日々の泡。

popholic diary

抱きしめたい

風街ろまん今日は久しぶりに音楽の話。巡回先ブログのあちらこちらで目にする、はっぴぃえんど「風街ろまん」。夏のうちに聴こうと思ってCD棚から引っ張り出す。オリジナルは71年11月発売だから、35年前か。僕はまだ一歳になってない。
日本の夏。なんて特に意識したこと無かったけど、朝の日差しとアスファルトから立ち込める湿気を帯びた空気にまとわりつかれながら聴いてたら「日本の夏」が浮かび上がってきた。日本の気候、この夏のやるせない暑さに根ざした音楽なんだなと思う。一番古い夏の記憶ってなんだろう。まだ埃っぽい舗装されてない道、蝉の鳴き声、蚊取り線香の匂い、網戸を抜ける風。21世紀になってもやっぱり夏は暑い。アスファルトに覆われた道、蝉の鳴き声はアブラゼミ、カトリスから目に見えないなんかが噴出してる、窓を閉めた部屋にはクーラーから涼しい風。それでも、この夏の感覚は変わらない。どこまでいってもギンギンギラギラの太陽だ。そしてどこか湿気を帯びた大瀧詠一細野晴臣の歌声は、もはや夏の一部なのかもしれない。
しかし改めて松本隆の詞を聴いてみると、やけにいいな。目に映る風景と、心に映る風景がふっと入れ替わるような感覚。覗き込んだ胸のうち、その先に広がってる宇宙。手だれの表現とは違う青臭い輝きが、とても眩しい。