日々の泡。

popholic diary

愚か者、走る

金曜。休み前ってこともあって忙しいながらも気持ちよく仕事を片付けて退社。
帰りに映画を一本。ジョエル&イーサン・コーエン監督「バーン・アフター・リーディング」観る。もういかにもコーエン兄弟!皮肉に満ちた人間悲喜劇。なんか爆笑コメディ!アホ映画みたいな宣伝されてるけど、全然そんな映画じゃないので逆効果だろ。人間を描くとそれはすべからずコメディになる。どんな切羽詰まった状況でも俯瞰で見たらもう笑うしかないのだ。
ですっかり間が空いてしまったがカーネーション@心斎橋ルイードの覚書を。
矢部さん脱退のニュースは、さすがに堪えた。最初期からのメンバーでカーネーションの屋台骨を支えていた矢部さんが抜ける。ついに二人になったカーネーション、一体どうなっちゃうの?と誰もが思った。その答えをしっかり音で返す。やっぱりこれはカーネーションの流儀。3人になった時もそうだったな。いつだってそうだ、カーネーションは。どんなに傷ついても、いくら倒れても、砂を掴んで立ち上がる。そんなバンドなんだ。中原由貴さんのドラムソロでライブはスタート。中原さんのドラムは、重く楔を打ち込むような矢部さんのドラムとは違って、砂埃をたてて突き進んでいくような勢いがある。そりゃ20年以上にわたって慣れ親しんだあのドラム、そう簡単に忘れられるわけもないけど、それでもカーネーションは新しいエンジンを積んでまた走り出すんだな。「頭の中の傷」。靴底のファーストアルバムで一番好きな曲。「春の風が吹き荒れているよ」「Walk on」「ローマ・函館」etc.あっ、このポップな感じ。一筋縄でいかないYOUNG WISE MENが奏でるギターポップ。「ジェイソン」の不器用な軽やかさ。うん、中原さんのドラムがとても合ってる。どんな苦境も必然だと思わせる。いや必然なんだ。「ごきげんいかが工場長」。螺旋を描いて昇っていくように、また新しい歴史が始まるんだな。