日々の泡。

popholic diary

3a.m. Op

結局、昨日も夜更かし。こんな感じで…。
川上弘美センセイの鞄」読了。清潔で凛とした文章。でも固くなくって自然な柔らかさがある。嫌味のない正直さに無理が無い。孤独な魂にそっと灯りがともるような作品。好きに決まってるでしょ、こういうの。なんせ「俺の基準は切なさ」だからね。
「〜小学生のころ、私はずいぶんと大人だった。しかし中学、高校、と時間が進むにつれて、はんたいに大人でなくなっていった。さらに時間がたつと、すっかり子供じみた人間になってしまった。〜」と主人公が思う場面がある。その感覚が凄くわかる。子供の頃、まわりの皆が“コドモ”に見えた。なんでそうなの、バカじゃないの?ってぐらいの感覚だった。それがいつからだろう、気がつくと、まわりの皆が“オトナ”に見えた。えっ、どうしてみんなそんなに大人なの、しっかりなんでも出来て、分別があって、悩むことなんか無いみたいな顔して。僕は相変わらず「頭の中はドタバタ考え中」で、いつまでたっても大人になりきれないままでグズグズしてるのに。
Chocolat&Akitoのアルバムを聴く。このアルバムについて、多くの人が「幸せに満ち溢れた」アルバムって評してる。でも、僕にはそうは聴こえなくって、聴けば聴くほど「痛み」を感じる。何かを手に入れれば、何かを失う。幸せにはいつも痛みが伴う。痛みを感じないぐらい鈍感だったらいいのだけれど、変なとこだけ感じすぎてしまう。満たされることなんか、ありえないことに気づく。二人の歌声は、確かに穏やかで幸せそうに聴こえるが、それ以上に消すことの出来ない切なさに満ちている。そんな風に思う。
と続けて友達が貸してくれた陸奥A子の漫画を読了。はい、そうですよ、好きな世界ですよ。
以上、「秋のセンチメンタル祭り」な夜の過ごし方でした。
で朝、8時起床。妻と娘は近所のチビッコ&奥さん軍団でキャンプへ。コテージを借りてるんだとか。そんなわけで今日、明日は1人留守番。
朝から、ちょっと仕事絡みのイベントに顔出す。ちょっとのつもりが結局、いろいろお手伝いしてる内に2時。急いで帰って滋賀会館シネマホールへ。田中誠監督、鳥肌実主演「タナカヒロシのすべて」。なんだろう、無駄に豪華なキャスティング。昭和のいる・こいる師匠まで出てた。ま、話はなんてことのない感じで、微妙な間のずれ具合が「オフビート・コメディ」ってことなんでしょうか。こういうのは評価しようないですね。好きか嫌いかってだけで。ま、「セカチュー」よりは断然好きなんですけど。そうそう、音楽はイチイチ良かったですよ。
で帰って洗濯物取り入れてると、いつもの猫が二匹。はい、はい、わかりましたよと餌とミルクを出してやる。彼ら(彼女らか?)が来るようになって、我が家には猫の餌が常備されるようになった。しかし、僕のご飯は常備されていないのでスーパーに買い出し。夕方のスーパーで30%引きシールのついた「ししゃも」などを購入。えーい、今日はデザートにモンブランプリン買ってやったぞ。
で夕食は作るの面倒になって簡単に。冷凍庫にあった残り物の牛肉で1人焼肉だ。ちゃんと「もやし」も買ったし、ま、焼肉というか「肉入りモヤシ炒め」定食なんだけど。
で食べて、風呂入って、また映画館へ。ユナイテッド・シネマでレイトショー。ロバート・ロドリゲスフランク・ミラー監督作「SIN CITY」観る。いや、これが滅法おもしろい!っつーかエゲツない。フランク・ミラー作のコミックに惚れこんだロドリゲス監督が、映画化を拒み続けてきた当のフランク・ミラーを共同監督に、コミックの世界をまんま映画にトランスレーション。黒と白のコントラストくっきりの色彩に鮮烈なパートカラーが差し込まれる、ドクールな映像。まさに動くアメコミ。“罪深き街”を舞台に複数の逸話が交じり合い進むハードボイルドなストーリー、愛とロマンティシズムを根底に、やりすぎなバイオレンスが息つく間もなく繰り広げられる。これぞ映画!的な作品。それにしてもジェシカ・アルバは色っぽいなぁ。最強の殺人マシーン・ミホを演じたデヴォン・アオキもめちゃめちゃクールでバイオレンスでカッコよかった。当然のR15ですがレイトショーで観るには相応しい映画だったな。