2024/12/14
7時起床。BS朝ドラ「カーネーション」。勘助が…。で朝から京都まで。
京都シネマにて藤野知明監督「どうすればよかったのか?」を観る。(以下ネタバレあります)
優秀で優しかった8歳違いの姉。医学部に進学した姉だったがある日おかしなことを言い出し始める。統合失調症だと思われるが、医師であり研究者である両親はそれを認めず精神科への受診をさせないまま家に閉じ込めてしまう。映像制作を学び始めた弟はそんな家族の姿を撮影の練習と偽りカメラに収め始める。呼びかけに答えることなく、時折意味不明なことを叫ぶ姉。受診させるべきと何度も何度も両親を説得する弟だが、両親は姉は病気ではないと取り合わない。姉が勝手に出ていかないようにとドアには南京錠がつけられる。そんな毎日が日常となり両親と姉は25年を過ごすのだ。観ながら胃がキリキリと痛む。やがて母に認知症の症状が出始め、その日常は壮絶を極める。深い森の奥に迷い込んだような母と姉。どうすればよかったのか?その問いかけがグサリと胸に刺さる。決して両親は娘を虐待してるわけではない。むしろ愛情を込めて接している。共に食卓を囲み、求めるものを買い与え話を聞き熱心に話しかける。だが、二人は根本でやっぱり間違ってしまっている。娘の為というよりも自分たちのプライドが故に娘が病気であるということを認めらず、治療への道を閉ざしてしまっているのだ。そして25年が失われる。母が亡くなり、やっと姉の治療が始まる。わずか数ヶ月で合う薬が見つかり姉は飛躍的に改善していく。弟の問いかけに答え、カメラに向かっておどけながらピースサインをして見せる。その姿を見ながら「どうすればよかったのか?」の問いかけが過る。家族なのに、家族だから。20年以上に及ぶ家族の記録は深い問いかけを残しながらも、今まさに壮絶な日常にいる人々にとっては大切なヒントにもなるだろう。息が詰まりそうな苦しさの先に光が見える。とにかく観るべき映画である。
小雨降る中御池まで移動。ホテル地下のレストランでハンバーグ定食。隠れ家的な感じでゆっくりと一休み。
でアップリンク京都でパク・ヨンジュ監督「市民捜査官ドッキ」を観る。クリーニング店で働くシングルマザーのドッキ。火災にあい生活のためにお金が必要。そんな時に銀行からかかってきた融資についての電話。融資に必要だからと手数料の振り込みを迫られ全財産を振り込むドッキ。だがそれは振り込め詐欺だった。警察に行っても捜査は後回しで埒が明かない。そんな中、ドッキを詐欺にかけた当事者から電話が。彼もまた詐欺組織に騙され脅され中国の地で軟禁状態にあったのだ。そしてドッキは仲間たちとともに金を取り戻すべく中国は青島に向かうのだった。実に胸アツな映画だった。騙されたドッキは、決して騙された自分が悪いわけじゃない、騙した相手が悪いに決まっているとひるまず行動に出るドッキの姿が尊い。演じるのは名脇役から今や主演作も続々封切られるラ・ミラン。彼女と行動を共にするのがこれまた名脇役から今や主演級のヨム・ヘランってのも最高。何も持たない中高年女性が自らのプライドと尊厳をかけて巨悪に立ち向かう。様々なアクシデントを乗り超え、スリルとサスペンスの果てに辿り着く爽快なラストに拍手。そしてこれ2016年に起きた実際の事件を基にしてるってんだから凄い。笑いあり、アクションありの痛快作。こんな映画が観たかった!
radikoで高野寛ゲストの、スカート澤部渡の番組「シティポップレディオ」聴きながら帰宅。ミュージシャンシップに富み高野さんへのリスペクトを感じる良き対話。
2024/12/15
8時起床。サンドイッチの朝食。昨日スーパーで見つけて買っておいた半額になった10枚切りのサンドイッチ用食パンと夜のうちに作っておいたゆで卵で。子供の頃、母がよく作ってくれた。タマゴのサンドイッチとハムときゅうりのサンドイッチ。あれは美味しかったなぁと時々ふと食べたくなる。
妻と買い物に行って昼は温かいうどん。しばしテレビ見ながらウトウト。
アマプラで映画を一本。クラウディオ・ロッシ・マッシミ監督「丘の上の本屋さん」を観る。イタリアの美しい村。丘の上にある小さな古本屋さん。店主リベロはある日、店頭で本を眺める移民の少年エシエンに声をかける。お金はないというエシエンにリベロは本を貸し与える。借りた本を返しながらその感想を伝えるエシエン。それに応え一冊ずつ本を貸していくリベロ。コミックから児童文学、中編小説から長編小説と本を通じた二人の交流を主軸にまるでオアシスのような小さな古本屋に集う人々が描かれる。本は新しい世界、未来へ通じる扉だ。その扉を開けることで世界は、未来は広がっていく。年老いたリベラは本を通じて移民の少年に語り掛ける。君には未来があると。小さな本屋の小さなお話。だがとても大きく深く大切なことが描かれている。心温まる佳き作品であった。
NHKで71年の紅白再放送を観る。スピード感があってショーアップされていて今よりずっと楽しい。皆歌がうまいし、個性的。何より生バンドの音がゴージャス。ファンキーなホーンに胸躍る。筒美京平率の高さも凄い。ドリフにコント55号、敏江玲児に仁鶴といった応援団の寸劇もテンポがあってまた楽し。
夜は「海に眠るダイヤモンド」。うぐぐぐぅと前のめりに。杉咲花ちゃんが悲しむ顔を見たくないのにぃ…。次週最終回2時間スペシャル!
2024/12/16
TVerでドラマ「マイダイアリー」。これまたうぐぐぐぅと前のめりに。清原果耶ちゃんが悲しむ顔を見たくないのにぃ…。若い二人のちょっとしたボタンの掛け違い。優しさがすれ違う。あぁ若き日を想いだ…さないなぁ。探せども探せどもそんな切なく甘酸っぱい想い出はどこにもなかった。
2024/12/17
彦根まで外回り。商談終わり遅いランチを何にしようかと悩みながら車を走らせる。時間は午後2時半。中途半端な時間でランチタイムも終わっているだろう。がっつり食う感じでもない。ラーメンか?いやこの前食べてちょっと胸やけしたしなぁ。とんかつも重いし、ハンバーガーもちと違う。ならうどんか。和食さと?ここはなか卯か。それなら親子丼?だがここからの道すがらなか卯はなかったな。あっ天津飯は。近江八幡の王将は反対車線か。おっとバーミヤンへの右折を通り越してしまった。だーっ満州園も何となく通り越してしまった。でも大丈夫。草津の取付道路沿いに王将がある。前にあそこで食べた焼きそばがあまりにまずかったので敬遠してたのだが、天津飯なら大丈夫だろう。時間はすでに4時前。見えてきた。ハンドルを左に切りf駐車場に車を停める。さすがにこの時間一台も停まってないな。颯爽と車を降り、店に向かうと定休日だった。ズコーッ。王将に定休日なんてある?泣きながら会社まで戻ったのであった。
radikoで小西康陽ゲストの細野さんの番組「Daisy Holiday」聴く。二人の対話って今まで聞いたことないかも。ピチカートのデビューは細野さんのレーベル、ノンスタンダードからだった。当時中学生の僕はYMOチルドレンチルドレンだったのでノンスタンダードから出るとなればそりゃ買うでしょって感じで駅前のレコード屋に予約してデビュー12インチ「オードリィヘプバーンコンプレックス」を買った。ジャケットも音も最高に洒落てて一発で気に入ったなぁ。でそんな時代のことを細野さんほぼ忘れてる状態でまぁ細野さんらしい。
TVerで「若草物語」最終回を。うぐぐぐぅとまではいかないまでも、堀田真由ちゃんの悲しむ顔を見なくて済んだ最終回であった。グレタ・ガーウィグ監督の「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」を通過しての若草物語モチーフドラマだと思うんだけど、TVドラマの枠の中で健闘。途中離脱しそうになったが安易な着地にせず良かった。
2024/12/18
めちゃめちゃに気を遣う懇親会。大人って大変だなーと50を過ぎてまだ思う。
帰宅して「水曜日のダウンタウン~名探偵津田」観る。面白い!久々にTVで声出して笑ったなぁ。津田の人間臭さ、それもかなり下衆な部分が可笑しみになり爆笑を生む。一歩引きながらもバディとして的確に役割を果たすみなみかわも良いね。こんなん映画にできるじゃないの。
2024/12/19
師走。一日が忙しく過ぎていく。いつまでたっても楽にならんなぁ。
夜はTVで「トラベルナース」最終回。中井貴一と岡田将生、安心安全安定ですな。中井貴一のコメディセンスは最高。
2024/12/20
金曜。朝から猫のチャ坊が庭先にやってきた通称・クツシタと大喧嘩。以前はスタボロにやられて逃げ帰ってきたが、今日は逆に追い払っていた。育ち盛りでずいぶん大きくなった。毎日夜中の4時に起こしに来て餌をねだり、なぜか窓を開けろとうるさい。少し窓を開けると安心してソファでくつろぐ。猫とはなんとも気ままでわがまま。振り回されて腹も立つけど憎めない。猫と暮らして20年ほどになるが、猫がいない生活は随分味気ないものだろうな。
で仕事は今日もフル稼働。夕方、時間休とって病院。3か月おきの定期健診で薬を処方してもらう。それにしても急に寒くなったな。
夜はNHK+で「カムカムエブリバディ」1週間分をまとめ観る。BSの朝ドラ「カーネーション」とともに敗戦直後の時代。朝ドラは繰り返し戦争を描いてきた。いかに戦争が人々を傷つけ奪い壊してきたか。戦争なんて絶対にやっちゃいけない。そんな共通言語が今はもう通用しなくなっている。愛国だとかなんだとか勇ましい言葉がいかに胡散臭くデタラメで愚かか。非国民なんて言葉を軽々しく口にする奴らがSNSには溢れてる。戦争を美化し語る者、それがどんな奴らか。戦争の悲惨さを繰り返し描いてきた先人たちの意志、その意味を受け止め伝えていかなければならない。