日々の泡。

popholic diary

2018年7月のTweet

2018/7/1

35年目のカーネーション。35年という積み重ねた年月の奥行き、そしてその35年がすべて今と並列にあるような広がり。昨日ステージにいた人たち、なんならそこにいた観客、いなかったけどカーネーションのことを想っていた人全部で35年目のカーネーションだと言いたくなる。ゲスト陣も皆さん素晴らしかったが、森高さんと岡村ちゃんはさすが場を圧倒するスターの輝きがあったなぁ。ムーンライダーズの3人のやんちゃな先輩ぶりも最高だった。カーネーション野音のパンフ読みながら帰宅中。江口寿史さんの絵と文章が、ちょっと凄くてグッと来ている。カーネーションの音楽を聴くと自分自身の人生、そこにあった瞬間を思わずにいられなくなる。僕もそうであるように、多くの人にとってもカーネーションは人生のサウンドトラックなんだろう。

2018/7/4

吉村智樹さんのインタビュー。中島らもさんを中心にあの頃確かにあった関西サブカルチャーについて。そしてその終焉とその先。読み応えあり。以前自分の関わる番組に、吉村さんをゲストとしてお呼びした。実はそれは自分もまたこの「確かにあった関西サブカルチャー」の影響下にあるという一つの意思表示でもあった。でもその先に進んでいる吉村さんの話はたいへん刺激的で、そんなこだわりを軽やかに飛び越えていくものだった。

2018/7/5

大好きなLovelyzの新曲「Wag-zak」。ボーカルの要、JINの不在もあって正直弱いかな。しかしスジョンの仕上がりは5億点!

久々のApink新曲「I'm so sick」。うーむ、判断に苦しむ。ただナムジュもナウンもどーして顔UPDATEしちゃうかなー。

2018/7/7

グレタ・ガーウィグ監督「レディ・バード」観た。田舎町に暮らし、大都会NYへの大学進学を夢見る女の子の物語。若さとバカさが空回りするイタさもありつつ、どこか甘酸っぱくほろ苦い。そしてなによりとっても愛おしい成長の物語。抱きしめたくなるような映画だった。好きだなー。好きだけど嫌い。嫌いだけど好き。レディ・バードが母、そして生まれ育った街に持つ感情。誰しもがどこか思い当たる節があるだろう。いつか羽ばたき、大人になった時、そんな感情すら愛おしく感じる。いやー素敵な映画だった。

2018/7/11

「新潮」の寺尾紗穂さん「二つの彗星 父・寺尾次郎の死に寄せて」を読む。"遠くて遠い"父への想い、その最後の時間。胸に迫る美しい文章。まるで一本の映画を観終わったような気持ちに。彼女のデビュー盤「御身」を聴き返す。「ねぇ彗星」から「さよならの歌」、それは人生の予告編だったよう

2018/7/13

ファン・ドンヒョク監督「天命の城」を観た。時は1636年。清に包囲された朝鮮朝廷。もはや逃げ場のない中、清の軍門に下り生き長らえるか、死を覚悟して戦うか。和平交渉を突き通すミョンギルと徹底抗戦を貫くサンホン。2人の大臣と王。その決断はいかに。重厚な人間ドラマ、見応えたっぷり!民を想い、国を想いながらそれぞれの生き方を貫く2人の大臣をイ・ビョンホンとキム・ユンソクが演じる。なんたる重厚さ、実に繊細で完璧な演技。画面の締まり方が尋常じゃない。冷静さの中に熱さを秘めたイ・ビョンホン、厳しさの中に優しさが見えるキム・ユンソク。2大名優凄い!そして二人の間で苦悩する王、パク・ヘイル、戦いを憎む鍛冶屋コ・ス、そして無骨な武官パク・ヒスンと脇を固める男たちも熱い!そのスケールの大きさ、一瞬も緩むことない物語、歴史エンタメであり深い人間ドラマ。これぞスクリーンで観るべき映画だ!と唸った。それにしてもファン・ドンヒョク監督。実際の事件を基にした社会派ドラマ「トガニ」、どエンタメの娯楽作「怪しい彼女」ときて、この歴史大作。1971年生まれって歳下かい!凄いなー

2018/7/14

映画「カメラを止めるな!」今、まさに見終わった!べらぼーに面白い!ブラボー!

ついに関西に上陸した話題の映画、上田慎一郎監督「カメラを止めるな!」を観た。ゾンビ映画の撮影クルーに降りかかるあれやこれや…とこれ以上は何も言えないけど、最っ高に面白かった!見終わった後の充足感、劇場に溢れる多幸感。映画をまた好きになる。伏線に次ぐ伏線を完璧に回収。ともすれば作為的でしらけてしまいがちだが、最後まで熱量とドタバタとした人間臭さが途絶えることなく、最高潮の状態で笑い泣きの大団円!素晴らしいアイデアとど真ん中の映画愛。劇場に溢れる笑い声の幸せなこと。映画の現場ならずとも、仕事の場で妥協と調整に翻弄されることって多いもの。でも本当は、その根っこには、いいものを作りたいという気持ちがあるはず。その事を思い出させてくれる映画でもある。なにか人の背中を押してくれるような強い気持ちと強い愛を感じたなー。監督の上田慎一郎さんは滋賀出身だとか。いつか番組に出てもらいたいな。

2018/7/18

ジョナサン・デイトンヴァレリー・ファリス監督「バトル・オブ・セクシーズ」を観た。1973年、女子テニスチャンピオンのビリー・ジーン・キングと元男子チャンピオンのボビー・リッグスによるテニス対決を描く。単純な女対男という以上にそれぞれ深い事情があり、今映画化される意味がある作品だった。女子の優勝賞金が男子の1/8だった時代。圧倒的な男性優位社会に挑むビリー・ジーン。それは男だから、女だからじゃない個の人間として生きていく為の戦い。そして男性優位主義の代表として登場するボビーにもまた、その裏に事情がある。そこが面白かった。ビリー・ジーンが戦うのはボビーではなくその奥にある世界であり、ボビーも実は自分自身と戦っている。スティーブ・カレルがボビーを演じることで、ただの悪役ではない、不思議な魅力と複雑な心理を持った人間になっていて、その戦いがさらに奥深く感じられた。もちろんビリー・ジーンを演じるエマ・ストーンも素晴らしい。「ラ・ラ・ランド」のヒロインと同じ女優とは思えないなりきりぶり。彼女もまた、単なるフェミニズムの旗手ではなく、一人間としての苦悩を抱えていて、その戦いが勇気ある一歩だったことがわかる。

2018/7/21

情緒溢れるエピソードで角田さんファンにはお馴染みの寺井先生がゲスト!まさに「僕の好きな先生」お人柄が滲み出る傑作回。125点満点! 角田龍平の蛤御門のヘン 恩師 寺井治夫先生を迎えて 

2018/7/22

瀬々敬久監督「菊とギロチン」を観た。大正末期、関東大震災後。アナキスト集団・ギロチン社と女相撲の一座の物語。3時間を越える大作ながら不思議と長さは感じなかった。息が詰まるような閉塞感、剥き出しの差別の中で命の炎を燃やす持たざる者たち。今をも映している。女相撲の力士たちは夫の暴力から逃れてきた農家の娘、震災後のデマによる虐殺から逃れてきた朝鮮人娼婦、琉球からや今では言うLGBTなど様々な事情を抱えた女たち。強さだけが基準となる世界に身を投じ懸命に行きようとする。その悲しみは今もなお変わっていない。現在と重なるところが多くある。愛国の名のもとに、自らの不遇を剥き出しのヘイトに転化し暴力的な態度で発散する
ものたち。そしてそれを利用し庶民を分断、権力を強化する為政家。いつか来た道であり、すぐ先にある道にも見えてしまう。

ショーン・ベイカー監督「フロリダ・プロジェクト」を観た。巨大アミューズメントパークのすぐそばにある安モーテルでその日暮らしのへイリーとムーニー母娘。今日を生きるのに精一杯ながら、まだ小さいムーニーにとっては毎日は楽しい冒険。子供たちを取り巻く世界の危うさに胸が痛む。色鮮やかでイキイキとした子供たちの生きる世界。格差、貧困、社会のしわ寄せがやがて子供たちの世界にも影を落とそうとする。正しさだけでは救えないもどかしさ。やるせない。

2018/7/26

ホン・サンス監督「夜の浜辺でひとり」を観た。呑んで、食べて、喋って、怒り出す女と泣き出す男…とまぁ、おなじみのホン・サンス映画。なんだけど、主演女優キム・ミニが途中から映画を乗っ取っていく。ホン・サンス映画でありキム・ミニ映画であった。