日々の泡。

popholic diary

素晴らしきこの世界

土曜。休日。8時起き。朝からHDDチェック。「アメトーーク」の3時間SP(ゴールデン仕様。つまりは薄口。深夜の為のネタ振りとして観るべきか)にフジでやったコント特番。豪華出演陣の中ではしゃぐ爆問・太田氏にだんだん皆が呆れていく様がおもろ。さまぁーず・大竹氏、ココリコ・田中氏、バナナマン・設楽氏のコント職人ぶりがやはり目立つ。
午後は映画を一本。中島哲也監督「パコと魔法の絵本」観る。
原作は後藤ひろひと氏の戯曲。で当の後藤氏がいきなり映し出されるオープニングで既におぉっ!と思う。舞台はとある病院。患者も医者も看護師もみながちょっとおかしな病院。そこでわがままで意地悪なクソジジイ・大貫(役所広司)が一日しか記憶が持たない少女パコ(アヤカ・ウィルソン)と出会い、彼女の為に彼女の大好きな絵本を芝居にしようとする-とそんなお話。ハンパない情報量、極彩色で描く中島ワールド。でも実はストーリーはいたってシンプル。役者達は振り切った演技を見せ、CGを駆使しつつ目一杯虚構の世界を構築しながら、そのド真ん中には「人の痛みを知り、優しさを取り戻す」という王道の筋がある。徹底的にデザインされた作りもの、大ウソの世界。でも最終的に心に残るこの感触。その王道のテーマが今更ながら胸を打つ。っつーかこっちももうおっさんだからね。はっきり言ってこういうのに弱くなった。もう中盤以降涙腺決壊。涙が膝にポタポタ落ちるぐらい。アヤカ・ウィルソンちゃんの天使っぷりは卑怯でしょ。しかし後半の芝居部分での役者さんたちとCGキャラの融合具合。違和感のなさ。これは凄い。突っ込む隙を与えない完璧にデザインされた映像。演出のブレの無さ。中島監督、職人なんだな。そしてもう一人の職人、役所広司。ド虚構の世界に、血を通わせ説得力を持たせる名演。懐深すぎ。あと土屋アンナははっきり言って好きじゃないけど、とても良かった。