日々の泡。

popholic diary

「素敵なダイナマイトスキャンダル」

冨永昌敬監督「素敵なダイナマイトスキャンダル」を観た。

雑誌「写真時代」などで知られる編集者・末井昭の自伝的エッセイの映画化。幼い頃にダイナマイト自殺した母親。やがて少年は青年になりエロ雑誌の編集者になるー。

80年代に青春時代を送ったサブカル野郎なので「末井昭」という名前はもう高校生の頃には知っていた。「写真時代」も、まぁ、当時、こそっと読んだことがある。なんというか性の“初心者”の頃だったので、アラーキーの写真には興奮するよりちょっと腰が引けた印象が…。ってそれはまた別の話。

原作も随分前に読んだが、猥雑でパワフルで、毒気とユーモア、飄々としながら危険な香りもちょっとする。キレイ事だけじゃない人間臭い匂いがプンプンとしてて、原作を見事に映画化したと思った。

柄本祐がいい。何を考えてるのか一見わからないような表情。でもどんなヤバい状況でもどこか肝が据わっている。俗にまみれながらもどこか達観してる。そんな人間力の圧倒的な強さが滲み出ていた。何より昭和の雰囲気にばっちりはまっていた。

愛人役の三浦透子も素晴らしかった。妖しげで魅力的で、でもかなりヤバい。圧倒的に印象的だった。

ちょうどこの前、神蔵美子「たまもの」をちらっと読んだんだけど、末井さんこの映画の先の人生もまた強烈なんだよなぁ。