日々の泡。

popholic diary

ミラノの奇蹟

朝晩めっきり涼しくなったな。
今日もよく働いた。きっちり12時間。
それより、今日聴いてたのはメトロトロンレコードの通販限定マンスリーCD「Metrotr-on-line 2006 august」。なんとMio Fou、22年ぶりの新作!Mio Fouとはムーンライダーズ鈴木博文とヴァイオリニスト・美尾洋乃のユニットってここ読んでくれてる人は知ってるか。84年に発表されたファースト「Mio Fou」は、淡い水彩画のような音像を持ったアルバム。僕は88年にCD化された時に初めて聴いたのだけど、ヨーロッパの職人の丁寧な仕事振りをみるような気持ちで音を楽しんだ。フォステックスの8トラック・マルチ・レコーダーで作られたこのレコードは、単なる「音」だけじゃなく、それ以上の「なにか」が潜んでいる。「湾岸スタジオ」の匂い。聴いていると風がふと吹き抜ける瞬間がある。ま、ぜひ機会があればこのファーストも聴いて欲しいのだが、今日は「Metrotr-on-line 2006 august」の話。22年の歳月は、確かに音をよりクリアに現在の響きにしている。美尾さんの歌声やヴァイオリンはより深く芳醇に、でもあの繊細さと危なっかしさの面影が残ってる。そしてなによりこのCDにも「湾岸スタジオ」の匂いが立ち込めてる。そこがとても嬉しい。例えば3曲目「Unicorn」なんて曲は、Mio Fouとしか言いようのない音。ヒリヒリとするエレキギターアコーディオンの響き、川の向こうから風が吹いてくる。22年ぶりに届けられた新作に、こんな風に再会できるんだ。
音楽はずっとあった。僕のそばにはずっと音楽があったし、今でもある。上手くは言えないけど、一度も離れてなんかいない。そういうことだ。