欲しいな。浅野温子とマ・ドンソクの掛け合いとか絶対面白いに決まってんじゃん。

で15分のインターバル、同じスクリーンで三宅唱監督「夜明けのすべて」を観る。PMS月経前症候群)でイライラが抑えられなく藤沢。同じ職場で働くことになった新人・山添の無気力さにイラつき、きつく当たってしまう。だが山添がパニック障害を抱えていることを知り自身がPMSであることを告白する。他人には理解されにくい障害を抱えた二人は、適度な距離を保ちながらお互いの理解者になっていく。素晴らしかった。二人はべたついた関係には陥らない、ましてや恋愛感情もない。それでも同志として理解し合い、必要な時には手を差し伸べ合う。彼らとともに働く職場の人々にもそれぞれに事情がある。そう、すべての人は他人からは窺い知れない事情があり、悩みがあり、様々な想いを胸に抱えているのだ。でもどうしても一人では抱えきれない、はみ出してしまう部分がある。そのはみだした部分を誰かが見ていてくれている、理解してくれているというだけで心は少し軽くなる。上白石萌音松村北斗、主演二人の声が実に良い。トーン、大きさ、スピード、どこをとっても最適で素晴らしい。派手な映画ではないけれど、秀作であり良作。大切にしたい映画であった。

京阪電車で大津まで戻って、商店街で散髪。ちょっとすっきりする。義母お手製のちらし寿司の夕飯。

2024/3/3

8時30分起床。妻と買い物。代り映えしない毎日がいかに大切か、奇跡の上に成り立っているかについて考えるこの頃。蕎麦の昼食、「マルコポロリ」から「ytv漫才新人賞」観る。当然なんだが演芸界も世代交代してるなぁ。昔のように熱心に見ることも無くなった。こちらの感性が古臭くなって、ついていけてないのだ。

2024/3/5

YouTubeで限定公開された沢島忠監督1963年作「おかしな奴」を観る。田舎から出てきて落語家となり苦労の末に人気者になるが32歳の若さであっけなくこの世から去った天才落語家・三遊亭歌笑の一代記。寅さん以前の渥美清がこの落語界の異端児を演じる。若くて勢いのある渥美清の芸達者ぶりに見入る。兄弟子役のこれまた若い佐藤慶が素晴らしい。まだ戦争の残り香が色濃く残る時代だけに映画ははっきりと反戦を打ち出している。

そういえばと思い出し本棚の小林信彦著「おかしな男 渥美清」を引っ張り出す。「『おかしな奴』の失敗」というそのままの章があって読み返す。リアルタイムで歌笑を知る小林信彦歌笑評は「もの珍しいとは思ったが、面白いと思ったことは一度もなかった」と容赦ない。<正統派の芸へのコンプレックスと絶望感からくるやけっぱちのスリリングな魅力>で人気だった歌笑を<落語という古い伝統芸への反逆者>として描いたところで違和感が生まれ<不自然な人形のような主人公>とまで言っている。そして渥美清から電話がありそのことを伝えると、渥美清は<まるで「アラビアのロレンス」みたいな歌笑だろ>とともに笑い飛ばすのだ。二人の冷静さに凄味と怖さを感じる。

2024/3/6

水道橋博士YouTube「博士の異常な対談」ゲスト伊集院光を観る。まさに手の合う二人によるあっちこっちにどこまでも転がり続けるプロの雑談。一つの話が着地する前に道をそれ、さらに枝葉に分かれて勢いづいて転がっていく。それってお喋りのだいご味であり最高に楽しく面白いところだと思う。杉作J太郎さんがラジオで自分で喋りながら「何の話してましたっけ?」と話を見失うとこが最高に好きだ。話を見失うぐらいに転がってるって、それだけ盛り上がってる証拠でしょ。博士と伊集院さん、同じ時代を生きてきた芸人として、同志として、友達として、何より人としてお互いに敬意をもっていることがわかる。決して馴れ合いではなく、それぞれに別のところにいながらも視界の片隅に入っていて、気にしている。二人のお喋りは芸について、鬱について…と様々な方向に転がりながら、自分の思考、自分の場所を確認しあっているようにも聞こえる。二人がそれぞれ他の誰とも違う顔を見せあっている。とてもいいお喋りで嬉しくなる。


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2024/3/7

久々に仕事で大阪へ。朝のうちに2件の商談を終え、ランチは梅田で。事前に調べていた店で親子丼。とっても美味しかったが、いろんな店で親子丼を食べるたびに、いかに「なか卯」の親子丼が美味しいかが浮き彫りになるなぁ。

往復の電車でradiko。伊集院さんの「深夜の馬鹿力」で博士とのYouTube収録話、脱線していくトークについてたっぷり。「東京ポッド許可局」の「PERFECT DAYSおじさん論」、主人公・平山がピン芸人にしか見えないには笑った。最後の泣き笑い顔、今後観るたび爆笑してしまいそう。

2024/3/8

朝から病院。定期的に行っている検査。ここんとこ代休とっても全部病院という感じだ。午後からは会社に出てお仕事。夜、鳥山明さんの訃報。1970年生まれの僕は「ドラゴンボール」より断然「Dr.スランプ」。全18巻、コミックスは全て発売日に買っている。今でも大好きなギャグマンガ。漫画が大好きだったのでアニメ化された時、ちょっと複雑な想いになったのを覚えている。小学生の頃は絵を描くことが大好きで毎日毎日いろんな漫画の模写をして過ごしていた。とにかくその緻密かつ完璧に構成され完成された絵にどれほど感銘を受けたか。第一巻の表紙絵を一所懸命模写したなぁ。何回描いてもあんな風には描けなかったけど。