日々の泡。

popholic diary

いつも通り

まずは昨日の話から。NHK「夢・音楽くらぶ」ゲストは大貫妙子。本当に素敵な歌声。初めて彼女の歌声を生で聴いた時、その崇高な光のような歌声に鳥肌がぞぞぞぉっと立ったのに自分でもびっくりした。もう一人のゲスト、一十三十一は最初、ラジオで「DOWN TOWN」という曲を聴いた時「あっ大貫妙子に似てるな」と思った。ちょうど一週間ほど前、僕の好みを知ってくれているディレクターさんから「タツローのカヴァー曲入ってるよ」と彼女のアルバム「Synchronized Singing」を聞かせてもらって「彼女は大貫妙子の影響を絶対うけてますよ」と話してたところだったので、まさにビンゴ。
でやっと金曜。いきなりだけど夜の話。6時半退社して足は滋賀会館シネマホールへ。大谷健太郎監督「約30の嘘」観る。土田英生率いる劇団MONOの舞台劇の映画化。この舞台、96年初演を観ている。ここんとこ行けてないがMONOはずっと好きで、一時は毎公演追っかけてた。で映画は列車という密室で繰り広げられる詐欺師チームの会話劇。どう映画化するの?と思ってたが、いやお見事。大作!では全然ないがちょっといい小品って感じで。舞台との違いは恋愛感情の要素が加わってるとこで、その部分がいい。これは脚本チームに加わった渡辺あやの力に拠るのでは。一応、謎解きの要素もあるがこれは「関係」のお話で、「嘘」の中にある正直な感情のひだが繊細に描かれている。会話劇だから役者がポイントにならざるをえない訳だが、実にいいバランスでアンサンブルがとれていてそこは凄く安心して観れたな。中谷美紀、女優としては全く関心なかったけど、ここでの彼女はすこぶる良し。椎名桔平もはじめていいと思った。個人的には実に情けない男を演じた田辺誠一に注目。このままハンサム怪優路線で突き進んで欲しい。そうそうクレイジーケンバンドの音楽も最高なんだよ。ばっちり合ってた。
SONGS通勤の音楽は昨日の影響でシュガーベイブ「SONGS」。75年作のこのアルバム、当時僕は5歳でもちろんこのアルバムのことなど知る由も無い。シュガーベイブのことを知ったのはここから10年後で実際に「SONGS」を聞いたのはさらに3年、18歳の時だった。何回聴いても新鮮で青臭くてキラキラしてるアルバム。言い過ぎかもしれないが、「DOWN TOWN」なんて曲を聴いてると、いまだこの曲を越えるシティ・ポップスは作られてないんじゃないかって気がする。いい音楽は30年たっても色あせない。マーケットはいつでも誠実な音楽に不親切だが、こうして時間がその誠実さを証明してくれる。このアルバムは100年たっても輝きを失わないだろう。
で帰って、テレビで「空中ブランコ」。ハンサム怪優・阿部寛主演。堺雅人遠藤憲一松重豊にチョイ役で西川忠志とまた凄いキャスティング。演出にコメディーセンスがないのが厳しかったが・・・。