日々の泡。

popholic diary

2025年7月5日~11日の話。

2025/7/5

土曜。休日。やっと映画館に行ける。しかし暑い。京都まで出てまずはMOVIX京都でウ・ミンホ監督「ハルビン」観る。1909年、中国・ハルビン伊藤博文を銃撃した安重根の物語。歴史的な事件を描く韓国近現代史映画。安重根は韓国史上ある種の英雄ではあるが、その物語はスカッと爽やかな英雄譚にはならない。その過程で様々な葛藤に苛まれながらも、信念の下、そこに向かっていく主人公。彼を取り巻く仲間たちも極限状態での戦いの中で同じ志を持つ者同士でありながら疑心暗鬼が生まれ、騙し合い探り合う。歴史の重要な1ページだが、そこに関わった者たち一人一人が単純な駒ではなく苦悩や葛藤を抱えた人間である。スタイリッシュな映像ながら物語は暗く重い。主人公を演じるのはヒョンビン。そして脇を固めるのがパク・ジョンミンチョ・ウジン、ユ・ジェミョンと鉄壁の布陣。寡黙でストイックな主人公の代わりに、脇を固める彼らの人間味あふれる物語が映画に奥行きを与える。物語が物語だけに反日映画などといわれてしまうかもしれないが、そんなクソ単純な話なわけがない。命を懸けてまでも抗う者たちの想いに国は関係ない。今もなお世界中に理不尽な暴力や権力者の横暴に抗う者たちがいる。

京都の暑さを感じながら徒歩移動で京都シネマへ。まずはその前に少し遅めのランチ。駅地下で天丼のランチ。ご飯の量が少ないっ!まぁいい。

で続いては青柳拓監督「選挙と鬱」を観る。2022年夏。参院選に出馬した水道橋博士。その選挙戦に密着、さらにその後の顛末を映すドキュメンタリー映画だ。

ということで「選挙と鬱」については少し長めに書きましたのでこちらをどうぞ。

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夜はNHK+で「とと姉ちゃん」まとめ観。高畑充希は声がいいなぁ。

2025/7/6

朝から妻と実家へ。母も一緒に入院中の叔父の見舞いに。ひと月ほど前に会った時から比べて随分痩せている。薬が効いているのか眠ったまま。顔だけ見て病院を後にする。スーパーで寿司を買って実家に戻り昼食。今後の話など諸々、イロイロ。自分もそれなりの年齢になった。叔父も80半ば、母も70代後半。いやはや未知の世界に突入だ。

帰宅し一休み。夜は娘夫妻も一緒に妻の実家へ。皆で焼肉。義母が庭で育てたししとうやナスもいっしょに。焼き肉にスイカ、アイスも食べて楽しい夕食。義母も80代半ば。家のリフォームや同居問題などここにきて様々な展開が。なかなか落ち着けないものだな。とにかく家族が仲良く健康で暮らせればいい。願いはそれだけだ。

2025/7/7

夜、アマプラでチョン・ガヨン監督「恋愛の抜けたロマンス」を観る。29歳のジャヨンは彼氏と別れてから恋愛が億劫に。だけど寂しさは埋められずデートアプリに登録する。一方33歳の雑誌編集者ウリは「セックスコラム」を書かざるを得なくなり強制的にデートアプリに登録させられる。そんな二人が出会い、恋愛抜きで一夜を共にする。恋愛抜きゆえに互いに飾らず本音で語り合ううちにやがて二人は気になる存在に…カラッと乾いて、ちょっと切なくて、ほっと優しい大人のラブコメディ。ソン・ソックとチョン・ジョンソ、新鮮な二人の化学反応が素晴らしく、期待以上に良かったな。

2025/7/8

「選挙と鬱」の感想を書く前に、未見だった青柳拓監督「東京自転車節」をYouTubeでレンタルし観る。コロナ禍で故郷山梨での代行運転の仕事が無くなってしまった青柳監督。彼には奨学金550万の借金を抱える監督はどうしても金を稼ぐ必要が。そこで東京に出て映画撮影をしながらウーバーイーツの配達員として働くことに。監督は自転車を走らせ、自分自身とコロナ禍で様相の変わった東京の街を捉えていく。人懐っこいニコニコとした表情と柔和な語り口、ちょっとだらしなくてでも憎めない。そんな監督の人間臭いキャラクターが楽しく映画にユーモアをもたらす。山梨で暮らすおばあちゃんや時折電話をくれる友達のひいくん、東京で居候する映画仲間や高校時代の友達たち、差し入れをくれる先輩や町で出会った人たち。監督自身も含めコロナ禍の日常を生きる人達の自然な姿が映し出される。1日自転車を走らせ、数千円。その多くは置き配になっていて配達先であるタワマンに暮らす人たちは顔を見せることもない。激しい雨に打たれながら自転車を疾走する監督の悲壮な姿。それでも生きていくために走り続けるしかない。その中に様々な社会問題が潜んでいる。格差社会奨学金という借金、非正規社員個人事業主という働かせ方…The Personal is Political。「個人的なことは政治的なことである。」という言葉が浮かぶ。そして国会議事堂に向かって自転車を漕ぐラストシーンはまさにこの言葉を象徴する。カメラはストリートから社会を映しだす。なるほど。町山さんが博士の選挙ドキュメンタリーの監督として青柳監督に白羽の矢を立てた理由がわかった気がする。政治の話は生活の話なのだ。素晴らしい作品だった。

2025/7/9

昼休みの読書。「作編曲家大村雅朗の軌跡1951-1997」読了。大村雅朗、1980年代を代表する編曲家。特に80年代の松田聖子仕事、名曲「SWEET MEMORIES」の作・編曲者として知られる。とこんな簡単な紹介で済むような人ではないのだが。まぁ80年代に邦楽を聴いていた人はたとえその名を知らなくとも全員その音を知っているだろう。学生~ヤマハの社員時代からその才能で注目を集め、九州から上京。プロとして最初期に手掛けた八神純子作品などで一気に人気アレンジャーに。「青い珊瑚礁」から始まる松田聖子のプロジェクトでまさに日本の歌謡曲のレベルを1段も2段も押し上げた天才である。70年生まれの僕にとって80年代は10代と丸々合致する。まさに音楽に興味を持ち始めた時期だ。クールでモダンなシンセサウンド、洒落た流麗なストリングス…いいなと思った曲の多くが「編曲・大村雅朗」であることに気付いてチェックしていた。特に強烈にその名前が刻まれたのは大沢誉志幸との仕事だ。1stアルバム「まずいリズムでベルが鳴る」から「SCOOP」「CONFUSION」と続く3部作。大沢誉志幸の野蛮でソウルフルな楽曲と大村雅朗のクールでアーバンなサウンドの融合。いやもうどれだけ痺れたか!当時はモダンポップなんて言われてたっけ。地方都市の冴えない少年にとって、作詞・銀色夏生×作曲・大沢誉志幸×編曲・大村雅朗の作り出す楽曲はもうとにかくかっこよくて聴けば聴くほど大好きになっていった。同じく編曲者として関わった吉川晃司作品や本人名義で発表された映画「YOU GOTTA CHANCE」サントラまで購入し聴いていた。でこの本は46歳の若さで急逝したこの天才音楽家の軌跡を丁寧に追っている。彼と関わった多くの音楽関係者のインタビューが面白い。八神純子松本隆渡辺美里大江千里辛島美登里、くま井ゆう子、小室哲哉大沢誉志幸松田聖子。語る人によってその人物像が様々なのも面白い。優しい人、厳しい人、面白い人、意地悪な人…でも誰もがその才能を認める。大沢誉志幸のインタビューでは、僕が大好きだったあの3枚のアルバムは二人がそれぞれの才能をぶつけ合いバチバチの関係の中で作り上げていったことが語られる。その緊張感があれだけの傑作を作ったんだなーと感慨深い。にしても80年代彼が残した作品の数々そのクオリティは凄まじいものがある。本を読んでいたこの2週間、Spotifyでその作品群を聴き漁ったが改めてそのクオリティに驚くと同時にそのサウンドがどれだけ自分の血となり肉となっているかを思い知る。イントロを聴いた瞬間、そのメロディが、そのサウンドが一気に思い出される。大村雅朗サウンドが僕の頭の中のメモリーに山ほど刻まれていたのだ。

2025/7/10

少々夏バテ気味。帰って風呂入って飯食って寝るだけ。あれも観たい、これも読みたいが身体と頭がついてこず。

2025/7/11

金曜。映画観て帰りたいところだが時間が合わない。明日はイベント仕事なのでおとなしく帰る。で早く寝るつもりがなかなか寝付けない。猫のチャ坊の背中を撫でて夜を過ごす。