日々の泡。

popholic diary

2018年5月のTweet

2018/5/1

昨日は音凪にて西村哲也さんの新作「Trickster Sessions」お披露目会。新作CDがお土産について、解説しながら全曲をカラオケで歌うというスタイル。このライナーノーツライブ結構ありかも知れない。いち早く新作を入手できる上に本人による解説とは実に贅沢な時間だった。

2018/5/3

スティーブン・スピルバーグ監督「レディ・プレイヤー1」を観た。これでもかとポップカルチャーアイコンが詰め込まれたVRの世界と現実の世界が交差。めくるめく映像の中で描く物語の中にはポップカルチャー批評、そして辿りつくポップカルチャー賛歌。面白い!ポップカルチャーとビジネスの関係。自分もエンタメの世界の端っこに生きてるので、その埋まらない溝や絶対的な矛盾に悩まされることが多い。志は揺らぎ、心は折れ、ビジネスの波に飲み込まれてしまう。でもそこを突破するには初期衝動を信じるしかない。難しいけれど。

カン・ユンソン監督「犯罪都市」を観た。2004年に実際に起こった事件を基に、韓国警察と中華系マフィアの死闘を描く。とにかくマ・ドンソクが大暴れ。リアルキン肉マン消しゴム、マ・ドンソクがバンバン平手打ちで悪党を叩きのめす!腕っぷしは強いが情に厚くて女にゃ弱い。マ・ドンソク版「刑事物語」か。ユン・ゲサンが凶暴にも程がある悪役を熱演。その凶暴さゆえ、ラストの死闘に溜飲が下がる。助演男優賞受賞も納得のチン・ソンギュがこれまた凶暴。しかしマ・ドンソクの腕の太さが映画の主役だ!

南海放送「痛快!杉作J太郎のどっきりナイトナイトナイト」。前回ハロプロ特集からの東映映画「日本の首領」特集。自由奔放にして一本筋の通った番組。全方位的に配慮の行き届いたトークは全男性見習うべき。

2018/5/4

アンソニー&ジョン・ルッソ監督「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」を観た。GWだし、ヒーローテンコ盛りの映画でスカッと爽快に!…のはずが、どえらいことに!観終わった後の劇場に漂うどんより感が半端なかった。っつーか次作アベンジャーズ4、待ちきれませんっ!ガーディアンズ達の登場シーン、さらにワカンダ王国シーンはさすがにアガった!しかし今回の主人公は超強力な悪役・サノス!なんつーか、何も言えねー。ホントいったいこれからどーすんのよ、MARVELさんよぉ

2018/5/7

先日、あるライター/放送作家さんが昨今の放送業界におけるコンプライアンスについて「もっときつくてもいい。だって誰かが不幸になるようなエンタメなんておかしいでしょ」ということをおっしゃられてて、その通りだなぁと心底思った。

2018/5/12

チョン・ジェウン監督「蝶の眠り」を観た。アルツハイマーになった女性作家・涼子。ある日出会った韓国人留学生のチャネ。「最後の小説」を執筆する中で惹かれあう2人。しかし…ってなお話。メロメロにメロウで、しっとりと沁み入る大人のメロドラマ。それでいて雰囲気だけに溺れていない芯のある作品。主演は韓国でも根強い人気を誇る日本映画「Love Letter」の中山美穂。歳を重ねて美しさが増している。相手役のキム・ジェウクもまた美しい。年上の女と青年。この2人がどうかというぐらい絵になる。一歩間違えればただのファンタジーだが、ラストに向けての展開と回収に思わず涙。

冨永昌敬監督「素敵なダイナマイトスキャンダル」を観た。雑誌「写真時代」などで知られる編集者・末井昭の自伝的エッセイの映画化。幼い頃にダイナマイト自殺した母親。やがて少年は青年になりエロ雑誌の編集者になるー。猥雑でパワフル、毒気とユーモア、飄々としながら危険な香りが入り混じる。プンプンと人間臭さが匂い立つ映画。俗にまみれ揺れながらもどこか肝が据わっている主人公。柄本祐お見事。それと愛人役の三浦透子が素晴らしかった。妖しくて魅力的で、でもかなりヤバい。圧倒的に印象的だった。

2018/5/20

大阪カフェマーサで「音楽感謝」観てきた。まずはラリーパパとパイレーツカヌーの混成バンド、R&C FOUNDATION。まさにグッドタイムミュージック。生活者のブルースが根底にあって、そのサウンドはご機嫌。人生はいいことばかりじゃないけれど、それでも世界を肯定するような音楽の底力を感じた。続いては青山陽一 the BM's。数年ぶりに観るBM's。とんでもない進化を遂げていた!オルガントリオの真価を発揮する芯から湧き上がるグルーヴ。圧巻の「Just One Note」に悶絶。ちょっと凄過ぎたなー。音楽に身体が乗っ取られる感覚。いやはや素晴らしかった!

白石和彌監督「孤狼の血」を観た。東映三角マークがスクリーンいっぱいに映し出され映画は始まる。昭和の終わり、広島を舞台にしたヤクザと警察の物語。暴力で描く男たち、そして女たちの挽歌。画面から溢れ出る熱量。作り手、役者達がノって作っているのがわかる。泣き、叫び、怒鳴り、殴り殴られ、殺し殺され、役者なら一度は演じてみたいだろうな。死がすぐ横にある人間から放たれるぎらぎらとした生。こんな役所広司が観たかった。必死に食らいつく松坂桃李も良かった。そして石橋蓮司、安定かつ圧倒的な怪演!最高。

アーロン・ソーキン監督「モリーズ・ゲーム」を観た。スキーモーグルのトップアスリートだったモリー・ブルーム。大きな事故から引退。そしてひょんなことからポーカールームの経営者となっていく。実際の彼女の回顧録が原作。波乱万丈の人生劇場、全てを失った先にどう立ち上がるかを描く。生き馬の目を抜くような世界、パワハラ、セクハラまみれの中、強く、賢く、信念を持って生き抜く1人の女性。どのように成功し、どのように転落したのか。倒れた後、起き上がることができるのか、どう起き上がるのか。そこには起き上がりの美学があった。

2018/5/23

桶田知道の新作「秉燭譚」が届き早速2回転聴いた。素晴らしい!密室的でありながら、ドラマティックかつマジカル。気がつけばその壮大な音世界に飲み込まれてた。扉を開け部屋に入ったつもりが、もう一段階大きな世界に踏み出していたというような。1stも大好きだけど、はるかその上を行っている。

2018/5/24

文春で水道橋博士さんの「藝人春秋Diary」。ジョンとヨーコとユウヤとキリンの話が凄い!そしてハカセにむけたキリンのコトバに胸が熱くなる。そして時空を越えた江口先生の挿絵も最高。

2018/5/26

昨晩は拾得にてコルネッツのライブ。まさか2018年にコルネッツのライブを観ることになるとは!繊細で澄んだ歌声。コルネッツの音楽はさりげないけど不思議な個性をもった、ありそうだけどどこにもない音楽。30年前初めて聴いた時からそんな風に思ってたが、その印象そのままの音があった。感激したなー

2018/5/27

録画していたNNNドキュメント南京事件Ⅱ」観る。戦後すぐに焼却された政府の公式記録の焼け残りや実際に事件現場にいた兵士達の証言。丁寧に丹念に事実を検証。そして「南京虐殺はなかった」とするデマの発端にまでその検証は及ぶ。歴史修正主義者の拠り所そのものが嘘であることが浮かぶ。しかし、ここまで徹底して事実を洗い出しても歴史修正主義者には響かないのも現実。彼らの多くにとって事実などどうでもよく、わかった上で歴史を嘘で塗り固めようとしているのだから。意図的に歴史を修正しようとするその裏には何があるのだろうか。

ウェス・アンダーソン監督「犬ヶ島」を観た。近未来の日本を舞台にしたストップモーションアニメ。いやー、まいった。これはもう「天才が作った映画」だわ。ここまで圧倒的で完璧にデザインされた映画観たらもはや何も言えない。スクリーンを観ている間、ずっと至福の時だった。脳が興奮したわ。