日々の泡。

popholic diary

2018年12月のTweet

2018/12/1

アリ・アスター監督「ヘレディタリー/継承」を観た。めちゃくちゃ怖いという評判だったので覚悟して観に行ったが、思っていたのとは全く違う恐怖だった。神経をずっと針で突かれているような、嫌な嫌な感覚がじわじわと身体に拡がっていくような。地獄と化す家族の繋がり。参った。

2018/12/2

今日はコラアゲンはいごうまんさんのライブに。もはや人間味しかない孤高の話芸。社会からこぼれ落ちた人々の物語。妬みも嫉みも弱さも駄目さも全てを笑いに変える。面白かった!

2018/12/17

R.バールキ監督「パッドマン 5億人の女性を救った男」を観た。古いしきたりや偏見が色濃く残るインドの小さな村。高額な生理用ナプキンの普及率はわずか12%。妻の為に、女性の自立の為に、安全で安価なナプキンを開発した男の物語。変態と言われ村から追い出されながらも信念を貫いた「下町ナプキン」。主人公ラクシュミはただナプキンを作るだけでなく、その製造機を安く作り貧困にあえぐ女性達に与える。女性たちは自ら作り、売り、潤う。このシステムを開発したのだ。口先だけではない女性活躍を促す仕組み。パッドマン、あんた凄いよ!

2018/12/22

ブラッドリー・クーパー監督「アリー/スター誕生」を観た。素晴らしかった!2人が出会うシーン、レディーガガ扮するアリーの歌声に誰もが心を掴まれるだろう。堕ちていく男・ジャックと羽ばたいていく女・アリー。2人を接写するカメラ、スクリーンに映る愛の渦に巻き込まれる。ブラッドリー・クーパーレディー・ガガによる演技&歌合戦。迫力のぶつかり合い。そして生々しいライブシーンは圧巻。「ボヘミアン・ラプソディー」同様、体感する映画。名優ブラッドリー・クーパー、監督としても超一流!

2018/12/24

リッチ・ムーア監督「シュガー・ラッシュ:オンライン」を観た。インターネットの世界をあれだけのイマジネーションで視覚化し、カーアクションあり、ディズニーネタあり、そして何より「現在」のヒロインを生み出す。そして娘を持つ父親としては親離れ子離れ映画として涙なしで見れない。素晴らしい!自ら扉を開き、羽ばたいていくヒロイン。本当の友情とは、本当の絆とは。個を尊重し、個であることを肯定することで繋がれる。唸ったなー。

2018/12/26

「アリー/スター誕生」「シュガー・ラッシュ:オンライン」からの流れでサラ・ガバロン監督「未来を花束にして」を観る。1912年のロンドン、参政権を求め行動する女性たちの物語。傷つき文字通り命をかけて自由を得ようとした者たちの歴史。その上に"今"がある。なのに今の日本をみているとまるで時代を逆行しているかのように見える。自分の意見を示した女性芸能人に"政治的"だとかなんとかバッシングが浴びせられる。長い時間をかけて勝ち取ってきた人権を、いとも簡単に政権にさし出す人たちの群れ。全部自分に跳ね返ってくると考えられないのかな。

2018/12/29

チェ・ソンヒョン監督「それだけが、僕の世界」を観た。元プロボクサーで現在無職のジョハ。幼い頃、自分を捨てた母と偶然再会。サヴァン症候群で天才的なピアノの腕を持つ弟ジンテとともに暮らすことに…というまぁベタ中のベタな家族物。イ・ビョンホン、ユン・ヨジョンさすがの名演で涙のカツアゲに。ジンテをどう描くかはデリケートなところで、一歩間違うとファンタジーになってしまうが、パク・ジョンミンはピアノの猛特訓の上、かなりのリサーチで役作りをしたと言うだけあって絶妙なラインで踏みとどまっていたと思う。

2018/12/30

2018年お気に入りK-POP、その1。이달의 소녀 (LOONA) "Hi High" 
キャッチーに次ぐキャッチー。K-POPの最終形みたいな一曲

2018年お気に入りK-POPその2。Yubin(ユビン) "숙녀 (淑女)"
シティポップサウンドにユビンの顔芸が最高。今年一番のお気に入り曲。

2018年お気に入りK-POPその3。OOHYO (우효) - Papercut (Kor.)
センスの塊、OOHYO。MVもセンス良過ぎ!

2018年お気に入りK-POPその4。이진아 Lee Jin Ah - RUN (with GRAY) 
こちらもセンス良過ぎのレベル高過ぎ。イ・ジナ嬢、新境地の一曲。

2018年お気に入りK-POPその5。스텔라장 - 아름다워 (디깅클럽서울ver.) 
シティポップサウンドの見事な消化&昇華ぶり。MVも最高!

2018年お気に入りK-POPその6。Moon Byul(문별) _ SELFISH (Feat. SEULGI(슬기) Of Red Velvet) 
スルギをゲストボーカルに迎えたママムのムンビョル、ソロ。僕が10代女子なら確実に憧れる!

2018年お気に入りK-POPその8。APRIL(에이프릴) - 예쁜 게 죄 (Oh! my mistake) 
80'sニューウェーブ感溢れる傑作。極私的最優秀楽曲賞!それとナウンちゃんはK-POP界屈指の美女だと思うんだけどな

2018年お気に入りK-POPその9。Red Velvet 레드벨벳 'RBB (Really Bad Boy)
ただただレベル高過ぎ、さすがのSMクオリティ。歌、ダンス、ヴィジュアルの仕上がりっぷり。現役No.1ガールズグループ!

2018年お気に入りK-POPその10。러블리즈(Lovelyz) “그날의 너”
もう、ただただ好きとしか言えない。誇張じゃなく365日毎日動画観てるし曲聴いてる。いや、この3年間欠かさず観て聴いているという…

2018/12/31

晦日になったところで、誰にも頼まれていないけど今年の極私的ベストアルバムを
①「サクラ」前野健太
②「AINOU」中村佳穂
③「All the World is Made of Stories」松尾清憲
④「秉燭譚」桶田知道
⑤「a journey of 28 days」武川雅寛
⑥「アポロン坂口恭平
⑦「スーパーヒーローズ」のん
⑧「Lukewarm」さとうもか
⑨「嘘つきと音楽のはじまりに」加藤千晶とガッタントンリズム
⑩「Baby Bump」Chara

今年はCD購入数が極端に減った。というか減らした。ま、もはや収納できないという物理的な理由が大きいのだが。その代わりサブスク導入で聴いてる数は例年より増えてると思う。ベストを挙げてみるとソロアーティストの作品が多いのはなぜなんだろう。自分自身、内側に向かう年だったのかもしれない。自分の挙げた10枚を観てると、新しさや変わっていくことに恐れていない音楽に惹かれたのかなとも思う。個人に立ち返りつつ、外に向かっていく感覚。

前田哲監督「こんな夜更けにバナナかよ」を観た。物語が美談や感動ドラマに陥ることを、軽味とユーモアで回避していく。身体の動きを封じられながら、主人公の放つ生命力や意志の力を体現して見せる大泉洋がやっぱり素晴らしい。