日々の泡。

popholic diary

生きる

今日は朝から大阪へ。一件商談を済ませて午後は休みをとる。なにしろ代休が1ヶ月休めるぐらいたまってるのだ。
地下鉄谷町線に揺られ、文庫本を読んでると以前の会社に勤めていた頃のことを想い出す。大学を出て10年間、毎日こんなふうに通ってた。もし、あのまま転職せずにいたらどんなだったろう?人生に「if」はないけど、ついつい考えてしまう。
梅田で600円のランチ。ハンバーグと鮭のフライ、ご飯に味噌汁という典型的なサラリーマン食。
午後から試写会へ。ウディ・アレン監督「さよなら、さよならハリウッド」。ウディ・アレン監督作を初めて観たのは、18歳の時、「カイロの紫のバラ」だった。ビデオを借りてきたその日に、感激のあまり2回観た。それからビデオショップに置いてあったウディ・アレン監督作は全部借りた。「アニー・ホール」「スリーパー」「マンハッタン」「ブロードウェイのダニーローズ」「ハンナとその姉妹」「ラジオディズ」etc・・・。今まで観た映画で、一番好きな映画は?の問いには「世界中がアイ・ラブ・ユー」と答えている。大学生の頃、授業をさぼって視聴覚室でウディ・アレンばかり観てた。秋から冬になる季節、グラウンド横の並木道を歩く時、僕はウディ・アレンになったつもりでいた。わがままで、自信家で、そのくせ小心で、神経質で皮肉屋で・・そんなアレン演じる典型的な人物と自分を重ね合わせてみたり。でもアレンと僕の大きな違いが一つ。アレンはモテモテだが、僕はまるっきりモテなかった。ま、そんなことはさておき、この「さよなら、さよならハリウッド」でありますが、「ウディ・アレン!」としかいいようのない映画。セルフパロディというべき、落ちぶれた神経症の映画監督を演じるアレン。もうそれだけで、ウディ・アレン!としか言いようがないでしょ。そして三谷幸喜脚本みたいな(いや、三谷がウディ・アレンみたいなんだが)ドタバタな展開の末、ラストのなんというハッピーさ!ハリウッドの映画産業を思いっきりシニカルに描きながら、原題「HOLLYWOOD ENDING」が相応しいエンディングに拍手。
で後は試写会場と同じビルにあるジュンク堂書店をウロウロ、そしてタワー梅田店でウロウロ。休みとっても、結局これかよ!と自分に突っ込む。しかしあいにくの金欠状態何も買わずに大津へ戻る。
まっすぐ帰ると見せかけて、滋賀会館シネマホールに行っちゃう。ウォルター・サレス監督「モーターサイクルダイアリーズ」観る。チェ・ゲバラの若き日を描いた作品。医学生だったエルネスト(後のチェ・ゲバラ)は親友アルベルトと南米大陸横断の旅に出る。ロードムービーであり、青春映画であり成長物語であり、ちょっと胸が熱くなっちゃった。誠実で真っ直ぐで不器用なエルネスト辿り付く町々で出会う、弱き人々。様々な体験の中、エルネストは自分がすべきことは何かを見つけていく。エルネストを演じるガエル・ガルシア・ベルナルがとにかくいい。青春映画として十分に楽しめるんだけど、同時に「生きる」ってことの意味を考えさせられる映画。
仕事休んで、こんなにプラプラしてていいのか、俺は。なんたるボンクラぶり。僕がすべきことって一体何なんだろうと考え込んじゃう。