日々の泡。

popholic diary

20歳の頃

popholic2004-12-05

朝9時起床。テキトーな朝食を済ませ、車に乗り込み滋賀県立美術館へ。
「YES オノ・ヨーコ展」観にいく。特別、ビートルズジョン・レノンのファンという訳でもないし、もちろんオノ・ヨーコについて詳しいわけでもない。でもどうしても観ときたかったんだよね。何に惹かれたかというとそのタイトル。「YES」この一言に駆り立てられた。入るといきなり飛び込んでくるのが、あの「天井の絵/イエス」。昔、ジョン・レノンを描いたドラマで見たあの作品だ。この梯子をジョンは昇ったんだ・・と思うとさすがに興奮する。前衛芸術はよくわからない。でもここにあるオノ・ヨーコの作品を観て感じたのは、自分でも意外だが「愛らしさ」だった。なんだろう、「肯定する」力に溢れていて「光」を感じる作品は、難しいというより愛らしいと感じた。まさに「YES」。この時代だからこその、この言葉。何度も自分の中で繰り返してみる。「YES」とてもいい響きだ。
で帰って次は大学時代からの親友Kがフォルクローレのバンドをやっていて、大津でコンサートをやるからと案内もらっていたので行ってみる。フォルクローレやヨーロッパ、アイリッシュの音楽。ポップミュージック専攻の僕としては、門外漢な音楽なんだけど、とてもアットホームな雰囲気で十分楽しめた。こうして音楽を続けている友人の姿を観るのも元気づけられる。
でお次は映画。今日も滋賀会館シネマホールに行ってしまう。チョン・ジェウン監督、ペ・ドゥナ主演「子猫をお願い」を観る。高校時代からの親友、テヒ、ヘジュ、ジヨンそして双子のピリョとオンジョの5人の女の子。20歳になった彼女達は友情を大切にしながらも、それぞれが社会の一員としてそれぞれの世界で暮らしている。窮屈な家庭の中で自分の居場所が見つけられないテヒ、年老いた祖父母を抱え、生活することさえままならないジヨン、大企業で働く野心家のヘジョ、彼女達は夢と現実の狭間でそれぞれの悩みを抱え、やりきれなさを募らせていく。5人の友情はやがて崩れていく。ドラマティックなストーリー展開があるわけでもない。韓国の今を生きる女性の等身大の姿が、丁寧に描かれる。爽やかな青春映画ではない、青春はいつかは終わるという、ほろ苦い映画だ。テヒを演じるペ・ドゥナを始め女優達が皆いい。脚本・監督のチョン・ジェウンも女性だそうだが、実に繊細な作品。ふともう会わなくなってしまったかっての友人達のことを考える。それぞれがそれぞれ別の人生を生きていく、その中で人と人は交わり離れていく。永遠の関係なんてどこにもない。大好きだった人の顔さえ、いつかは忘れてしまう。ありふれた話。悲しくはない、ちょっと切ないだけだ。