変則的ですが、昨日のライブ話を。
(以下ネタばれ必至。ご注意を)
さてTOUR'08“Captain and First Mates”鈴木慶一guest曽我部恵一@心斎橋クラブクアトロの話。
入場してまずは「ヘイト船長とラヴ航海士」アナログ盤(WK1サイン入り)とツアーTシャツ買って開演を待つ。ステージではスタッフがチューニングやらなんやら準備。眼鏡をかけたぽっちゃり体型のスタッフさんがギターをチューニングしはじめたなと思ったら、客電が落ち聞き覚えのあるイントロが。スタッフさんかと思いきや曽我部恵一、エレキギター弾き語りの「スカンピン」でライブスタート。いきなりの熱唱。これは熱いライブになりそうだ。
曲終盤からぞろぞろとメンバー登場。バンドメンバーはドラム・ピーすけ、ベース・伊賀航、そしてキーボードに上野洋子(!)。初生上野洋子さん。20年前と変わらぬ美しい歌声そして美貌。ちょっと、いやかなり得した気分。そして曽我部恵一もがっつり参加。
「スカンピン」に続いては「Sukanpin Again」。わかっていてもグッとくる。前半は完全バンド仕様のハードロッキンな演奏でどんどん進む。慶一さんはキーボード弾きながら、ギター弾きながらの熱唱。僕より20歳も年上だとは思えんタフさ。曽我部恵一はいつもながらいい顔して演奏するなぁ。で曽我部恵一曲を数曲。最初に披露したのはなんと「魔法」。日本ロック史に残るキラーチューンじゃないか。慶一さんのソロも飛び出すキーボードプレイがカッコイイ。そりゃなんつっても「はっぴぃえんど」のライブにピアニストとして参加してた人。ロックピアニストの最初の一人だもんね。メンバー掃けて、曽我部恵一一人で弾き語ったのは、はちみつぱいの「僕の倖せ」。メロウなヴォーカルがなんともいい。中盤、煙草を吸いながらステージに現れた慶一さん。壁際でタバコを吹かし、ラヴ航海士の歌を聴くヘイト船長の図。
ここからはCaptain Hateの独壇場。前半のバンドサウンドを飲み込む、狂気交じりのサイケデリックな航海が始まる。ただただ圧倒的な音世界。ノイズの荒波を錨を引きちぎらんばかりに進む船。そこにいるのはまさにCaptain Hate。鈴木慶一の凄みをまざまざと見せつけられたなぁ。参りましたという感じ。やはり鈴木慶一タダモンじゃない。っていまさら僕がいうことでもないが。
アンコールは「煙草路地」から「センチメンタル通り」へ。お見事。ツアー大阪が初日なんだけど、これ最終日にもう一回見たいなぁ。どこまでいっちゃうんだろうって思うよ
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「髭と口紅とバルコニー」(本日2本目、通常日記です)
9時起床。ゆっくり朝食とってお掃除。部屋でのんびりアナログ盤「ヘイト船長とラヴ航海士」聴く。もうこのジャケットのでかさよ。見開きだもんねぇ。持ってるだけで嬉しいが音も最高。中学生の時みたいに、歌詞カード広げじっくり聴きこむ。
聴き終わって居間に戻ると、ソファに座った妻と娘とクロが、「でお昼、何作ってくれんの?」だって。…なんやねん。冷凍のうどんに買ってあった油揚げを甘辛く煮て、きつねうどんの出来上がり。
で娘は友達のとこに遊びに行っちゃったので、珍しく妻と映画観に。滋賀会館シネマホールで三木聡監督「転々」観る。
前作「図鑑に載ってない虫」は尋常じゃない量と質の小ネタをぶち込んだ小ネタものの集大成だったが、今作は完全にネクストステージに突入。はっきり言って傑作。良すぎてびっくりした。借金を抱えた大学8回生の文哉(オダギリジョー)、借金取りの謎の男・福原(三浦友和)が、ひたすら東京を歩く話。テレビじゃ見ることのない「いい顔」した東京の街。はかなく消えていく風景、思い出、大切なものを見つめる二人。受け入れるでもなく、拒絶するでもなく、ただ歩く。そこにあるのは郷愁なんかじゃない。なんだかなぁ、しょうがないねぇとやるせなく呟く胸の内。福原が言う「思い出の場所の半分はコインパーキングになってる」は名セリフ。この三浦友和が素晴らしい。どこか胡散臭く、可笑しくて、暖かい。この映画の魅力はまさに三浦友和の魅力とも言える。笑いながら、軽く胸が締め付けられる。そのセンチメンタルのさじ加減。終わらないでほしいと思ったな。それと当然、岩松了、ふせえりコンビ(+松重豊)も登場。笑わせてくれますよ。あとまさにThis year's girlな勢いの吉高由里子ちゃんに目が釘付け。かっかわいすぎる!そして音楽のことは言っとかなきゃダメでしょ。劇中のいいとこで流れるのは鈴木慶一「スカンピン」。もうビンゴ!って感じ。さらにエンディングに流れる主題歌はこれまた鈴木慶一「髭と口紅とバルコニー」!最近の邦画はエンディングに流れる最悪のテーマ曲(代理店とレコード会社がほくそえんでるのが見え見えのクソソング)に映画台無しっなんてことも多いが、これは最高だったなぁ。「髭と口紅とバルコニー」の世界が謎の男・福原のテーマソングのようで、実にはまってるんだ。ライダーズファンも必見。