日々の泡。

popholic diary

HAPPY/BLUE

土曜。今日も午前中は娘を英語教室に。それにしても大津の街中、至るところに貼ってある。例の渡辺文樹監督の映画ポスター。どんだけマメなんだ、渡辺監督。しかし街の平和な雰囲気をぶち壊すえげつないポスターなんだこれが。
で娘待ってる間、車中で土岐麻子の新作「TOUCH」聴く。ノーナリーヴス・奥田健介作曲、キリンジ・堀込弟とのデュエットナンバー「FOOLS FALL IN LOVE」が80'sシティポップな仕上がりでお気に入り。
で帰って昼。具はタマネギとウィンナー、味付けは塩・胡椒のみという手抜きピラフと買ってきた元さんコロッケの昼食。HDDチェックは「アメトーーク」中学時代イケテないグループに属してた芸人の完全版。やっぱり博多大吉おもろ。大笑いしながらも、イチイチ共感できるな。
後はひたすら台所。妻は割り引きシールが貼られた食材を無条件に買ってくる癖がある。「安かったから」という理由だけで買ってきたはいいが、何を作るというビジョンがないからそのまま放置。結局、週末僕が冷蔵庫チェックし処理することになる。賞味期限が3日ぐらいしかないプレーンヨーグルトが2箱あったり、30%引きシールが貼られた挽肉が冷凍庫と冷蔵庫に一個づつ。野菜室にほうれん草ばかり3袋とか賞味期限が一日置きの油揚げが3つとか。焼きそば買ってきてるのに、キャベツも豚肉も買ってないとか。まったく、もう。で今日は昨日買われてきたばかりなのに既に腐りかけの苺でジャムを作って、2か月ぐらい前に買われてきて、一向に料理される気配がないままがっつり冷凍されてる豚肩ブロックを茹で卵と一緒にコトコト煮る。それと既に一か月は放置されているゴボウ。一体何を作る気で買ってきたのか?静観しきれなくなったのでゴボウのから揚げ作る。さらに小松菜としめじの煮びたしにアジフライじゃ。と台所で燃え尽きる。
夜は奇跡のドラマ化「銭ゲバ」チェック。あれっ主演は唐十郎じゃないの?と一応言っておく。
でさらにHDDで映画一本。シャリ・スプリンガー・バーマン 、 ロバート・プルチーニ 監督「アメリカン・スプレンダー」観る。病院の書類係をしているハービー・ピーカーは、偏屈でさえない中年男。仕事はおもしろくなく、妻にも逃げられ日々イラついて暮らしている男。趣味はジャズレコードの収集。レコードのガレージセールで知り合ったのがアメリカンコミック作家のロバート・クラム。ハービーは自分の人生を何か残したいと思い立ち、ロバート・クラムに作画を依頼し自分の生活をコミック「アメリカン・スプレンダー」として創刊する。-という話。ハービー・ピーカーは実在の人物で、これはコミック「アメリカン・スプレンダー」の映画化であり、実際のハービー・ピーカーのインタビュー、さらにコミックの画、ポール・ジアマッティハービー・ピーカーを演じるドラマが入り混じる、なんとも複雑な構成で成り立ってる。でも映画はその複雑な入れ子状態を逆手にハービーを立体的に浮かび上がらせる。スマートでシャープな見せ方がおもしろいし、好みだな。偏屈で頑固、悲観主義ではっきり言って変わり者のハービーの半生は「アメリカン・スプレンダー」=アメリカの輝きとは程遠いながらも、病気を克服し家族や仲間と映し出されるラストはこの退屈で憂鬱な世界の中にこそ輝きがあるのだと思わせる。派手な物語なんてのはない、この面白くもない日常こそが僕たちが生きる物語なのだ。彼が作りだした「アメリカン・スプレンダー」はそんなブルーが分母な日常を書くことでハッピーな分子を浮き上がらせた。