日々の泡。

popholic diary

すべて時代のせいにして

今日は外回り。めちゃめちゃ天気いいな。昼は駐車場に車止めてコンビニで買ったカップラーメン。ってくるとこまできたな、おい。ま、当然仕事も成果上がらず。
そんなことより昨日の映画の感想を。若松孝二監督「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」。
3時間10分。まさに力作。時代は60年代。学生運動が激化していく様をまずはスピーディに見せていく。過激な活動に走っていく赤軍派と革命左派が連合赤軍を結成。山中での軍事訓練が始まる。ここからカメラは徹底的に次第に狂っていく若者たちの姿を映しだす。かって活動中に敵前逃亡していた森恒夫は、主要幹部たちの逮捕によって棚ぼた的にリーダーになったような男。それゆえに恐怖政治を敷いて暴君として君臨する。ひたすら冷徹な永田洋子とともに一人、また一人とメンバーを追い詰め暴力による総括を行っていく。ギリギリの精神状態の中で革命を夢見た青年たちは、革命とは程遠いリンチ殺人を繰り返す。自分で自分の顔を殴るように指示され腫れ上がった顔のまま死んでいく遠山美枝子をはじめ、その死は凄惨を極める。そして行き場のない終わり。あさま山荘への道程。
いや、そりゃしんどい映画だった。肩にずっと力入ったまま。でも目を逸らすことができなかった。監督の描ききってやるという本気ぶりと冷徹な眼差しのバランス。針は振れながらも救いのない結末まで一気に進む。はっきりいって彼らに共感できるわけもないし、正直まったく理解もできん。革命と言いながらやってることは強盗に殺人。あさま山荘に立てこもり警察と銃撃戦を繰り返すさなか、クッキーを食べたメンバーに自己批判を求めるその滑稽さ。どーでもええやろ!と普通はツッコむ。二十歳そこらの若者たちの狂気は歯止めが効かず、そのトンマさをツッコむことさえできなくする。あさま山荘の外から「○○ちゃん」と母親に呼びかけられる自称・革命家たち。その現実。
70年生まれ、安全な映画館の椅子の上で、スクリーンを見つめる37歳の呑気な男には理解できなくて当然か。世代でひと括りできるってもんじゃないけど、どっかこの学生運動全盛期に若者だった世代に不信感あんだよね。だって資本主義のおいしいとこ全部取ってやり逃げた世代でもあるんだもん。
で話を映画に戻すととにかく凄味のある映画。目、見開いて観とけって言うような。楽しめるなんてもんではまるでないけど、必要な映画だと思う。明らかに3時間10分、胸の鼓動が速くなってた。様々な感情が溢れて観終わった後にはぐったり。それだけの強さがあったのだ。
あと、遠山美枝子を熱演した坂井真紀にはお疲れ様と言ってあげたい。それから永田洋子を演じた並木愛枝がもう憎々しくってね。凄い女優さんだな。それとジム・オルークの激渋な音楽が素晴らしい。
うーん、映画としての感想になってないなぁ。