日々の泡。

popholic diary

2019年5月のTweet

2019/5/1

今泉力哉監督「愛がなんだ」を観た。もはや恋愛ですらない「好き」という感情とそこから巻き起こる厄介な事象。大きなドラマがあるわけでもないのだが、まるでアクション映画を観ているような不思議な高揚感があって実に面白かった。得体のしれない「好き」を抱えた男と女の心のアクション映画。主人公テルコを演じる岸井ゆきの素晴らしい。丸い顔に丸い目と鼻、彼女の表情の一つ一つが持つ説得力。そして相手役の成田凌がまたいい。最低なクズ男のようだが、彼もまた「好き」に囚われる人間臭さがあって、その何とも情けない部分を実にチャーミングに体現していた。

2019/5/2

今日は電車に揺られ明石まで。江口寿史イラストレーション展「彼女」。まさに現在の美人画。何時間でも見ていられる。10歳の時に「すすめ!!パイレーツ」と出会って以来、江口先生は自分の中ではずっと「KING OF POP」な存在。今もまだ次の作品を楽しみに待っている。

ミキ・デザキ監督「主戦場」を観た。いやはや凄い映画だった。テーマは「従軍慰安婦」。なぜここまでこじれるのか?疑問を抱いた監督が日米韓を跨ぎ左右両陣営から徹底的に言葉を引き出す。一人一人の発言と表情から浮かび上がるものは?複雑に絡み合う人権、イデオロギー、差別、金、宗教まさに主戦場。人権を守ろうとする者、人権を過度なまでに憎む者。監督はそれぞれに自由に発言させた上でじっくりと検証していく。否定論者たちに共通する思惑とある組織。現政権との密接な関わりまでもが炙り出される。ある一部の人たちは決して観てほしくないだろうが、だからこそ観るべき映画。

2019/5/7

GW中に「ノンスタンダードの響き」を聴きながらブックレットを読み耽る。細野さんの下に集った若きミュージシャンたち。小西さんのインタビューがないのがちょっと寂しいが、それもなんか小西さんらしい。80年代初頭~中頃を舞台にした若きミュージシャンたちの群像劇。鈴木惣一郎さんと小西康陽さん、もちろん直枝政広さんもどこかに絡んでくるだろうし、当然一方ではケラさんもいる。みたいなそんな映画が観てみたい。

2019/5/18

盲目的に好きなLovelyzももうすぐカムバ。髪を切ったスジョンが眩しい!

youtu.be

イルディコー・エニュディ監督「心と体と」を観た。恋愛から引退した片腕が動かない男と会話が上手く出来ない恋愛を知らない女。孤独で不器用な二人が夢を媒体にゆっくりと近づいていく何とも不思議なラブストーリー。ぎくしゃくと空回りすれ違う「心と体と」。二人が働くのが食肉処理場というのがいい。とても美しく繊細。でもそこに映されるのは生々しい"生"。ドクドクと流れ出る真っ赤な血がとても印象的だった。

噂の映画、片山慎三監督「岬の兄妹」を観た。足が不自由な兄と自閉症の妹。生きることすらままならず社会の底辺であえぐ二人。生活の為、兄は妹の売春を斡旋しはじめることに。ストーリーだけ追うととんでもないのだが、悲壮感よりも不思議なユーモアがあって何より生命力と人間愛に溢れている。障碍、貧困、売春…タブーに触れる映画だが、タブーを並べるセンセーショナルな映画ではない。そこに至る過程、登場人物たちの心情や行動のリアリティ。最低で最悪だけどそれが日常の総てでもあり、そこには生活がある。生活の中には悲しみや喜び、絶望や光が混ざり合っている。兄妹を演じる二人の素晴らしさ、そしてとても映画的な力を持ったショットの数々。万人にお薦めするには強烈すぎるかもしれないが、それでも観て欲しい。「映画」が持つ凄みや力、面白さがむせ返っている。観終わって数時間たって思う。これは完璧「に」映画だったと。

というわけで今日は出町座で映画を二本。映画までの時間、近くのパン屋でいくつかパンを買い、鴨川べりのベンチに腰掛け、マグボトルで持参したホットコーヒー飲みつつの昼食。映画とパンとコーヒー。自分にとってはこの程度がちょうどいい幸せなんだなーと思う。

ここんとこ移動中は常にradikoで杉作さんの番組を聴いてる。なにしろ月~日、週7日の帯番組。「ふりかけ」だけで2時間半とか面白い人の面白い話は面白いなー。杉作さんの番組はラジオの原点にして理想に思える。たわいのない雑談は結局人間にとって最大のエンタメであり娯楽。それから選曲がいいんだよね。幅が広くて選曲者の顔が見える。レコード会社のおススメをただ並べるのは選曲とは言わないよ

2019/5/21

セクシー路線に走らず、ガールクラッシュには目もくれず、まっすぐに「Lovelyz道」を走るLovelyz。とにかく髪を切ったスジョンが眩しい!可憐なKei、伸びやかなJIN、しっとりとしたベビソル、そしてちょいハスキーで憂いを帯びたスジョンと歌えるメンバーが揃うLovelyz。品のいいサウンドに切ないメロディ。正直面白味には欠けるけど、この路線がやっぱり似合う。


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まさに一服の清涼剤。ほんともー毎日しんどいけど、とりあえず可憐なLovelyz観てると一瞬だけでも嫌なこと忘れられるなー

2019/5/24

ローソンの「どらもっち」美味しすぎる!一週間真面目に働いたので今日は食べる!

2019/5/25

キム・ヨンファ監督「神と共に 第一章:罪と罰」観てきた。いやはや開始早々フレッシュな映像に度胆を抜かれ、そのまま一気に地獄巡りにひっぱり回されるスーパーエンタメアクションVFX人情劇。ちょっとお腹いっぱいですわ!と言いたくなるほどのおかずテンコ盛り韓定食映画!荒唐無稽な物語に最先端のVFXアクション、豪華俳優陣揃い踏みのオールスター映画でありながら、その本筋は涙涙の親子愛、なんとも人間臭い人情劇。涙のカツアゲぶりも半端ない。そして続く第二章では我らがマ・ドンソク兄貴を投入ってんだからどうなっちゃうんだろう

ピーター・ヘッジズ監督「ベン・イズ・バック」を観た。クリスマス・イヴの朝、薬物依存症治療施設を抜け出し帰ってきたベン。暖かく迎え入れる母ホリーだが、妹や継父は不安を隠せない。薬物依存に立ち向かおうとするベン、だがそれはあまりに困難な道のり。信じたい気持と信じられない気持の葛藤。本人の葛藤、周りの人々の葛藤、愛情と厳しさのさじ加減、終わりのない依存症治療の困難さ…一夜の物語の中で丁寧に描き出していく。傷つきながら、もがきながら、それでも一筋の光に向かおうとする家族の姿。いい映画でした。