日々の泡。

popholic diary

What Time?

連休前、週末、月末。社内はドス黒い空気に満ちているが、ひたすらやるべきことをやる。僕はバカで愚鈍だからな、裏工作や腹の探りあいには興味が無いんだ。愚痴りたいことは山ほどあるが、それはみんなも同じだろう。今は吐き散らす以外のやり方を考えるんだ。愛と叡智とユーモアが必要だよ。全部が足りてないけど、そこに行きたい。そんなこんなで残業もわずかで終了。随分日が長くなった。空は淡い灰色をしている。「人生は乾いたままのコーンフレーク」イヤフォンからそんなフレーズが聴こえる。全くだ。踏み潰され粉々になったコーンフレークが風に飛ばされる。それにしても、真っ直ぐに帰る気がしない。人気の無いフードコートでチキンバーガーとコーラと文庫本。鏡に映った僕の髪に白髪が4本。まったく。こんな日は、一人暗闇の中で夢を見よう。2時間で終わる夢。映画を一本。
マーク・ローレンス監督「ラブソングができるまで」観る。ヒュー・グラントドリュー・バリモア主演のロマンティック・コメディ。らしくないかもしれないけど、ほんとはロマンティック・コメディ大好きなんだよ。ただあまりにもロマンティックとかけ離れた生活してるので、あえて避けてたんだ。でも今年はロマンティックで行くぞー。なんてな。で映画の話。ヒュー・グラント演じるアレックスは、80年代に一世を風靡したバンド(バンド名が“POP”だなんて)の元ヴォーカル。ソロになって大成功を収めているもう一人のヴォーカルと違って、地方の遊園地や同窓会パーティーなんかで、かってのヒット曲を歌って小金を稼ぐ落ちぶれぶり。いまや忘れ去られたポップスター。そんな彼にチャンスが舞い込むも、作詞が出来ない彼は苦戦。そんな時、彼の部屋の植木の水遣りに来た女性ソフィー(ドリュー・バリモア)。ひょんなことから彼女の「言葉」の才能を知るアレックス。そして二人は…てなお話。まぁね。ロマンティック・コメディですよ。もうね、ハッキリ言って大好き!これ。スゲー、ハッピーな気持ちになっちゃったよ。冒頭、いきなり流れる80年代の人気バンド「POP」のプロモビデオがとにかく最高。あの80年代半ばのニューロマンティックなバンドのPVを見事に再現。チープなセットに合成、ださ懐かしい髪型をしたメンバーが歌い踊るダメな感じ(ヒュー・グラントの“腰振りダンス”は必見、ちなみに彼が弾いてるのは「YAMAHAのDX-7」!)、歌いながらのベタな芝居と、いちいちツボ。MTV世代なら爆笑間違いなし。それにしてもヒュー・グラント、やるなぁ。愛すべきダメな優男ぶり。ドリュー・バリモアも…か、かわいいっ!典型的なロマンティックコメディながら、音楽産業への皮肉、そして音楽そのものへの愛、音楽小ネタも満載。原題は「music and lyrics」。実に気の利いたタイトル。エンドロールもまた最高。名作だとも傑作だとも言わないが、キュートな愛すべき映画で大満足。すっかり気が晴れた。そう、先に進もう。