日々の泡。

popholic diary

2021年6月19日~25日の話。

土曜。朝から雨の中散歩がてら大津アレックスシネマまで。アニーシュ・チャガンティ監督「RUN」を観る。郊外に暮らすクロエは生まれながらの病気で車いす生活をおくっている。そんなクロエにつきっきりで世話を焼く母ダイアン。しかしその母の愛は…ってなサイコスリラー。母の愛が狂気だと気づいた時の恐怖。スリル溢れる見せ場もたっぷり。最後のぞっとするオチも後を引く。面白かった!大作ではないけども、こういうピリッと山椒の効いたスリラーもいいね。

で帰宅後、今日も韓国ドラマ「マイ・ディア・ミスター」。9、10話を鑑賞。自己肯定感が低く、自分自身を哀れんでいる二人の主人公が、たがいの優しさや思いやりに触れる中で、自分自身を肯定していく。えぇ話やないの。

とにかくここ数年、加速度的に日本は悪い方に向かっていると思う。物事は全て勝ち負けで決められ、その勝ち負けの基準も経済に牛耳られている。親切や優しさはないがしろにされ、弱者は切り捨てられ、金と数による理不尽な暴力が猛威を振るう。卑怯で卑劣であることを隠しもしない者どもが大きな顔でのさばっている。そしてそんな国に吹く風は、優しく親切な人々の心を蝕んでいく。

そんな中でこのドラマに少し救われる気持ちでいる。

夕方から妻、娘とともに実家へ。娘の誕生日が近いということで母と一緒に食事。年々、母のありがたみをひしひしと。父が死んでもう14年。一人で暮らす母の寂しさを思えば胸が痛む。自分の生活にかまけて、親孝行しきれていない自分に罪悪感を感じることもある。

日曜。午後の自宅映画劇場。アリ・アッバシ監督「ボーダー 二つの世界」を。税関に勤めるティーナは、違法な物を持ち込む人間を嗅ぎ分ける能力を持っていたが、生まれつきの醜い容姿に悩まされ、孤独な人生を送っていた。ある日、怪しい旅行者ヴォーレと出会ったことから…ってな話。うーむ、唸った。これは凄い。ダークファンタジーであり、サスペンススリラーであり、実に不思議な感触を持った作品。異形の者の孤独と得も言われぬ哀しみ。想像力と創造性に満ちた傑作であった。

「テレビ千鳥」の一周だけバイキング面白い。ビジネスホテルの朝食バイキングで卵焼きとスクランブルエッグをお皿に乗せてご飯に味噌汁、クロワッサンをとってしまうようなセンスのない男なので、それぞれの気持ちの揺らぎがわかって面白かった。

どうも平日は仕事に追われるばかりで、家に帰ってくるともう何もしたくなくなってしまう。飯食って風呂入って10時には布団に入って11時には眠りたいという感じ。

でもう金曜。営業外回りで久々にランチを外食に。これがいつもうまくいかない。何を食べようか、悩みに悩んでいるうちにあらゆるレストランに入りそびれ、結果「餃子の王将」へ。そこでもまた悩んだ末、焼きそば。これが大きな過ちだった。いや、子供のころから王将の焼きそば大好きで、家でも再現を研究するほどなのだが、調理人の調子が悪かったのか、べちゃっとした仕上がりの上、なにより豚肉が文字通り小指の爪ほどの欠片が一切れしか入っていない。麺の間を何度も探した。向かいのホーム、路地裏の窓、こんなところにいるはずもないのに…。1週間一生懸命働いて、久々の外食ランチ、それも金曜日にこの仕打ち。一粒の涙が頬を伝った…。

しかし今週もつまらない日記になってしまった…。

今週聴いていた音楽

  • 「Don't Know」Kim Suyoung
  • 「Palette」IU
  • 「Jinah Restaurant Full Course」Lee Jin Ah
  • 「Candy Pianist」Lee Jin Ah
  • 「CELLOPHANE」Fromm
  • 空気公団空気公団
  • 「Fine」キリンジ
  • 「ALOHA OE」RossyPP

今週の一枚。ベランダから家の中を覗き見る猫。はい、ひょっこり猫。 

f:id:popholic:20210626220322j:plain