日々の泡。

popholic diary

ダイヤモンド・ベイ

それでは昨日のことから。開場の30分ほど前に拾得に到着。既にいらしていためんちかつさん(id:nota10)にどーもどーもとご挨拶。いろいろ立ち話してるうちに予定より早めの開場。いい席が確保できた。めんちかつさんに教えてもらってけすいけさんにご挨拶。ネット上ではもう随分前から知り合いではあるし、ライブ会場でも何度も遭遇してるはずだが、今まで面識はなくって、今回初対面。どーもどーも今後ともひとつなどといった感じで。
でライブスタート。まずはラリーパパ&カーネギーママのチョウ・ヒョンレ氏。髪を切って、やけにこざっぱりと。まさに関西系のどこかユーモア漂うMCがいい味出してる。もちろんその歌声もいい味わい。ゆったりと聞かせる。バンドの印象が強いんだが、この弾き語りスタイルもどんどん数こなしていけばさらに熟成されるだろう。で続いて二階堂和美。名前や評判はよく聴いてたんだが、実際音を聴くのは初めて。かわいらしいお嬢さんなんだが、これが唄い始めると七色の顔、いや「七色の声」と言いますか、時にかわいく、時にブルージーに、時にぶっとくとその声の多面性にまず驚かされた。ギターを爪弾きながら踊るように歌う姿にとても自由な心を感じた。数曲終えたところで呼び込まれたゲストがなんと渋谷毅(!)一見、単なるおっさん(失礼)なんだが、やはりピアノを弾きだすとめちゃかっこいい。渋谷さんのピアノもまた軽くて自由で、二階堂さんの歌にマッチしていた。
で直枝さんの登場。いきなりの「夢は果てしなく(a dream goes on forever)」に魂鷲掴みされる。予想外の選曲だが、もう大好きな歌なのでとても嬉しい。アコースティックギター一本で、搾り出すように唄われる歌。一つ一つの言葉が身体中に響く。続く「幻想列車」「ハイウェイ・ソング」。バンドの音を聴いてきた限りは、これは弾き語りできないだろって普通思うんだが、もう弾き語り用に作ったんじゃないの?って思うぐらいにはまっている。とにかく直枝さんのギターと歌、テクニックと言う部分だけでもとんでもないのである。そしてそれを上回る歌心にやられちゃうんだ。来るべきニューアルバムに収録の「オフィーリア」、そして拾得ならではのカバーナンバー「ラッキー・オールド・サン」。音の響き、言葉の伝わり具合、いまこの現場にいることが奇蹟に思える。一回目のアンコール「ダイヤモンド・ベイ」では冗談抜きで涙チョチョ切れた。音楽に光を見ることがある。一曲目の「夢は果てしなく」もそうなんだが、ちょうど今の自分に心境に怖いぐらいシンクロしていて。直枝さの歌は、通り一遍の答えをださない。わかりやすくて、お行儀が良くて、きれいな言葉が並ぶようなうそ臭い「答え」ばかりが歌われる中、直枝さんの歌は現在進行形で悩み苦しみもがいている。そしてそれだけじゃなくて、その中に喜びや一筋の光があることも唄っている。決して答えなんてない。それでも続く人生を、もがいてもがいてもがきながら、小さな喜びや笑いを大切にし生きていく。不器用で不細工だけど、これは僕の歌だと思える。直枝さんが自分の中にある本当を歌うとき、それは普遍的な輝きをもって、聴くものの魂に触れるのだ。
「たとえば今/悲しい気持ちならば/あの星空の下にでかけてみないか/今/答えがないのならば/あの星空の下にでかけよう」(ダイヤモンド・ベイ)
僕はこの時、確かにこのフレーズに光を見た。
で二度目のアンコール、ラスト「PARADISE EXPRESS」。この曲をまさか弾き語りで聴けるとは!とにかく大満足のライブだった。
で今日の話。そして人生は続く。僕はやっぱりもがいてる。それも含めて抱きしめようと思う。
なんて、久々にロマンティックに締めてみました。ま、こうして自分に言いきかせてるんだけど。