日々の泡。

popholic diary

Cool Dynamo,Right on

今日もバタバタ。午後から会議でそのまま懇親会。知り合い見つけて端っこの方で飲む。大人な感じで硬軟交えて世間話。…疲れる。世間話ってやつがどうも苦手だ。会社なんかであまり懇意じゃない人と何気なく話して間を持たすなんてのがダメ。何を話せば間が持つの?と焦ってしまう。天気の話してもどーもだし。野球とかゴルフとか車の話なんか振られた日にゃ、まったく引き出しがない。自分の引き出しに入れてるものは世間話向きではないとは薄々気付いてたが、さすがに30過ぎてそれはさらに強まってる。引き出しの奥の宝物は、世間的にはガラクタだってことか。
で僕の宝物ムーンライダーズを今日も聴いている。ここ最近のアルバムは、一曲一曲が積み重なりアルバム全体で強烈な世界観を作り上げるような印象だったが、今作は一曲、一曲が単独に「いい曲」である。もちろん、ライダーズだから、「いい曲」ってもロマンティックだったり、キンキーだったり、一筋縄ではいかないが。慶一-岡田コンビ作の憂いを秘めたメロディー、情けなさを通過した男の切なさと悲しみと強さを持った詞と歌声に、痺れる。ライダーズには様々な魅力があるが、僕はやっぱりこの文学的なロマンティックさに一番惹かれてる。今思えば中学生の時からずっとそうだ。白井曲はやっぱりヤンチャだし、かしぶち曲はエロティックだ。博文曲は乾いた響きがやるせなく果てしない、武川の弾くヴァイオリンは胸の奥に共鳴する。慶一曲は川の始まりの一滴に触れる。そしてこれらの曲が揃って、ムーンライダーズになる。
それにしても鈴木慶一の詞は、もはや前人未到の域。「優しくて骨の無い男」だった30代を通過し、黒いシェパードを携え、覚悟を胸に歩いてきた男が吐く「月が消え/朝が来る/この世はカスだ/飲み直そうか/いろんな男/いるけれど/俺はましなほうだろう/どうだい」。痺れる。