日々の泡。

popholic diary

ルネッサンス

寒くなってきたな。朝起きるのちょっと辛い。
なんだか、今日も追われる仕事だったな。でも7時過ぎには終了。でユナイテッド・シネマ大津に寄り道。
TAKESHIS’北野武監督「TAKESHIS'」観る。「難解」「理解不能」などと評されてるが、果たしてそうなのか。感想言うと、これはもう紛れも無い「北野武」そのものじゃないか。現実と夢が交差する云々よりも、むしろここまで吐露しちゃうんだ!とグッときた。タイトルに偽り無し。浮遊するイメージの連鎖、だがそれはリアルな悪夢のような手触り。強烈な飢餓感と虚無感、孤独をこじらせて死んでしまいそうな夜を過ごしたことがあるなら、間違いなく共感できるだろう。縄文人が洞窟の中で描いた壁画のように、自分の内面を徹底的に見つめて描かれた芸術。難解というよりも根源的。ラディカルの言葉の源は、ラディッシュだそうだ。大根やかぶのこと。根源的ということはラディカル、過激だということだ。破壊への衝動。執拗に映される銃の乱射シーン、これはたけしにとってのダンスだ。地位、名誉、金、女…あらゆる俗を飲み込んで、背負い込んで、なお根源を見つめ激しくダンスする男。超私的であり、史的かつ詩的な映画。やっぱ、この人、最新作が最高作だと思うな。
異色作というか、この手の作品が少なすぎるだけじゃないか。映画ってエンタティメントという側面だけじゃなくて、内的宇宙の表現という面もあるだろう。
あっ、それと「不器用なウッディ・アレン」って言葉が思い浮かんだな。