金曜。相変わらずあっちからこっちから仕事だが、蝶のように舞い、蜂のように刺す仕事っぷりで片付ける。なんて、誰も言ってくんないから自分で言う。実際は蛾のようにキリキリ舞いし、虻のように刺される仕事っぷり。で帰宅後、夕飯食べてレイトショーで映画一本。ナ・ホンジン監督「チェイサー」観る。
デリヘルを経営する元刑事ジュンホ。雇っていた女たちが相次いで疾走。ふとしたことで疾走した女たちの最後の客、その携帯番号が全て同じことに気がつく。その客はヨンミンという男。そしてジョンホはヨンミンを追い詰める。あっさりと逮捕され、ぬけぬけと殺人を自供するヨンミン。だが、証拠不十分でヨンミンは再び街に放たれてしまう。シリアルキラー・ヨンミン、怒りに撃ち震えるジュンホの戦いが始まる。-ってなお話。
スゲー!なんちゅー映画や!韓国映画恐るべし。ドハードな展開に、息つく暇なし。とにかく犯人がいきなり捕まるところから度肝抜かれ、さらにそこからの地獄のような展開に力入りっぱなし。後半は呼吸すらできないレベルだった。緩さの欠片もないハード&ストレートな描写。この強烈な緊張感、まさにハードパンチャーな映画でボコボコにやられたね。口の中に苦い血の味が広がっていくような、やりきれなさが残り、しばし映画から戻ってこれなくなる。心臓が弱い人は観るべからず。
キム・ヨンソク、ハ・ジョンウという二人の役者の鬼気迫る演技。二人の真っ向勝負、疾走、躍動する肉体、あらゆる感情の発露にスタンディングオベーション。いやーそれにしても韓国映画おもしろい。やっぱりやってくれるなぁ。血液が沸騰した。ナ・ホンジン監督はこれがデビュー作だとか。とんでもない才能。