日々の泡。

popholic diary

ダミー

滋賀会館シネマホールの唯一の難点は、最終上映時間が早いということ。けど今週はいつもより少し遅め。で7時過ぎに会社出たら間に合ってしまったもんだから、ついつい観ちゃう。
デイヴィット・クローネンバーグ監督「ヒストリー・オブ・バイオレンス」観る。クローネンバーグ監督のことは実際あまり知らないのだが、昔からなんとなく「ド変態」というイメージがある。いや、これは映画監督にとって「品行方正」なんかよりよっぽどの褒め言葉なんだが。で映画だが、あるアメリカの田舎町でダイナーを経営する平凡な男・トム(ヴィゴ・モーテンセン)。彼は弁護士の妻と二人の子供と幸せに暮らしていた。ある日、事件は起こる。そしてその事件をきっかけに、トムの消し去ったはずの「過去-それはまさにヒストリー・オブ・バイオレンス」が浮き上がってくる--って話。目に見えない恐怖、実感のない不安が人間の中にある狂気、闇を呼び覚ます。これがもうね、昨日の「GOAL」とは正反対。全く予想できないスリリング極まりない展開。「1+1=ペペロンチーノ!」と予想だにしない答えが返ってくる。ラストに至っては「…ぇえ…」と情けなく声をあげてしまうような後味の悪さ。がこれぞ映画!映画的興奮を存分に味わえる傑作だ!ネタばれになるからほとんど何も言えないけど、デヴィット・クローネンバーグ、あんた「ド変態」だよ(最大級の褒め言葉)!