日々の泡。

popholic diary

2022年1月22日~28日の話。

2022/1/22

8時起床。朝ドラまとめ観て、ラストのオダギリジョーに絶句。るいちゃんを泣かすなと親目線で。スクランブルエッグと塩パン、ヨーグルトの朝食。

で朝から京都シネマへ。京都駅からは角田龍平さんの「蛤御門のヘン」花房観音さんゲスト回を聴きながら歩く。角田さん同様、花房さんの話を聞いて自分が「おっさん」であることを自覚し、女性に対して細心の注意を払って接しなければと心に刻む。

でまずはホン・ウィジョン監督「声もなく」を観る。犯罪組織の下請け仕事を担う口のきけない青年テイン。ひょんなことから誘拐された少女チョヒを預かることになり…ってな話。社会から弾かれ、底辺で生きるテインには夢も希望も、道徳もない。ただその日を暮らす。そんな彼が疑似家族の中でふと味わう温もり。畳まれた服、テーブルで食べる食事、そんな小さなことが彼の心に灯すものは。不穏な空気とふと生まれるユーモア、善悪では測れない、善悪より前にある根源的な心の動き。言葉を一切喋らず、見事に演じきったユ・アインが素晴らしい。

続いて「岬の兄妹」の片山慎三監督「さがす」を観る。「指名手配中の連続殺人犯を見た」という話をした後、忽然と姿を消した父。中学生の娘・楓は父を探すのだが…ってな話。これは凄い映画だった!娘、殺人犯、父それぞれの視点で物語は描かれる。家族ものであり、猟奇殺人ものであり、一級のサスペンスでもあり、人間の深層に迫るヒューマンドラマであり、様々なジャンルを横断しながら観た人を遠くに連れていく。片山監督はポン・ジュノ監督の下で助監督をしていたというだけあって、そのジャンルを超えていく感覚が似ている。映像の見せ方、残酷な描写があったかと思えばふいに訪れるユーモア、ブラックに過ぎるジョークであり思わず顔が引きつる人間悲喜劇。それでいてひどく心を揺さぶる。「空白」に続き名演を見せる若き名女優・伊東蒼、清水尋也と森田望智は朝ドラ「おかえりモネ」の時とはまるで違う狂気の演技を爆発させている。そして佐藤二朗がとにかく凄い。しっかりとした演出の下で役者たちが最大限の演技を見せている。今年観るべき映画!

「声もなく」「さがす」どこか似た雰囲気のある二本だった。社会から弾かれた者たち、道徳や善悪の境界を揺さぶる物語。猥雑な街に漂う不穏な空気、その映像の質感までも。

で帰りは「爆笑問題カーボーイ」聴きながら京都駅まで歩く。水島新司先生追悼で「ドカベン」などの話。僕も全巻は読んでないけれど子供の頃家に数巻は揃えていたので繰り返し読んだなぁ。ピアニスト時代の殿馬が指と指の間の水かき部分を切った逸話とか微笑三太郎が間違って明訓に来てそのまま居残っちゃう話とかしっかり覚えているもんなぁ。

2022/1/23

8時起床。トーストにレタスとウインナーを挟んでホットドック風トースト。気分は長瀬智也。BSでやってたので「ウルトラセブン」を。ロボットに支配された星「第四惑星」に迷い込んだモロボシ・ダン。それは現実なのか悪夢なのか。いやはや早すぎた物語。今もまた響く。

妻と買い物。普段行かないスーパーに寄ったら訳アリ品コーナーが充実していてついついおやつ類を買いだめ。

昼はインスタントのみそ煮込みうどん。マイタケ、エノキ、揚げに竹輪、ネギたっぷりに玉子も入れて。

午後の映画。NETFLIXポン・ジュノ監督「オクジャ」を観る。巨大な豚スーパーピッグのオクジャと少女ミジャの物語。ソウルの地下街を走り抜けるオクジャとミジャ。「吠える犬は噛まない」を彷彿とさせる疾走ぶり。

2022/1/25

ふるさと納税で届いた芋けんぴ。食べ始めたら止まらない。ぐっと我慢して蓋をしたら、次は娘が蓋を開け食べ始める。でそれにつられてついつい一本、二本と手が伸びる。やめたいと思いながらやめられない。清水健太郎マーシーもこんな感じだったんだろうか。

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2022/1/26

外回り。コロナ禍で営業訪問も気が引けるな。radiko中川家の「ザ・ラジオ・ショー」。剛が京阪電車で見かけた微笑ましい幼い兄弟の話から自分たちの話へ。兄弟ならではの昔話が楽しい。僕も同年代、男兄弟2人だったから郷愁にかられる。子供の頃は毎日のように兄弟喧嘩しては泣かされていたけど、兄からの影響も大きいし、カルチャー体験などを同級生よりちょっと早く体験したりってのは兄がいたからだろう。漫画や音楽なんかも好きになるのはやっぱり最初は兄で、そこから弟はさらにそれを越えて好きになってしまうってパターン。今でも時々、やっぱり自分は「弟」なんだなぁと思う。でゲストは村上ショージさん。66歳にして原付免許を取った話、それも2回目にして取得とかいちいち面白い。元気になるなー。

昼はまたまた「ブロンコビリー」でハンバーグランチ。ドリンクバー&ジェラート無料クーポンの呪縛から逃れられない。とか言いつつ、鉄板に乗った熱々ハンバーグのランチはリッチな気分でやっぱり美味しい。ジェラートにコーヒーで締めも嬉しい。これで1000円以下!サラリーマンの小さな喜び。酒もたばこもギャンブルもやらない。女の子のいる店で豪遊したいとも思わないし、高級車や高級時計にも興味はない。週に2本ほど映画を観て、ラジオを聴いて、本を読んで、時々ちょっと美味しいランチを食べて(って言ってもチェーン店で十分)でたまにローソンの「どらもっち」を買い食いする。自分の身の程ってこんなもんだ。

radikoで「東野幸治のホンモノラジオ」。ここでも水島新司先生追悼。爆笑問題の二人もそうだが、僕よりちょっと上の世代にとっては常識レベルで水島作品が刷り込まれているのだな。それからNetflix「新聞記者」の話。“悪役”を演じた「ユースケ・サンタマリア」を大絶賛。東野さん、土曜朝の番組でそのユースケ・サンタマリアが演じた“悪役”の元ネタみたいなコメンテーターがいっぱい出てることはどう思っているのかが気になる。

2022/1/27

朝ドラは少しほっこりムードでなごむ。毎日徒歩通勤で25分。一つ問題がある。それは…便意。基本まぁしてから家出るんだが、そのタイミングが合わないことがある。家を出て5分ぐらいのところで急に来るとこれが大変。今のところ大人だから惨事に至ったことはないが、かなり危ないところまでは数度となくある。会社について何気ない顔で「おはよう」なんて挨拶をしつつ。上着を脱いでかばんを置いて、小走りにトイレに駆け込む。ズボンを下すのと便座に座るのと同時に、出る。コンマ何秒が命取りになる。映画ならスローモーションになる場面だ。で今日がそうだった。…なんの話だ。

しかしやっと木曜。どうにもストレスフルでうまくいかない。サラリーマン生活もそろそろ30年を迎える。もちろんいい仕事をできたと思ったこともあるし、充実した日々もあった。それでもなおまだ喉が渇いている。そしてコーヒーを飲み、尿意に次ぐ尿意。

帰りに文春をチェック。ドラマ「新聞記者」にまつわる話題。結論、俺たちのキョンキョンはやはり最高!

2022/1/28

やっと金曜。バタバタと仕事をこなして映画館へ。アレックスシネマでウェス・アンダーソン監督「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」を観る。フランスの架空の街にある雑誌「フレンチ・ディスパッチ」編集部。編集長の死によって編まれる追悼号。その記事をオムニバス形式で映画として描く…というなんというか説明しづらいんだけど、よっ!ウェス・アンダーソン!と声をかけたくなるような、徹底した美意識に貫かれた独特としか言いようがない、誰もが真似したくなるけど誰も真似できない、完璧にチャーミングでずっと目が楽しいアート。まさに雑誌をめくるように目まぐるしく世界が広がる。たとえ言葉がわからなくとも、その映像だけでも誰もが2時間飽きることなく見続けられるだろう。次はどんな絵が飛び出すのか、そのワクワク感に心躍る。ここまで完璧にデザインされたものを見せられるとさすがに感動する。目と心が奪われる総合芸術、映画というアートだった。完全にW・アンダーソン世界の住人になった名優たちを観るのも楽しい。いやーレア・セドゥの美しさが頭から離れないなー

 

今週聴いた音楽は

  • 「ココベース」花澤香菜
  • 「BASIC」Brown Eyed Girls
  • 「FLOWER BURGER」FAIRCHILD
  • 「BADモード」宇多田ヒカル
  • 「僕らの生まれた町」ルルルルズ
  • 「夜霧」ウワノソラ
  • 「6equence」Moon Byul
  • 「Plus n Minus」Yein
  • 「SMiLEY」YENA
  • 「銀河」さよならポニーテール
  • 「きまぐれファンロード」さよならポニーテール
  • 「Rum Pum Pum」Lee Jin Ah