日々の泡。

popholic diary

Hey girl

では、久々に音楽の話など。
スクーターズ、30年ぶりの2ndアルバム「女は何度も勝負する」が素晴らしい!アートディレクター・信藤三雄率いるパーティーバンドの趣味の一枚。なんて甘いもんじゃない。真の音楽ファンが作った真の音楽。なんだこのハッピーサッドな感触は。ヴォーカル、ロニーバリー嬢の歌はいわゆるわかりやすい「上手い歌」ではない。80年代風に言えば「ヘタウマ」とも聞こえるかもしれない。でももうどうしようもなく刺さってくる歌なのだ。ちょっとしたフレーズ、歌い回しが一撃必殺なのだ。たとえば「REMEMBER〜あの頃夢に生きて」の一節「だけどねぇ/So 愛してるの/このイケない/ふがいない人生を/ただ今は少し/ブルーなだけ…」。もうこのフレーズの歌い回しったらない。最高に胸に刺さってくる。一撃であらゆる感情が吹き出てくるような。はっきり言って最初はまぁ聴いてみるかぐらいな気持で聴いたのだが、完全にやられてしまった。先の「REMEMBER」もとにかく大好きな曲だが、小西康陽作の「かなしいうわさ」(これこれ、こういう小西さんの曲がずっと聴きたかったんだ)も素晴らしいし、あの橋本淳+筒美京平コンビの書き下ろし(!)「Hey girl」がもう痺れるほどの名曲で最高過ぎるのだ。京平先生の洒落ててでも親しみやすくてソウルでキャッチーなメロディ。そして橋本淳氏のまさに「歌詞」が素晴らしすぎる。歌詞は詩ではない。あくまで「歌詞」であって、メロディがあって、歌われてそこで最高の輝きを生むものなのだ。メロディに乗って歌になって耳に入ってくる言葉。そのちょっとしたワンフレーズや単語が起爆装置になって聴く者の胸の中で様々な感情を爆発させる。歌詞カードに印刷された言葉を読むだけでは感じられない何か。その何かを、メロディに乗って歌になった時に生み出す。それこそが素晴らしい「歌詞」なのだなと改めて知った。
とにかくスクーターズ「女は何度も勝負する」傑作です!