日々の泡。

popholic diary

ブルーバード

11月か。早いもんだ。そういや、このブログ初めて丸2年か。本体であるHP「OFF!!音楽と笑いの日々」は丸8年になる。そっちには98年からの日記が残されてて時々、自分で読んでみることがある。5年前の今日何してたかな…なんて。でも驚くことにまるで成長してない。相変わらず音楽を聴いたり映画を観たり、そしてぐだぐだ言ってる。99年の11月1日は高橋幸宏を聞いてる。00年は仕事で帰れずに大阪のカプセルホテルだ。03年は「KILL BILL」観てる。全く無駄な「自分データベース」。
月の頭はやっぱり忙しいが、どうにか山は越えた。少し、気分がいい帰り道だ。駅からの坂道を下る。ポケットには何がはいってたんだっけ。夢か、希望か、そんなもんじゃなかった。20年前、いつもポケットはやりきれない苛立ちや不安でいっぱいだった。10年前、最後の夢の欠片はコンビニのレシートといっしょにくしゃくしゃになってた。今は何が入ってる?挫折か、絶望か、そんなもんじゃないぜ。まだ、はじまってもいねぇよ。とかなんとか。団地の向こうで星が光る。
DODECAGONで今日もキリンジ。傑作!確信しました。「柳のように揺れるネクタイの」、好きだな。ギターの音、ストリングス。そして「収まるように収まったら/それでいいのか」「使えねぇって言うな」「安上がりでそいつは結構だ」とか吐き捨てるような言葉、その感覚。「Lullaby」、エレクトロニカ・ブルース。最初のフレーズ、メロディから鷲掴みにされる。最後の「〜穏やかな響き」の「き」がいい。そして美しい「Love is on line」が素晴らしい。午前三時の孤独な魂は温もりを求める。嘘っぱちでも、まやかしでも構わない。真夜中を通り過ぎたころその気持ちはピークに達する。その危うさが抜群のストーリーテリングで描かれる。「出会い系」をテーマにここまでロマンティックな歌を作り上げてしまう。このどこか狂った視線がたまらない。それにしてもキリンジ、夜道に似合う音楽だ。
そしてまた数年が過ぎて、僕は06年の11月1日キリンジに痺れていたことを思い出すだろう。