日々の泡。

popholic diary

映してながめる

昨晩は松本隆が出た「情熱大陸」やらNHKでやったFMラジオの特番やらチェックして、布団に入って「深夜食堂」読む。やっぱり好きな世界だなぁ。で今朝は8時半起き。妻も娘も用事で出かけたので、午前中は映画観に行く。さすがに「ヤッターマン」は親子連れでいっぱいだったので、隣のスクリーンで真田敦監督「ホノカアボーイ」観る。こちらは客3人。
ワイ島にある小さな町・ホノカア。そこで映写技師見習いとして働く玲雄。料理上手のおばあさんビーをはじめ彼をとりまく人々との暖かい交流を描く-ってな話。原作は吉田玲雄さんのエッセイ。刊行された時、川勝正幸さんが絶賛してたのでずっと気になってた。映画に合わせて文庫になったので買っておいたがまだ読んでない。
で映画は意外と良かった。ホノカアの風景と美味しそうな料理。ハワイから想像するギラギラした感じはなく、透き通るような映像とゆっくり流れる時間が心地よい。ま、はっきり言ってふと滲む広告代理店臭に若干興醒めするとこもあるにはある。ポスターに名前出すためだけのカメオ出演は要らないから。そこはもっと作品にプライド持つべきだと思う。ま、今回は大目に見とこう。って何様だ。
でいかにもな雰囲気映画になるギリギリのとこで踏みとどまったのは(時々踏み外してたけど)、役者陣の力によるところが大きいと思う。主演の岡田将生君はあまり色がついてなくて、今だからこそできる役で悪くないが、何と言ってもビー役の倍賞千恵子さんが素晴らしい。とにかく可愛げがあって、佇まいがホノカアの風景に見事に溶け込んでいるのだ。そして助演男優賞ものの喜味こいし師匠。いい感じに太った松坂慶子正司照枝師匠。出てくる大人たちがみな可愛げがあって素晴らしい。雰囲気だけに流されそうなところを、彼らの存在が、彼らの顔の皺が、深みをもたらせた。あと一つ。長谷川潤ちゃんの“お尻”にはドキュンとやられた。